上長や会社へのレポートは、仕事を進めたり説明したりするうえで欠かせないものだと筆者は考えています。
そのなかでも週報は代表的なレポートの形式であり、組織によっては推奨もしくは指示されていることもあるはずです。
週報のよくある形式
ではその週報について、何を書くべきなのでしょうか。
多くの場合は「今週やったこと」がメインとなるでしょう。
## 今週やったこと
・Aの機能を実装した
・Bの不具合修正は未了
・Cの開発は開始していない
人によっては、これにつづけて「挙がった成果」や「中期の目標に対する進捗」の記載もされるかもしれません。
しかし「これだけでは不足しているのではないか」というのが、私の意見です。
「あらすじ」は前提を補足する
「欠けやすいが必要な週報の要素」とは何でしょうか。それは背景・前提1です。
これを具体的に示すと、マンガにおけるあらすじと言えるでしょう。
連載漫画や単行本の冒頭には「これまでのあらすじ」が載っています。前回の内容を忘れていても、あらすじを読めば本編に入っていける。読者と作品の間にある情報の差を埋めてくれる存在です。
たとえば私の愛読書である『キン肉マン』の最新話の"あらすじ"を見てみましょう。
宇宙崩壊を加速させていた元凶は刻(とき)の神だった!
世界各地で同時開催された五大刻との一大決戦は、キン肉マンらの活躍でザ・マン陣営が3勝2敗と勝ち越しに成功。
しかし、その喜びも束の間。エンデマンが消滅した場所から神の資格"1億パワー"を受け継いだ新たな五大刻"炎天の刻(えんてんのこく)"サラマンダーが出現!!
そして、刻(とき)の神の真の狙いが、神の領域1億パワーを使って、天界と俗世の壁を越え、すべての神の座を時間超人のものにすることだったと判明する! それを知ったテリーマンは満身創痍の身体をおして、サラマンダーの前に立ちはだかった! 2
このあらすじを読めば、「満身創痍のテリーマンはサラマンダーに勝てるのか?」というテーマを持って本編を読むことができます。3
週報も構造的には同じであり、読み手は先週の詳細、つまりチームやプロジェクトの経緯を覚えているとは限りません。むしろ覚えている人なんて一握りしかおらず、なんなら自分自身だって覚えていない可能性だって高いはずです。
書き手にとっては地続きの一週間であっても、読み手にとっては唐突に始まる報告かもしれない。本編だけを書いても、文脈が抜け落ちてしまうのです。
「あらすじ」のある週報
週報を読めるようにする、とくに「テーマを持って週報を読めるようにする」ためには、書き手は読む前の背景・前提つまり"あらすじ"を書くべきです。
たとえば先ほどの週報に「あらすじ」を加えると、以下のようになります。あらすじだけ追加してみましょう。
## 経緯 ※これが「あらすじ」
先週のMTGによって、Aの機能実装が最優先であることがわかった。
またBの不具合修正も次点で優先度が高く、この2つを今週で達成したいと考えている。
なお余裕ができればCの開発着手も予定。
## 今週やったこと
・Aの機能を実装した
・Bの不具合修正は未了
・Cの開発は開始していない
内容の粒度は大きく変わっていませんが、読み手の理解は変わるはずです。たとえば、
- 最優先にしていた開発は終わったので、ひとまずは安心してよさそう
- Bの不具合修正も目標に入れていたが達成できなかったのはなぜだろう
など、最初の報告に比べて理解や検討が深まっていくはずです。
書き手自身にとっての効用
「あらすじ」を書くことには、読み手への配慮という側面だけでなく、書き手自身にとっての効用もあります。
というのも、あらすじを書くとき、「なぜ今週これをやったのか」を言語化することになるからです。なんとなく進めていた作業があったとしても、改めてその理由を与えることになり、書きながら「この判断は正しかったのか」と振り返る機会にもなります。
次回予告
すべてのテキストは、(未来の自分もふくめた)他者に読まれてはじめて意味をなすものです。そのため読み手が持っていない文脈を補うことは省略できません。
自分にとって当たり前の流れは、相手にとっては見えていない。その前提に立つと、週報には本編だけでなく「あらすじ」が必要だとわかります。
というわけで「あらすじ」と対になる要素、「次回予告」についても書いてみました。