エンジニアをやっていると「いつ知ったかわからない」・「研修などでは特に教えられない」けど、みんな当たり前に知っている知識や文化がある気がします。この記事では、そういったエンジニアの暗黙の知識・文化みたいなものを思いつくままあげてみました。
だいぶ個人の感想的な内容なので、他にも「こんなのあるよ」みたいなものがあれば、コメントで教えてもらえると嬉しいです。
1. GitHubアカウントと「草を生やす」文化
ソースコードの管理サービスであるGitHubですが、使い方がまだよくわからない・使う予定がない場合でも「とりあえずGitHubアカウントは作っておけ」などと言われた覚えがあります。
開発で使う多くの言語やツールはGitHub上で公開されており、スター(いいねのようなもの)をつけたり、issueを立てたりする際にアカウントが必要です。また、QiitaやZenn、その他の開発系サービスでの「ソーシャルログイン」にもよく使われます。
ちなみに、GitHubのプロフィールページには、活動量に応じて緑色の濃さが変わるカレンダー(Contributions)があり、毎日コードを書いたり活動したりすることを「草を生やす」と呼ぶ文化があります。
2. hoge, fuga, piyo(メタ構文変数)
プログラミング言語によらずサンプルコードやQiitaの記事などで「何を入れてもいい適当な変数名」として、日本のエンジニアが自然に使っている単語です。ただ、これはあくまでサンプルコードや手元のテストでのみ使うものであり、本番のコードに hoge を残すのは推奨されません。
ちなみに、この hoge fuga piyo は日本の文化らしいです。
海外のドキュメントや英語圏のエンジニアは、同じ用途で foo bar baz (フー、バー、バズ)を使用します。海外製のライブラリの公式ドキュメントを読むと多くの場合 foo になっているのはそのためです。
このような「適当な名前」を表す単語は、専門用語で「メタ構文変数」と呼ばれています。フランスだと toto tata になるなど、国や地域によっても異なる文化があるようです。
3. Markdown記法
世の中的なドキュメント作成といえばWordやExcel、学生界隈だとLaTeXなどを使ったりしますが、エンジニアはMarkdown(マークダウン)を使うことが多いです。
README、議事録、設計メモ、GitHubのissueやPull Requestのコメントなど、テキストベースのものは何でもMarkdown記法を使用して書きます(このQiitaの記事もMarkdownで書かれています)。
プレーンテキストなのでGitなどのバージョン管理システムと相性が良く、差分(変更履歴)が分かりやすいのが、エンジニアに広く利用される理由のひとつです。
4. LGTM、WIP などの略語
「LGTM」はコードレビューでよく使われる言葉で、Looks Good To Me の略です。「(私が見たところ)問題なさそうです」「承認します」という意味で使われます。GIFアニメーションに大きく「LGTM」と書かれた画像を貼り付ける文化もあります。
GitHubなどで開発を進めると、この手の略語に自然と触れることになります。
- WIP (Work In Progress):作業中(まだマージしないでほしい状態)
- FYI (For Your Information):参考までに
- Nits (Nitpick):些細な指摘(修正しなくても問題ないレベルの提案)
ちなみに、GithubやSlack等のコメントに貼る用のLGTM画像生成サイトみたいなものもあります。
5. Software Design(技術雑誌)
エンジニアがよく読む雑誌として、技術評論社が発行する Software Design があります。
内容は初心者向けの入門特集から現場向けのアーキテクチャの話まで幅広いです。毎号必ず買うというよりは、目次を見て自分の関心のある特集のときだけ購入するというスタンスの人が多い印象です。Kindleなどの電子書籍版や、読み放題サービスを活用して読まれることも多いです。
月刊誌とは別に別冊のシリーズがありこの記事の執筆時期の直近の2026年の5月・6月には入門者向けの別冊が出版されていました。
- Software Design for Beginners① エディタ入門 | 技術評論社
- Software Design for Beginners② はじめてのLinux | 技術評論社
- Software Design for Beginners③ ネットワーク技術入門 | 技術評論社
6. 動物の表紙の技術書「O'Reilly(オライリー)」
表紙に独特の動物の細密画が描かれている O'Reillyも技術書 は、特定の技術を掘り下げた技術書シリーズでエンジニア同士の会話でもよく登場します。表紙の動物から、サイ本やカニ本などと呼ぶこともあります。
