14
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

ミクシィグループAdvent Calendar 2018

Day 20

ElixirのPhoenixでUDPサーバを実装する

Last updated at Posted at 2018-12-19

この記事は mixiグループ Advent Calendar 2018 の20日目の記事です。

去年はネットワークプロトコルのポエムを書いたので、今年は実際にUDPサーバをelixirで実装してみました。去年はめっちゃQUIC推しだったのにQUIC実装じゃないんかいって思うかもですが、QUICについてはvさんに期待してます。まぁQUICを実装するためにはそもそもUDPをいじれる土台を作らないとだめなので、これをベースに遊べればいいなと思ってます。

そういえば、WebSocket2(WebSocket over http/2)がdraftからPROPOSED STANDARDになりましたね。素晴らしい。0RTTでWebSocketがリコネクトできる時代が早く来てほしいです。

UdpPhx

早速本題ですが, udp_phx というPhoenixの上にUDPのサンプルサーバを作ってみました。

Phoenixのsupervisorに作ったUDPサーバをぶら下げて、phx.serverを立ち上げるとPhoenixアプリケーションのいち部としてUDPサーバが立ち上がります。

Dockerfileを付属したのでDocker環境がある人は簡単に立ち上げられると思います。

git clone github.com:oppai/udp_phx
cd udp_phx
docker-compose build
docker-compose up -d

# Webサーバに接続
curl -i 0.0.0.0:4000/hello
# UDPで接続
nc -u 0.0.0.0 8080
< aaaa
> {:udp, #Port<0.6206>, {172, 26, 0, 1}, 52430, "aaaa\n"}>

ローカルの8080ポートにマッピングしてるので、ncコマンドで接続することができます。入力しデータに対してinspectした結果をそのまま返しています。タプルの先頭から、パケットの種類、Socketオブジェクト、送信側ホスト、送信側ポート、データ領域です。

コアになるアプリケーションは UdpPhxUdp.Application モジュールで erlangの :gen_udp をElixirの GenServer でWrapしたものです。構成はPhoenixに則って、 Webサーバと同じ階層にUDPサーバを作りました。

defmodule UdpPhxUdp.Application do
  @moduledoc """
    深く考えず作ったためにudpという文言が2つもついてしまった気持ち悪いアプリケーション
  """
  use GenServer
  require Logger

  def start_link(port \\ 12345) do
    Logger.info("UDP server binding #{port}")
    GenServer.start_link(__MODULE__, port)
  end

  def init(port) do
    :gen_udp.open(port, [:binary])
  end

  def handle_info({:udp, socket, host, port, _} = data, server_socket) do
    :gen_udp.send(socket, host, port, "#{inspect(data)}>\n")
    {:noreply, server_socket}
  end
end

今回作成したソースコードはGitHubにあげてるのでご自由にどうぞ。

本当はデモサーバをHerokuに上げたかったのですが、Herokuはランダム設定されたポートを $HOST に保存して80/443をフォワーディングする仕組みになっており、任意のポートを利用することができませんでした。 またポートのLISTENがTCPにしか許可されない様で、指定されたランダムポートをUDPでLISTENしたところ、PermissionErrorが返ってきました、残念😢

Elixirのパタンマッチを使ってデータをハンドリング

データをパターンマッチでハンドリングできることがElixirでUDPを扱うメリットかなと思います。
先程の handle_info/2 をデータ拡張してみます。

+  def handle_info({:udp, socket, host, port, "ping\n"}, server_socket) do
+    :gen_udp.send(socket, host, port, "pong\n")
+    {:noreply, server_socket}
+  end

  def handle_info({:udp, socket, host, port, data}, server_socket) do
    :gen_udp.send(socket, host, port, "#{inspect(data)}>\n")
    {:noreply, server_socket}
  end

"ping"という文字列が来たときに"pong"と返す事ができるようになりました。またElixirはバイナリデータのパタンマッチもすることができるので、文字列だけじゃなくてバイナリデータに対しても簡単にハンドリングすることができます。便利。

感想

折角UDPサーバ作ったので次は簡単なUDPアプリケーションを作ってみたいなと思います。通信速度が早い今の時代UDPのサーバなんて作る必要ないと思いますが、PhoenixだけでRESTAPI/WebSocket/UDPというマルチサーバを作ることができます。何よりSupervisorの上に乗っかってるのが安心できますよね。

実はTCPのパケットがどの様に再送するのかとか、巨大なUDPが送られて欠損したときにどのようなデータが受信されるのかとかあまり理解してないので、気が向いたときにこのサーバを使って実験しようと思います。

14
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
14
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?