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伝わる文章スタイルガイド

Last updated at Posted at 2018-08-19

社内用に書いたものが好評だったので投稿です。

みなさんは文章を読んでいて「どうゆう意味だ?」とイライラした経験はありますか?
これは他人事ではなく、僕たちは無意識のうちに相手を不快にしているかもしれません。

目的

  • 伝わる文章を書けるようになる
  • 読みやすいドキュメントを書けるようになる
  • 情報共有・コミュニケーションの効率化

前提として

正確な情報を伝えるために

単語はより具体的な名詞を使って正しい情報で伝えます。
「これ」や「それ」といった代名詞は、できるだけ具体的な言葉に置き換えるなどの配慮も必要です。

常に5W 2Hを意識する

ぶっちゃけこれだけ意識していけば伝わる文章は書けるので、意識していきましょう。

SS 34.png

基本的には上記の項目を満たしていれば正確に伝わる。

  • 誰が、何を、どのように

は最低限ないと文として成り立たないので注意。

伝わる文章11のポイント

①見出しはわかりやすく

見出しだけで、何が書いてあるのか、読めばどんなメリットが得られるのかが分かるものを目指しましょう。
話す時も同じですね

✖ :️朝早く起きる
○:早起きして自己研鑚の時間を設ける

「朝早く起きる」→「早起きして自己研鑚の時間」
何が起きるのか、どんなメリットが得られるのかがわかりやすくなりました。

②見出しのすぐ下に結論を入れる

見出しのすぐ下の文章は、各章の中で最も読んでもらえる部分です。
ここで章の結論やまとめを提示したほうが理解されやすいです。

悪い例

“・早起きして自己研鑚の時間を設ける”
仕事終わりに自己研鑚の時間を設けようと思っても、同僚や上司から食事に誘われたり、終業時間が延びてしまうことがあるので、時間を確保できないことがあります。また、早朝は一日のうちで最も頭が冴える時間帯ですから、自己研鑚するなら少し早く起きて行うのがおすすめです。”

良い例

“・早起きして自己研鑚の時間を設ける”
効率的かつ確実に自己研鑚の時間を確保したいなら、少し早く起きるのがおすすめです。

早朝は誰にも邪魔されにくく、また一日のうちでもっとも頭が冴えている時間帯です。ビジネスパーソンにありがちな同僚や上司の誘いや残業によって、時間が失われる…なんてこともありません。”

---

悪い例ではある程度文章を読むまで、何がいいたいのかがわかりにくいです。

良い例は、早起きすることで「効率的かつ確実に自己研鑚の時間を確保できる」
ということ(メリット)が一目で分かります。
詳しい理由はその後で詳しく書くようにしましょう。

③文は短く、情報量は変えない

悪い例

仕事ができる人の定義は人それぞれですが、「一緒に仕事をしていて気持ちがいい」「応援したくなる」「周りがマネしたくなる」ような人のことを言うのかもしれません。

良い例

仕事ができる人の定義は人それぞれです。「仕事ができる人」は以下のポイントを抑えた人を言うのかもしれません。
・一緒に仕事をしていて気持ちがいい
・応援したくなる
・周りがマネしたくなる

悪い例 の「...の定義は...ですが、「...」「...」「...」のような...かもしれません」
ように言いたいことを一文に詰め込み過ぎると、何をいいたいのかがわかりにくくなります。
(話す時も同じです)

良い例 のように「...の定義は...です。...は...かもしれません」
のように文を短くすると読みやすくなります

ここはピンときづらいのでもう1例見て見ましょう

SS 36.png

④主語と述語を正しくつなぐ

文章を読んでいて、一瞬「ん?」と違和感を感じた時は、これが原因のことが多いです。
意味の通った文章は、主語と述語だけを抜き出しても意味が通ります。

悪い例

“仕事ができる人は、彼らの仕事ぶりや成績だけでなく、周りへの気遣いやフォローに注目しましょう。”

良い例

“仕事ができる人は、彼らの仕事ぶりや成績だけでなく、周りへの気遣いやフォローも怠りません。まずはこうした振る舞いに注目しましょう。”

---

「仕事ができる人は…注目しましょう」と、文章が繋がっていないことが分かります。
これでは何をいいたいのかイマイチ伝わりません。

良い例 では、
「仕事ができる人は...怠りません」
「まずは...に注目しましょう」

と主語と述語が正しく、伝わりやすくなります

  • 誰が、何をする
  • 何を、どうする

を意識するといいと思います

⑤接続詞に気をつける

接続詞を使うとうまく文章がつながったように感じてしまうので注意しています。
読み手が一度に受け取れる情報には限界があるので、一文を切っていくとわかりやすくなります。
作成後は、一度文章を声に出して読み、不要な接続詞がないかをチェックしましょう

悪い例

近年SEOでは、コンテンツの質が最も重要だと言われているが、私は全面的に賛成するわけではないが、サイト制作者はGoogleが提供する「検索品質ガイドライン」の重要性を理解するべきだ。

良い例

近年SEOではコンテンツの質が最も重要だと言われている。私は全面的ではないが重要な要素としては賛成する。サイト制作者はGoogleが提供する「検索品質ガイドライン」の重要性を理解するべきだ。

