プロローグ
3連休を控えた2026年7月17日金曜日の夕方、AWSから以下のメールが届いていることに気がついた…。
これはいくらなんだ?桁が大きすぎてよくわからないが、今月はちょっと使いすぎてしまったのだろうか。
しかし心当たりがないので、自分は原因を調べることにした。
マネジメントコンソールにログインする
マネジメントコンソールにログインすると、まず以下の情報が目に飛び込んできた。
これはすごい。内訳は何なのだろうか。
自分は吸い込まれるようにBilling and Cost Management に移動した。
Cost Explorerを確認すると、以下のように7月から料金が跳ね上がっていた。
内訳のほぼすべてはS3で、合計すると日本円で約1240億円になっていた。
1240億円を請求されたら、お昼にコンビニへ寄ったり、自販機でジュースを買ったりするのは当分おあずけかもしれない…。
しかし、やはり心当たりがない。自分はCost Explorerでもう少し内訳を調べてみることにした。
Cost Explorerで内訳を調べる
Cost Explorerを使うとサービスの何が高いのかを調べることができる。
フィルターを操作した結果、以下のようにAPN1-TimedStorage-ByteHrsが高いことがわかった。
以下のドキュメントによるとAPN1-TimedStorage-ByteHrsは1ヶ月間、東京リージョンのS3 Standardストレージにデータを保存し続けた量だそうだ。
S3にそんなに大量のデータを保存した覚えはない。自分は第三者による不正利用を思い浮かべた。
自分はCost ExplorerのデータをCSVでエクスポートして、S3を調べることにした。
S3のメトリクスを確認する
S3のマネジメントコンソールのメトリクスからバケットの使用量を確認することができる。
以下のグラフはS3バケットの1つだが、自分の記憶通り使用量には全く変化がない。
高額請求は使いすぎではなく、不正利用の可能性も低いことがわかった。
そういえばCost Explorerの調査結果は料金爆発が7月の頭から起きていることを示していた。自分がAWS Budgetsのアラートを受け取ったのは今から1時間前だったが、本来なら7月頭の時点で届いていないとおかしい。
この時点で自分はAWS側の不調を疑い始めた。
自分はメトリクスのスクリーンショットを撮り、サポートセンターにここまでの調査結果を報告することにした。
サポートセンターに問い合わせる
マネジメントコンソールの検索窓にサポートと入力して、ケースを作成を選択する。
フォームに従って相談内容を入力していく。
ファイルの添付もできるので、Cost Explorerのエクスポート結果やスクリーンショットなどの証拠を添付する。
その後
サポートセンターに報告した後、画面に妙な警告があるのに気がついた。
Inaccurate Estimated Billing Data
Beginning on July 16 7:38 PM PDT, we began displaying incorrect estimated billing data in the Billing and Cost Management Console. For more information on this issue, please refer to the AWS Service Health Dashboard: https://health.aws.amazon.com/health/status
不正確な推定請求データ
7月16日午後7時38分(太平洋夏時間)より、請求およびコスト管理コンソールに誤った推定請求データが表示されるようになりました。この問題の詳細については、AWSサービスヘルスダッシュボード(https://health.aws.amazon.com/health/status)をご覧ください。
やれやれ。自分に降りかかった問題と全く同じだ。高額請求はAWSの表示誤りで、AWSは把握済みだったということだ。
終わりに
高額請求は利用者の過失や第三者による不正利用がありがちな原因だが、このように表示誤りによるものもあるのだ。
とはいえ原因がわかるまでは自分に1240億円の支払い義務があるかもしれないし、不正利用だったら更なる被害拡大もありえるので、初動対応を間違えないようにしたいものだ。
さらにその後
AWSのサポートセンターは謳い文句通り、24時間以内に返事をした。(実際には報告から10時間後くらいだった)
返事の内容は高額請求が表示誤りであると認めるものだった。
数日後マネジメントコンソールにログインしたところ、いつも通りの表示に戻っていた。






