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2025年11月7日(金)〜11月8日(土)に実施された 「JDLA Deep Learning for GENERAL 2025#6(G検定)」 を受験してみました。

今回はAIを活用して学習を進めたので、その記録を残しておきます。
これから受験する方の参考になれば幸いです。

「大丈夫だろう」とちょっと思っていた

G検定はオンライン試験で、資料閲覧可(オープンブック)という特徴があります。
そのため、最初の感想は、「調べながら解けるんなら、まぁ大丈夫だろう」でした。
また、公式発表を見ると、合格率が70%を超えています。これが油断に拍車をかけます。

過去問を解いてみたら撃沈

ところが、JDLA公式サイトに掲載されている G検定の例題・過去問 を解いてみて、あっさり現実を思い知らされました。なんとなくわかっている(つもりな)んですが、解けないんです。

  • 知っている単語はそこそこある
  • けれど、「どれが適切か」と問われると、ほとんど自信を持って選べない
  • しかも、「適切でないもの」を選ぶ設問もあり、気が抜けない
  • そもそも時間が足りない(1問あたり45秒しかないので焦る

あの 過去問(20問)を15分以内に解かなければならないのは、調べながらだと結構しんどいと思いました。

そもそも G検定とは?

G検定は、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している資格試験 で、正式名称は 「JDLA Deep Learning for GENERAL」 です。

ざっくりいうと、「AI・ディープラーニングの基礎知識を押さえたうえで、ビジネスや社会でどう活用していくかを判断できる人材 かどうかを測る試験」という位置付けだそうです。

試験の概要

  • 実施団体:JDLA(日本ディープラーニング協会)
  • 形式:オンライン実施(自宅受験)※会場受験(オンサイト)もあり
  • 試験時間:120分
  • 問題数:多肢選択式で 160問程度 (※開催回により変更される場合あり)
  • 出題範囲:
    • AI・機械学習・ディープラーニングの基礎
    • 応用事例
    • 数理・統計の基礎
    • 法律・倫理・ガバナンス など

勉強法

本来であれば、王道は次のような流れだと思います。

  1. 公式シラバスを読み、出題範囲をひととおり把握する
  2. 教科書的な参考書や認定プログラムで、知識を体系的に学ぶ
  3. 過去問や模試を繰り返し解いて、知識を定着させる

ですが、今回、この王道ルートではうまく頭に入りませんでした。

「G検定 認定講座」とかでググると、いろんな講座がヒットします。期間限定で0円になっている有料講座もあります。そういうのを登録してみたのですが...

  • 認定講座を受講しても、どうにも集中できない
  • 動画やスライドを眺めているだけでは、内容が頭に残らない

そこで、思い切って 「AIを使った勉強フロー」に切り替えました。
餅は餅屋。AIはAIに。

実際にやった勉強フロー

今回とった勉強法は次のとおりで、アウトプット寄り×AI活用型のスタイルです。

  1. 模試の解説を要約する(AIに要約させる)
  2. 黙読する(ここのやり方が大事)
  3. 自分なりの「まとめ資料」を作る
  4. 模試を解く

1. 模試の解説を要約する(AIに要約させる)

まず、Udemy にアクセスし、模擬試験を入手します。
※解答と解説を入手できれば何でもOKです(コピペできることが大事!)

  • 「G検定」と検索して、模擬試験をいくつか購入します
  • 試験モードで試験を開始し、すぐに終了します

テスト完了.png

「本当にテストを終了しますか?」と聞かれます。100%が未完了と書かれているので、一瞬迷うと思います。0点という履歴(汚点)も残りますし、現時点の実力を知るためにも1回解いたほうがいいんじゃないかとも考えますが、結果はもう本家の過去問で出ていますので、ここは時間を節約しましょう。

  • 「問題を見直す」を押し、解答と解説を表示させます
  • 表示された解答と解説を全て選択してコピーします(Ctrl+A -> Ctrl+C)
    フッタの講座概要とかの余計な文字もコピーされますが、AIがいい感じに処理してくれるので、気にする必要は一切ありません。

次に、NotebookLM にアクセスし、「ノートブックを新規作成」します。

  • コピーした解答と解説をソースに追加します
  • 要約を指示します
以下のフォーマットで、全ての設問を要約してください。

【設問○】
要点:問題のテーマ・問われている内容
正答理由:正しい選択肢の根拠・背景理論(例:教師あり学習/強化学習の違いなど)
補足(必要に応じて):関連知識・注意点

数分でAIが要約してくれます。

なんだかんだでアウトプットが出てくると何かやった気になりますが、実際にはまだ何もやっていませんので、注意が必要です。実際、ここまでの勉強時間はまだゼロです。

2. 黙読する

この過程が一番大事だと思います。

黙読 というと、なんとなく目を滑らせる「流し読み」を想像しますが、違います。
黙読は「声に出さず、頭の中で音にしながら読む」ことです。

つまり、漢字や英単語があれば、それも頭の中で発音します。読めなければ調べます。これが肝です。

例えば、LeNet という単語があります。AIの概要を学習していると割と最初のほうに出てきます。

なんとなくカタカナ読みをすると「レネット」と読めそうですが、違います。宅配クリーニングを利用している方は「リネット」と読みそうですが、それもここでは違います。正解は「ルネット」です。Le を ル と読むのは、フランス語由来の言葉だからです。

