ZLIB機能とは
IBM i 7.4 TR7とIBM i 7.5から搭載された新機能で、SAV/RST用の最新の圧縮アルゴリズムです。
圧縮してデータをより効率的にバックアップできるようになっています。
またPower10 システムでは、プロセッサーの Nest Accelerator (NX) GZIP を使用しており、より高速でCPUへの負荷が少ない状態で圧縮がかけられます。
さらにIBM iはOS組み込みでZLIBが使用できるのも大きな特徴です。
圧縮対象は保管ファイル/テープ装置/仮想テープ装置、この3つです。
ZLIBオプションが使えるコマンド一覧
- SAVSAVCFG
- SAVCHGOBJ
- SAVDLO
- SAVLIB
- SAVLICPGM
- SAVOBJ
- SAVSECDTA
- SAVSYS
- SAVSYSINF
使用するために必要なPTF
- IBM i 7.5:PTF MF70497、PTF SI81754、
- IBM i 7.4:PTF MF70498、PTF SI81755、PTF SI81756
実際に使用してみる
使用方法
ZLIBオプションを使用するためには任意のコマンド(今回はSAVLIB)を入力し、F10キーで追加キーを表示しスクロールで次ページを出します。
このデータ圧縮というところです。
オプションで*ZLIBを選択することによってZLIBで圧縮ができます。
検証
検証条件
今回の検証は以下の条件で行いました。
- 使用機器
S1014(9105-41B)/ 6.4TB NVMe*2本 - LPAR情報
OS:IBM i V7R4
CPU:1 core
メモリ:100 GB
ディスク:ミラーリング時 6.4TB/ミラーリング解除時 12.8TB
バックアップ対象:仮想テープ装置
検証結果
データサイズ | バックアップ時間 | 圧縮率 | |
---|---|---|---|
通常時 | 3800GB | 50分 | - |
ZLIB使用時 | 719GB | 2時間46分 | 19% |
考察
今回の検証では特に圧縮率は19%と高い数値を記録し、元のデータサイズから1/4以下に圧縮することができました。
このように高い圧縮率でデータを圧縮できるZLIB機能は特にPowerVSにおけるディスク容量の節約に活きてくるのではないか、と個人的には期待してます。