0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

アイキャッチ

CDの意味とは

CI/CDの「CD」は、Continuous Delivery(継続的デリバリー) または Continuous Deployment(継続的デプロイメント) の略称です。この2つは似ているようで異なる概念であり、どちらもソフトウェアのリリースプロセスを自動化する手法を指します。


継続的デリバリー(Continuous Delivery)とは

継続的デリバリーは、CIで行われるビルドやテストの自動化に加えて、本番環境への準備段階までを自動化する手法です。

具体的なプロセス

  1. 開発者がコードをコミット
  2. 自動的にビルド・テストが実行される(CI)
  3. テスト環境やステージング環境へ自動デプロイ
  4. 高度なテスト(E2Eテスト、負荷テスト、セキュリティテストなど)を実行
  5. 本番環境へのリリースは手動で実施

重要なポイント

継続的デリバリーでは、コードは常に「いつでも本番環境にリリースできる状態」に保たれます。しかし、実際の本番環境へのデプロイは、運用チームやプロジェクトマネージャーが手動でトリガーする必要があります。


継続的デプロイメント(Continuous Deployment)とは

継続的デプロイメントは、継続的デリバリーをさらに拡張したもので、本番環境へのリリースまで完全に自動化する手法です。

具体的なプロセス

  1. 開発者がコードをコミット
  2. 自動的にビルド・テストが実行される(CI)
  3. テスト環境やステージング環境へ自動デプロイ
  4. 高度なテストを自動実行
  5. すべてのテストに合格すれば、本番環境へ自動リリース

重要なポイント

継続的デプロイメントでは、人の手を介さずにコード変更が本番環境まで届きます。そのため、自動テストの品質と網羅性が極めて重要になります。


継続的デリバリーと継続的デプロイメントの違い

項目 継続的デリバリー 継続的デプロイメント
本番環境への
デプロイ
手動で実施 自動で実施
リリースの頻度 必要に応じて 1日に何度でも可能
人の判断 リリース前に必要 テストが自動判断
適したケース 慎重なリリースが
求められる場合
素早いフィードバックが
必要な場合

どちらを選ぶべきか

  • 継続的デリバリーが適している場合

    • リリース前に人間による最終確認が必要
    • 規制の厳しい業界(金融、医療など)
    • リリースタイミングをビジネス都合で調整したい
  • 継続的デプロイメントが適している場合

    • Webサービスやモバイルアプリなど、頻繁な更新が可能
    • 顧客からのフィードバックを素早く得たい
    • 高品質な自動テストが整備されている

CDのメリット

1. リリース頻度の向上

自動化によって、コード変更から本番環境への反映までの時間が大幅に短縮されます。これにより、顧客のニーズに素早く対応できるようになります。

2. 品質の向上

毎回のコミットで自動テストが実行されるため、バグの早期発見が可能になります。後工程になるほど修正コストが増大するため、これは大きなメリットです。

3. 人為的ミスの防止

手動作業を減らすことで、デプロイ時のヒューマンエラーを大幅に削減できます。リリース手順の確認やリハーサルも不要になります。

4. 開発者の生産性向上

煩雑な手作業から解放されることで、開発者は本来の開発業務に集中できるようになります。


CDの導入方法

段階的なアプローチがおすすめ

  1. まずはCIから導入

    • 静的解析や単体テストの自動化からスタート
    • 継続的インテグレーションの価値を実感する
  2. 継続的デリバリーへ拡張

    • テスト環境への自動デプロイを追加
    • より高度なテストを組み込む
  3. 継続的デプロイメントへ発展

    • プロジェクトの成熟度に応じて、本番環境への自動デプロイを検討
    • モニタリングやロールバック機能を強化

主要なCD/CDツール

  • Jenkins - オンプレミス型の代表格。1,500以上のプラグインで高いカスタマイズ性
  • CircleCI - クラウド型で簡単に始められる
  • GitHub Actions - GitHubと統合されたCI/CDサービス
  • GitLab CI/CD - GitLabに組み込まれたCI/CD機能

導入時の注意点

1. テストの充実が不可欠

特に継続的デプロイメントでは、自動テストの品質がそのままプロダクトの品質に直結します。テストカバレッジを高く保つ必要があります。

2. 文化の変化が必要

CI/CDの導入は単なるツールの導入ではなく、チーム全体の働き方の変革を伴います。開発、運用、ビジネスチームすべてが関与する必要があります。

3. 初期投資が必要

パイプラインの設計や実装、テストの自動化には一定の工数がかかります。しかし長期的には大きなリターンが得られます。


まとめ

CI/CDの「CD」には2つの意味があります。

  • 継続的デリバリー - 本番環境への準備まで自動化し、リリースは手動で実施
  • 継続的デプロイメント - 本番環境へのリリースまで完全に自動化

どちらを選択するかは、プロジェクトの要件やチームの成熟度によって異なります。多くのチームは継続的デリバリーから始めて、徐々に自動化の範囲を広げていく方法を取っています。

CDを導入することで、リリース頻度の向上、品質の向上、人為的ミスの削減、開発者の生産性向上といった多くのメリットが得られます。現代のソフトウェア開発において、CI/CDはもはや必須の手法と言えるでしょう。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?