週報には「次回予告」を書く
前回の記事では、週報に「あらすじ」を書くことの重要性について述べました。
読み手は先週の詳細を覚えているとは限らない。だから本編の前に背景・前提1=あらすじを添えることで、週報が「点」ではなく「線」として読めるようになる、という話でした。
今回はその続きとして、「あらすじ」と対になる要素である「次回予告」について書いてみます。
予想・期待をうながす「次回予告」
「あらすじ」を書いていると、あるものも書きたくならないでしょうか。それが「次回予告」です。
ひきつづき『キン肉マン』を例に見てみましょう。
「ザ・ワン陣営もいよいよ始動!」「アシュラマンVSサラマンダー戦の火ぶたが切られる!」と書いてあるだけで、まだ次回作は出ていない状況ですが、すでに私たちはその次回作の一部を読んだつもりになれます。少なくとも、何を読むことになるのかは予想・期待できるでしょう。
週報においても同様の予想・期待を持たせるよう工夫します。つまり「次回予告」として、来週の目標や課題(可能ならそれに対するアプローチも)を記載するのです。
「次回予告」のある週報
前回の記事で紹介した「あらすじ」のある週報に、さらに「次回予告」を加えてみましょう。
## 経緯(あらすじ)
先週のMTGによって、Aの機能実装が最優先であることがわかった。
またBの不具合修正も次点で優先度が高く、この2つを今週で達成したいと考えている。
なお余裕ができればCの開発着手も予定。
## 今週やったこと
・Aの機能を実装した
・Bの不具合修正は未了
・Cの開発は開始していない
## 来週に向けて(次回予告)
・Bの不具合修正について想定より工数がかかるかもしれないことがわかった
・そのためBの不具合修正の完了タイミングによってはCの開発着手がさらに遅れる可能性がある
・この場合Cの開発スコープを縮小する必要が出てくるため、そのタイミングでエスカレーションを行う予定
「来週に向けて」のセクションが加わったことで、週報は過去から未来へと繋がる一本の線になりました。
読み手は「来週の週報では、Bの修正がいつ終わるかが焦点になるのだな」と予測できます。これはまさに、次の話を楽しみに待つ読者の心理と同じです。
書き手自身にとっての効用
「次回予告」を書くことには、読み手への配慮という側面だけでなく、書き手自身にとっての効用もあります。
次回予告を書くことは、来週へのコミットメントになります。「来週はBを最優先にする」と書いた以上、来週の週報ではその結果を報告することになる。自分自身に対する宣言であり、ある種の規律として機能するのです。
また次回予告=コミットメントに対して、周りからの明確なフィードバックを得やすくなります。たとえば「Bの不具合修正を保留し、Cの開発を優先するように」という指示があるかもしれません。週報は報告であると同時に、建設的な対話を生み出す材料にもなります。
おわりに
前回と今回の2つの記事を通じて、週報には「あらすじ」と「次回予告」が必要だという話をしてきました。
自分にとって当たり前の流れは、相手にとっては見えていない。その前提に立つと、週報には本編だけでなく、過去への接続である「あらすじ」と、未来への接続である「次回予告」が必要だとわかります。
このような書き方を続けていくと、週報が「点」ではなく「線」として繋がり、ひとつのストーリーとして語れるようになってきます。そしてそのようなストーリーから生まれた今週の行動に対して、チームや外部からも納得感をより得られるようになるでしょう。
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藤田肇『成果を生み出すテクニカルライティング ── トップエンジニア・研究者が実践する思考整理法』の用語として引用 ↩
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『キン肉マン』第517話より最終ページ。【最新話】第517話 - キン肉マン - 週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト] ↩
