find_package() によって線型代数ライブラリ Eigen (https://eigen.tuxfamily.org/) を利用するやり方を報告します。プログラムを CMake でビルドするときに Eigen を検出させることができます。

なお、古いバージョンでよければ

$ sudo apt install libeigen3-dev

で使用できるようになりますが、最新バージョンは使えません。

ディレクトリ構成

ライブラリとそのソースは ~/dev にいれることにします。これは任意の場所に変更することができます。

~/dev/
├── eigen3
    ├── include
├── make
    ├── eigen-3.4.0
        ├── build

ソースコードは ~/dev/make/eigen-3.4.0 にダウンロードします。
~/dev/eigen3 にビルドしたライブラリがインストールされます。
インストール後、 ~/dev/make/eigen-3.4.0 は削除できます。

~/.bashrc の最後に以下の内容のいずれかを追加する。

export CMAKE_PREFIX_PATH=$HOME/dev:$CMAKE_PREFIX_PATH

もしくは

export Eigen3_DIR=$HOME/dev

設定を反映させるために、端末（Terminal）を一旦閉じて開き直してください。

Eigen のインストール

ディレクトリ ~/dev/make がなければ作成し、端末（Terminal）で以下を実行する。

$ cd ~/dev/make
$ git clone --depth 1 https://gitlab.com/libeigen/eigen -b 3.4.0 eigen-3.4.0
$ cd eigen-3.4.0
$ mkdir build
$ cd build
$ cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=$HOME/dev/eigen3 ..
$ make install

Eigen はヘッダオンリーライブラリなので configuration (Release/Debug) の指定は必要ない。

ライブラリの使用方法

簡単な例で使い方を説明する。作業用の適当なディレクトリを用意して、以下の内容で test.cpp と CMakeLists.txt を作成する。

test.cpp

#include <iostream>

#include <Eigen/Dense>
namespace ei = Eigen;
int main()
{
  ei::Matrix3d A{{1,1,1}, {0,1,1}, {0,0,1}};
  std::cout << A << std::endl;
  std::cout << A*A << std::endl;

  return 0;
}

CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.15)
project(test_eigen CXX)
set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

find_package(Eigen3 REQUIRED)
message(STATUS "Found Eigen-" ${EIGEN3_VERSION_STRING})

add_executable(test test.cpp)
target_link_libraries(test Eigen3::Eigen)

端末（Terminal）から

$ mkdir build
$ cd build
$ cmake ..
$ make 
$ ./test

として実行できる。