はじめに
IT部門に異動して約3か月目のにったです。
異動後、まず驚いたのは、案件管理をExcelで行っていたことです。ここでいう案件とは、システム改修、不具合対応、業務改善依頼など、IT部門に寄せられる業務を指します。
もちろん、Excel自体が悪いわけではありません。ただ、実際に運用すると、次のように感じることがありました。
- この項目は本当に必要なのか
- 入力項目が多すぎないか
- どの案件に対応が必要なのか分かりづらい
実際の管理表すべては公開できませんが、参考画像を掲載します。
管理項目は全部で41列あります。項目数そのものが問題とは限りませんが、案件が増えるほど入力・確認・更新に時間がかかり、全体の状況も把握しづらくなります。
もっと見やすく、入力しやすくできないだろうか?
そう考え、単なるExcelの置き換えではなく、案件管理そのものを見直すためのPOCを作りました。
この記事で紹介すること
- 現在の案件管理で感じた課題
- Power AppsとSharePoint Listで作ったPOC
- 実際に触ってもらって分かったこと
- 今回確認できなかったことと、次に検証したいこと
課題整理
① 管理項目が多く、入力・更新に負担がある
案件ごとに41項目を管理しています。すべてに設定理由はあると思いますが、更新されていない項目もあり、入力負荷に対して十分活用されていない情報もあるように感じました。
ただし、何を残し、何を減らすべきかはまだ整理できていません。項目の必要性は、管理する人や情報を利用する人への確認が必要です。
② 案件の状況を一覧で把握しづらい
Excelでは多くの情報を管理できますが、進行中の案件、担当者、停滞している案件を一目で把握するのは難しいと感じました。
③ 関連する案件を管理しづらい
案件を進めると、元案件から派生した案件、保守対応になった案件、並行して進む関連案件が発生します。
Excelでは関係性を分かりやすく表現しづらいため、案件単体だけでなく、案件同士のつながりも管理できる仕組みが必要だと考えました。
今回のPOCで確認したかったこと
今回作ったものは完成版ではなく、次の点を確認するための「たたき台」です。
- ダッシュボード化で状況を把握しやすくなるか
- 案件管理アプリとして成立しそうか
- どの機能に価値を感じてもらえるか
今回は、案件登録、案件検索、ダッシュボード表示に機能を絞りました。
41項目の見直し、親案件・子案件の管理、関連案件のひも付けは未検証で、今後の課題です。まずは基本イメージを形にし、実際に触ってもらうことを優先しました。
なぜPower Appsを選んだのか
目的は本番システムの完成ではなく、短期間でアイデアを形にし、利用者の反応を確かめることでした。
Microsoft 365環境を利用しており、SharePointと連携でき、短期間で業務アプリを試作しやすいことからPower Appsを採用しました。
画面部分にPower Appsのキャンバスアプリ、データ保存先にSharePoint Listを利用しています。
システム構成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 画面 | Power Apps キャンバスアプリ |
| データ保存先 | SharePoint List |
| 主な画面 | 案件登録、案件検索、ダッシュボード |
| 主な表示 | 進行中、更新停滞、期限超過、入力不足の案件 |
作ったもの
1. 案件登録
案件名、担当者、状態、期限などを入力して登録します。
2. 案件検索
案件名、依頼元、状態から案件を検索できます。
3. ダッシュボード
案件一覧に加え、次の案件を表示します。
- 進行中案件
- 更新停滞案件
- 期限超過案件
- 入力不足案件
対応が必要な案件を一目で把握できることを意識しました。
実際に触ってもらったフィードバック
評価された点
Excelより案件状況が把握しやすい
今どの案件に対応が必要なのか分かりやすい
ダッシュボードの一覧性や視認性には、一定の価値がありそうです。
指摘された点
管理対象が異なるシステムや改修案件なので、そもそも案件管理自体が難しい
Microsoft Plannerと比べると、管理しやすさでは及ばない部分もある
アプリに置き換えただけで、案件管理そのものの難しさが解決するわけではありません。
次の仮説につながった意見
その中で印象的だったのが、次の意見です。
親子関係を持てるようになれば価値がありそう
ExcelやPlannerでも案件管理はできますが、次のような関係性は把握しづらいと感じています。
- どの案件から派生したのか
- 保守案件と元案件がどうつながるのか
- 関連する案件がほかにあるのか
案件単体ではなく、案件同士のつながりを管理できることが、今後検証すべき価値になりそうです。
POCで分かったこと・分からなかったこと
分かったこと
- ダッシュボードはExcelより状況を把握しやすいという反応があった
- 親子関係を持てると、さらに価値が出そうという仮説を共有できた
まだ分からないこと
- 41項目のうち、何が本当に必要なのか
- 親案件・子案件をどのように管理するのか
- 継続利用しても入力・更新の負担を減らせるのか
41項目については、単に減らせばよいわけではありません。誰が入力し、誰がどの場面で使うのか、更新されない理由は何か、必須情報は何かを整理したうえで見直す必要があります。
まとめ
Power AppsとSharePoint Listで案件管理アプリのPOCを作成しました。
実際に触ってもらった結果、ダッシュボードによる可視化には一定の価値があり、案件同士の関係性は次に検証すべきポイントだという仮説が見えてきました。
一方、41項目の見直しは未検証です。利用者へのヒアリングを含めた今後の検討課題とします。
今回の成果はアプリを完成させたことではなく、**「何に価値があり、次に何を検証すべきか」**を利用者と共有できたことだと感じています。