---

悪い例 では
「近年...言われているが、私は...するわけではないが、サイト作成者は...理解するべきだ」
と途中で「ん?」となり、明らかに不自然です。

良い例 では
「近年...言われている。私は全面的ではないが...賛成する。サイト作成者は...理解するべきだ」
と一文一文がしっかり意味が通るので伝わりやすくなります。

⑥誰もが理解できる言葉を使う

易しい言葉を選びましょう。「専門用語」を使って良いのは、相手が明らかにその意味を理解しているときだけです。

×:とてもクリティカルな問題です。
◯:とても重要な問題です。

カタカナ語はできるだけ使わない

特に注意してほしいのがカタカナ語の頻出です。

  • 伝わる相手が限定される
  • 具体性を欠きやすい

というデメリットがあります。

具体例

アジェンダ:目次・予定表など
スキーム:枠組み・仕組み
コミット:約束・集中
エビデンス:証拠
フィックス:決定
ペンディング:保留
コンセンサス:複数人による合意

⑦「こと・もの」はあまり使わない

「…ということ」「…というもの」といった言い回しを使い過ぎると、文章の意図がわかりにくくなります。

悪い例

“日本企業では、先輩が現場で後輩に仕事を教えるOJTが主流です。しかし、多くの先輩社員は教えるという事を学んでいないということがあります。”

良い例

“日本企業では、先輩が現場で後輩に仕事を教えるOJTが主流です。しかし、多くの先輩社員は教える技術を学んでいません。”

教えるということ → 教える技術 と改善されました
「…ということ」「…というもの」がなくても、意味の伝わる文章が作れないか、作成後にチェックするクセをつけましょう。

⑧くどい言い回しをしない

くどい言い回しをして事実をぼかさいように気をつけます。

悪い例

営業部の成績が悪くなった。売り手主導の時代は終わったと言われても仕方ない面があった。

良い例

営業部の成績が悪くなった。買い手の気持ちを考えていなかった。

---

売り手主導の時代は終わったと言われても仕方ない

買い手の気持ちを考えていなかった

など簡潔にできるといいでしょう

⑨具体的な数値をつかう(数字は算用数字を使う)

具体的な数字を書くとイメージしやすくなります。

悪い例

Googleのアルゴリズム(検索ランキングのルール)は日々変動している。

良い例

Googleのアルゴリズム(検索ランキングのルール)は、年間400以上変動している。

「日々」 → 「年間400以上」
とすることでイメージしやすくなります

⑩過剰な敬語に注意

成果につながるページでは、丁寧にしようとして過剰な敬語になりがちです。

悪い例

申込書はリンク先のページからダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただき、当社宛にご送付いただければ、あらためてこちらからご連絡させていただきたく存じます。

良い例

申込書はリンク先のページからダウンロードできます。必要事項をご記入のうえ、当社宛にお送りください。あらためてこちらからご連絡いたします。

---

「申込書は...していただき、必要事項を...いただき、当社宛に...いただければ、あらためて...させていただきたく存じます」
と一文の中に詰め込まれすぎてとても覚えきれないので

「申込書は...できます。必要事項を...当社宛にお送りください。あらためて...いたします。」
のようにするとわかりやすくなります。(1文短くすることを心がけましょう)

11. 繰り返しを避け、文字を置き換える

言葉が被っていると文章に違和感を感じるので、言葉を置き換えます。

悪い例

プロジェクトチームが結束するためには、コミュニケーションの活性化が必要だ。そのためには、メンバー同士が相手の話をよく聞くことが必要だ。

良い例

プロジェクトチームの結束には、コミュニケーションの活性化が必要だ。その出発点として、メンバー同士が相手の話をよく聞くことから始めよう。

---

「...ためには、....が必要だ。そのためには...が必要だ」と同じフレーズが続いてしまい、不自然さが生まれます。

良い例 のように
「...には、...が必要だ。その出発点として、...から始めよう」のように違う言葉で置き換えられるとBestです。

さらにワンポイント(やらなくてもいいです)

漢字とひらがなのバランス

難しい漢字や常用外の漢字などは控え、普段使い慣れている漢字を使用しましょう
- 漢字が多すぎても読みづらい
- ひらがなが多くても読みづらい

SS 35.png

上記はひらがなのほうが望ましい

活用方法

  • ドキュメント作成
  • プルリクを書く時
  • 先方への返信
  • Slackでのやり取り
  • その他文を書く時全部

それぞれのタイミングで思い出してくれるといいと思います。

最後に

一朝一夕でいきなり書けるようにことはないので、常に意識し続けることが大切なのではと思っております。

「ここの説明よくわからない」
「どこまでがわかっていてどこまでがわかっていないかだけでも最低限明確にしてください」

みたいなやりとり無くしたいと思ってます。

「相手に不快感を与えないように」
「言いたいとこが伝わるように」

という気持ちで書けば、おかしな文章にはならないはず。(だと思ってます)
大切なことは「読み手がどう感じるか」を意識することです。

参考書

参考リンク

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