#はじめに
ESP32-CAMという製品は、ESP32ベースでOV2640カメラが付いた、IoTプロトタイピングに最適なデバイスである。
1000円程度で、
- 4MBのESP32-WROOM-32
- 大きなサイズのJPEGを取り扱うために必要な4MB PSRAM
- TFカードスロット
- OV2640 カメラモジュール
- シリアル書き込みは別途USBシリアル変換で行う
上記を搭載した破格のIoTデバイスである。
ただ、惜しいことに搭載されているESP32モジュールに技適がついていないため、
そのままで使いやすい状態ではない。
技適対応のWireless-Tag WT-ESP32-CAMを買ってみた
ESP32-CAMを技適対応にしてみた
等、様々に工夫をして技適の問題をクリアする試みが見つかる。
ESPカメラモジュール [ESP32-CAM-K]のようにキット形式のものも出てきている。
今回、セキュアなWEBカメラを作成したく、セキュアエレメントを搭載したOV2640対応のデバイスを作成してみた。
#セキュアなWEBカメラモジュールの作成
ESP32のセキュアなプロトタイピング環境を作成した(ドキュメント編)ですでに作成しているプロトタイピング環境向けに、OV2640とセキュアエレメントが載ったデバイスを設計する。
まず、OV2640のデータシートを確認してみると、電源が3V、2.8V、1.2Vの3種類が必要なようだ。
併せてESP32-CAMの回路図を確認すると、
XC6206 レギュレーターで2.8V、1.2Vを生成している。
3Vの入力はそのままESP32と共通の3.3Vをかけているようだ。
この設計を生かして、TIのTLV713 LDOを使って同様に2.8V、1.2Vを生成する回路を組む。
セキュアエレメントは、プロトタイピング環境向けのATECC608Aを搭載、今後の実験用に同じI2CバスにNXP SE050,Optiga Trust Mを搭載できるようにした。
ESP32はESP32-WROVER-E(8MB)を選択し、PSRAM対応で技適対応のモジュールを搭載する。
カメラはSipeed OV2640 魚眼レンズカメラモジュールを別途購入した。
PSRAM搭載のため、JPEGで大きな画像を撮影できる。
Reactで画面を作成し、2つのカメラの映像を並べて表示してみた。