ORiN3入門:環境構築ガイド+GUIツールで動かしてみる
1. はじめに
ORiN3とは?
ORiN3(Open Robot/Resource interface for the Network Version 3) は、主にFA(Factory Automation)分野で使われるさまざまな機器を、メーカーや機種を意識せずに統一的に接続・制御できるようにするための標準仕様・ミドルウェアです。
もともとORiNという仕様は「ORiN協議会」が策定していて、ソフトウェアの実装はデンソーウェーブが提供しています。
ORiN2からの変更点
ORiN2 SDKはWindows専用でしたが、ORiN3からは新たにマルチプラットフォーム対応となり、WindowsだけでなくLinuxやRaspberry Piなどでも動作するようになっています。
またORiN3ではインターフェイスにgRPCを採用していますが、これはマイクロサービスとして構成を意識したものです。
これらの変化点により、柔軟でスケーラブルなシステムに組み込みやすくなったんじゃないかと思います。
2. 前提条件
ORiN3はマルチプラットフォームに対応していますが、この記事で最初にセットアップするGUIツール(ORiN3 Configurator)は Windows環境専用 となっています。
サポート環境は以下の通り。
- Windows 10以降
ORiN3 Configuratorの入手
「ORiN3 Configurator」は以下のリンクから入手できます。
※ ORiN3 Configurator はWindows版ORiN3 Runtimeに含まれています
Microsoft Storeから入手するのが簡単かと思いますが環境によってはアクセスが制限されていることもりますので、その場合は以下のリンクから最新版を取得できます。
3. ORiN3 Runtimeのインストール
Microsoft Store、もしくはダウンロードリンクから入手したインストーラを起動して使用許諾に合意すればインストールできます。
4. 動かしてみる
では早速動かしてみましょう。
GUIツールの起動方法
「スタートメニュー」→「ORiN3」フォルダ →「ORiN3 Configurator」をクリックします。
接続先設定
オブジェクトエクスプローラーに表示されている『接続先を設定する』をクリックして接続先の ORiN3 Remote Engineを指定します。
ORiN3 Runtimeには ORiN3 Configurator と ORiN3 Remote Engine が含まれているため、インストーラを実行した環境にはすでに ORiN3 Remote Engine がセットアップされています。
まずは接続先として127.0.0.1を指定して繋いでみましょう。
以下のような表示になったら正しく接続ができています。
ORiN3はプロバイダーを組み合わせることで様々なデバイスと接続します。次はプロバイダーのセットアップですが... ちょっと長くなってしまったので次に続きます。
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