LeNet はヤン・ルカンが提唱しました。ヤン・ルカンは Yann LeCun と書きます。LeCun の Le も ル であることがわかります。自身の名前に因んで命名したのかなとか思っていると、LeNet と LeCun が Le で繋がります。

記憶はストーリーがあると定着しやすくなりますので、LeNet と LeCun が Le で繋がれば、「( ア )が提唱した LeNet は・・・」という穴埋め問題が解けるようになります。

AIの歴史を勉強をしているとヤン・ルカンとかジェフリー・ヒントンとかジョン・サールとかいった横文字の人名がたくさん出てきて訳が分からなくなりますが、ストーリーによって記憶を定着させることで、人名が1つクリアになります。これはでかい。

2回目からはスラスラ読めるようになると思います。

ちなみに、覚えようと思って読む必要はありません。短い期間で繰り返し読むことのほうが大事なので、ちゃんと黙読すればそれでOKです。

3. 自分なりの「まとめ資料」を作る

要するに、カンペ(≒試験中に閲覧する資料)を作ります。

纏める過程で覚えるので、できるだけ自分で作ったほうが良いと思います。
閲覧する用の資料ですが、作ること自体に意義があるということです。

読めなかった単語、解けなかった問題を中心に、自分なりに纏めます。
自分がわかればOKなので、様式は何でもいいと思います。

4. 模試を解く

  • 以前1問も解かずにスキップした模試を解きます
  • 間違えた問題があれば、解説を音読して、カンペに纏めます
  • 問題集を変えて、1~4 を繰り返します

時間に余裕があれば、NotebookLMの音声解説やテスト機能もオススメです。
あれは結構楽しいです。

試験

ぶっちゃけ時間との戦いなので、試験中にPCやルーターの再起動がかからないよう、環境まわりは事前に確認したほうがよいです。

申し込んだ試験時間の10分前から開始が可能で、開始した時点から120分のカウントダウンがスタートします。

時間配分が何より大事で、調べられるのでついつい調べてしまうんですが、1問あたり30~40秒ペースで解かないと間に合わないので、時間がかかりそうなら飛ばすという判断(と要領の良さ)が必要になります。

「この問題をチェックする」というチェックボックスがあって、ここにチェックを入れると、解いていても解いていなくても後でその問題に戻ってこられます

G検定チュートリアル.png

後で戻ってこられない可能性も考えつつ、とりあえずどれかを選んでチェックを入れるのがオススメですが、合格ラインは公表されていないものの 7割程度と言われていますので、全部解けなくても大丈夫です。

設問の難易度は本当にバラバラで、秒で解けるような問題も後半にたくさんあるので、完璧を目指さず、まずは全ての問題に目を通すことを強くお勧めします。

合格することが学習のゴールではありませんが、成果は大事です。

結果

連休明けの11月25日(火)に次のようなメールが届き、無事合格でした。
試験日から2週間後の休み明けが目安のようです。

下記の通り受験結果をお知らせ致します。  
 
■合否結果  
=================  
【 合 格 】  
=================  
総受験者数 10,350名  
合格者数  8,005名  

JDLAの公式発表でも、第6回G検定(2025年11月開催)は 10,350名受験/8,005名合格 とアナウンスされており、合格率はおよそ 77% 程度だったようです。結構高いですよね。

なにはともあれ、ホッとしました。

まとめ

G検定を受けて、AIに詳しくなれたかというと、正直そんなことはないと思います。

ただ、AI関連の記事を読んだときにわからない単語はほとんどなくなったし、小手先のプロンプト術に頼って「とりあえずAIを使っている」状態からは確実に脱出できたように感じます。

あと、ML という単語を見たときに、今までは「メーリングリスト」の略でしたが、「マシンラーニング」を最初に思い浮かべるようになりました。


最後に、これからG検定を受ける方にお勧めしたい流れをまとめると、以下のようになります。

  1. 公式シラバスと試験概要に目を通す
  2. 参考書・認定講座で、全体像をざっくり掴む
  3. 過去問・模試を解いて、自分の弱点を把握する
  4. 模試の解説やノートを
    • AI(NotebookLMじゃなくてもOK)で要約する
    • 分野ごとに整理して何度も読む
  5. 模試を解き直す

このようなステップが、個人的にはバランスがいいと感じました。

特に、

  • 時間との戦いになる(1問あたり 30〜40秒)
  • オープンブックだからこそ 「検索力+事前知識」が大事

という性質があるので、「調べれば分かる」ではなく「だいたいは知っている状態にしておく」ことが、大きなポイントだと思いました。

この記事が、G検定を受けてみようか迷っている方や、勉強法に悩んでいる方のヒントになれば幸いです。

質問や「ここを詳しく知りたい」などがあれば、コメントいただければ追記していきます。

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