はじめに
本題から入りたい方は取り組み紹介からどうぞ
はじめてQiita記事を書きます
私が所属する株式会社オーイーシーにおける宇宙ビジネスへのIT技術の活用事例です
衛星データを活用したいくつかの取組みを紹介します
2025年10月28~31日で開催されたNIHONBASHI SPACE WEEK 2025にて、大分県がオリジナルイベントOITA SPACE FRONTIER PITCHを開催しました
その中で私が登壇した内容のうち、まずはスマート農業についてご紹介します

衛星データ活用について
衛星データについては、当社では数年前まではほとんど活用していませんでした
衛星データを活用した代表的なソリューションとしてeG-Resource(環境情報ソリューション)があります
いわゆるGPS、位置情報の活用程度でした
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|---|---|
| IoT Gateway GREIF(グライフ) | eG-Resource(環境情報ソリューション) |
なぜIT企業が宇宙ビジネスに?
まず前提として、当社が現在取り組んでいる宇宙ビジネスは衛星データの活用、あくまでデータでありソフトウェア、いわゆる衛星写真です
そして、宇宙ビジネス参入のきっかけの1つであり、大きな理由になりますが、データが安価で入手できるようになったこと です
もちろん、今でも個人で購入するには結構な出費ですが、中程度の品質のものであれば大分市内一円を十数万~数十万円で購入できます
さらにこだわらなければ無料で入手できるものもあります
このような背景から、気軽に試せる=研究ができるというところが大きいと思います
とはいえ、Googleマップで確認できるような家1軒が見えるほどの高画質な衛星データは非常に高額です
取り組み紹介
前置きが長くなりました
スマート農業への取組み
概要
現在、玖珠町が販売している「宇宙米(くす天空の輝き)」については、別の仕組みで運用・販売されています
以下の内容は基礎研究時点での取り組みとなります
経済産業省、大分県の補助金事業を活用して取組みました
- 2022,23年度経済産業省 衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業
- 2024年大分県 令和6年度宇宙ビジネス創出支援事業費補助金
みなさんは、大分県にある玖珠町という町をご存じでしょうか
玖珠町では玖珠米が育てられてます。天皇献上米にも選ばれ、特A米の受賞経歴もあります
このように高い品質を誇る玖珠米ですが、世の中にはそれほど知られておりませんでした
そこで、この玖珠米を衛星データを利用した「宇宙米」という形でブランディングするべく、当社は衛星データを活用した米の高品質化/品質安定化を目指した取り組みを2023年に行いました
この衛星データを活用した水稲栽培についてはどこかで聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、青森県の青天の霹靂が先駆者です
この取組を開始するにあたり、青森県産業技術センターの担当者も訪問させていただきました
内容
おいしいお米作りに必要なポイントは以下の3つです
- 適時に収穫すること
- 圃場を選ぶこと
- 適度な肥料を与えること
このうち、まずは適時に収穫することについて研究を始めました
衛星データを農業に活用する事例としては、一般的にはNDVIを多く利用します
当然、研究者の方々などはこの指標を当たり前のように取り扱っており珍しいものではないのですが、画像解析技術やAI技術を使ってデータを補正したり、NDVIに対して複数の計算式を掛け合わせることで信頼性を向上させる取組みを行いました
また、最終的には農家、営農指導員の方などに使っていただくことを想定して、なじみのある操作性を目指したWEBアプリケーションでの開発を行いました
実際に収穫したお米の成分分析を行い、収穫したお米が「おいしいお米」であるという結果の確認も行い、その結果をもとにした収穫適期予測のチューニングも行っています

課題と今後の対応
- 更なる衛星データの蓄積と営農データとの検証
- 品種ごとに必要な成分や環境条件が異なる
- 協力農家様が記録している営農日誌など、様々なデータを蓄積して、観測地の状況にフィットするものへ仕上げていく必要がある
-
水田を選ぶことや適切な量の肥料を与えることの2要素への取り組み
- これらについては、土壌や作物の成分分析を行う必要があり、衛星データを活用してできるケースやできないケースも予想される
- できるケースは活用し、できない場合でも別の先端技術やICTやIoTと組み合わせて、スマート農業ソリューションとして構築を検討していく
さいごに
登壇で発表した当社の取組みのうち、今回はスマート農業についてご紹介しました
近日中に、衛星データを活用した固定資産税評価額調査に関する取組みを記事にしたいと思います