総じてページ数が多くて重いのですが、新しい技術に触るときの基礎から仕組みまで体系的に学ぶ際の選択肢として選ぶことが多い書籍です。
7. 情報収集ツールとしての「X (Twitter)」
SNSとして知らない人はいないと思いますが、友人との連絡や個人の趣味用とは別に、技術情報を追うための「エンジニアアカウント」を作成する人も多いです。技術トレンドや最新情報の収集において、X (Twitter)は有力なプラットフォームの一つとして利用されています。
著名なエンジニアや公式アカウントをフォローすることで、以下のような情報がニュースサイトより早く入ってくることがあります。
- 新しいライブラリや機能のリリース
- カンファレンスの登壇資料(スライド)の共有
- AWSやCloudflare、GitHubなどの障害情報
障害情報については、公式発表よりも一般ユーザーの状況報告が早く回ることが多いため、利用中のサービスに不具合を感じた際の確認手段としても使われます。また、カンファレンス開催中は特定のハッシュタグで実況が行われる文化もあります。
8. 技術ポッドキャスト(Podcast)
テキストだけでなく、音声で情報収集をしているエンジニアも多数います。エンジニアが技術トレンドや開発の裏話、組織論などを語る「技術系ポッドキャスト」が数多く存在します。
発信媒体としては、SpotifyやApple Podcastsなどの一般的なポッドキャストアプリで配信されていることが多いです。探し方としては、アプリ内で興味のある言語や分野(「フロントエンド」「AWS」など)で検索したり、X (Twitter) でエンジニアがシェアしているリンクから新しい番組を見つけたりします。
通勤中や家事の合間などにながら聞きができるのが良いところだからなのか、技術のディープな話や他社の開発風景といったテーマにおいては、なぜかYouTubeなどの動画媒体よりも、こうしたポッドキャスト形式の方をよく見かける印象があります。
9. 大型カンファレンスと「ノベルティ・ステッカー」
先日開催されたAWSが開催する大型Techイベントである「AWS Summit」をはじめ、毎年開催される大型カンファレンスがいくつもあり、無料で参加できるイベントも多いです。
言語やフレームワーク(Python, Go, Rubyなど)のコミュニティが主催するものから、企業主催のものまで様々です。初心者でも参加可能な開かれたイベントが多く存在します。
カンファレンスでは、スポンサー企業のブースでノベルティ(Tシャツやステッカーなど)が配られることもあり、もらったステッカーをノートPCに貼るエンジニアも多く見られます。
過去に大型イベントをまとめた記事もあるので参考にしてみてください。
10. connpass とオンライン勉強会
connpassはIT勉強会のイベントサイトです。
日々いろいろな勉強会が開催されていて、ほとんどは誰でも参加できます(Doorkeeperなどのサービスもあります)。
「まだ知識が浅いから参加しにくい」と感じる時期でも、カメラオフ・マイクオフで参加できるオンライン勉強会であれば比較的ハードルが低いです。懇親会がある場合は、X(Twitter)のアカウントを交換することも多いです。
LT(ライトニングトーク)と呼ばれる5分程度の短い発表を募集している勉強会も多く、少し慣れてきたら登壇者として参加することも学習の機会になります。
11. Qiita / Zenn
このサイトであるQiitaや、Zennは、技術に関する知見を投稿できるサイトです。
技術で困ったときに検索でたどり着くこともあれば、トレンドを知るために読むこともあります。
誰でも投稿でき、些細なエラーの解決法でも誰かの役に立つ情報になり得ます。
また、アウトプットとして記事を残しておくことで、数ヶ月後に同じエラーでハマった際に「過去に自分が書いた備忘録に助けられる」という事例もエンジニアの間ではよく見られます。
12. 「完全に理解した」「チョットデキル」
最後に、エンジニア界隈でよく使われるネットスラング(ミーム)を紹介します。
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「完全に理解した」
入門レベルができるようになっただけで深いところは何もわかってない状態を指す表現。 -
「チョットデキル」
その技術に精通している熟練のエンジニアが使う謙遜表現。第一人者みたいな人ほど「チョットデキル」って言うし、「チョットデキル」っていうとすっごいできると勘違いされるので注意です⚠️
などなどエンジニア界隈には、こういった自虐やユーモアを含んだりする独自の言葉遊びが存在します。
おわりに
思いつくままに書きましたが、エンジニアをやっていると「いつの間にか自然に知っている知識・常識・文化」はまだまだたくさんある気がします。「他にも〜〜〜」というものがあれば、ぜひコメントください。また思い出したら追記していこうと思います。
