はじめに
株式会社イノベイティアのCEO、中畑です。
今回は生成AIについて、基礎の基礎から解説をします。
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おことわり
細かいAIの技術的な仕組みは、本記事では割愛します。
生成AIとは
生成AI (Generative AI)とは、様々なコンテンツを生成できるAI
生成AIの事例
- 画像生成
- 生成AIテクノロジーを利用し、リアルな顔や風景画像などを生成する (Midjourney)
- テキスト生成
- GPT-3やGPT4などのモデルが、与えられたプロンプトに対して、人間のように自然な文章を生成する
- 音楽生成
- 生成AIが特定のスタイルやジャンルに基づいてオリジナルの音楽を生成する
従来のAIと生成AIの比較
従来のAI | 生成AI | |
---|---|---|
学習の視点 | 情報の整理・分類・検索 | パターンや関係の学習 |
出力の目的 | 特定や予測 | 創造 |
ビジネスインパクト | 決められた行為の自動化 | 新しいコンテンツの生成 |
学習データ | 具体的なデータセット | 構造化されていないデータセット |
なぜ生成AIが注目されるようになったのか
キーワードとして「精度」「学習量」「スピード」「利便性」の4つが挙げられます。
精度
質問に対する回答の精度や出力される文章表現の自然さ、入力条件にあった画像など出力されるものが様々なビジネスシーンで使えるレベルになりました。
学習量
学習するためのデータ量が飛躍的に拡大して、モデルの精度が上がりました。
スピード
コンテンツ生成のスピードが早く、条件を入力するだけで簡単に文章や画像を生成してくれるようになりました。
利便性
ChatGPTなどは、誰でも簡単に使うことができる。マニュアルなどが不要で操作性もかなり良いです。
生成AIのビジネスにおける活用事例
エンジニア
- コード補完を提供し、エンジニアの開発効率が上がる (GitHub Copilot)
- 正しいコードかの判定は人間がやる必要がある
- コードを0→1で書いてもらうよりもテストコードやレビューやリファクタリングでの利用が良い印象
マーケティング
- 広告の文章やキャッチフレーズ、ブログ記事などマーケティングコンテンツの自動生成
- 顧客データをもとにAI分析を通じて最も効果的なマーケティング戦略を立案
- GoogleアナリティクスからWebサイト内のユーザーの行動を分析し提案
- SNSやオンラインデータから新しいマーケティングキャンペーンの戦略を構築
- 既存のSNSのバズった投稿などを読み込ませて新規にツイートを生成してもらう
カスタマーサービス
AIを使用したチャットボットを作成することで24時間365日稼働させ、サポート担当の稼働工数を減らす
セールス
- 様々なデータリソースから潜在的な顧客のリードを自動的に生成する
- 過去データをもとに将来の売上予測を作成
財務
- データを分析し、不正を未然に防ぐ
- キャッシュフローや利益の予測をする
LLMとは
- 大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)は非常に巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデル
- 大規模とは「計算量」「データ量」「パラメータ数」を大幅に増やして構築したことからくる
大規模言語モデルの特徴 (Scaling Laws for Neural Language Modelsより)
パラメータ数が増えると、精度が高い言語モデルを生成することができます。
言語モデルとは
- 文章や単語の出現確率を用いてモデル化したもの
- 人間の自然な会話に対して高い確率を割り当て、文章として成立しない並び方には低い確率を割り当てる
大規模言語モデルの応用
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文学と創作
- 文章生成が得意なので、作家は創造的なプロセスにより時間を割けるようになる。
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医療業界
- 診断報告や医療文書の作成を自動化し、医師の書類作成作業の工数を削減し、より患者へのヘルスケアに時間を割ける
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教育分野
- 個別の学生に合わせたカスタマイズされた学習資料を生成し、教育の個人化がより推進される
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ビジネス分析
- 競合分析や戦略策定など数値的に複雑なタスクを支援する。具体的には大量のデータから考察をし、意思決定を補完する提案をする
大規模言語モデルの懸念点
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データセキュリティとプライバシー
- 個人情報を含むデータでの学習が悪用されるとプライバシー侵害の可能性がある
- 顧客データなどをそのまま載せてしまう
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品質と信頼性
- LLMの生成する文章は品質が一貫していない場合があり、特定の専門家レベルの正確さを達成するのは困難
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不可解な挙動
- LLMの動作がブラックボックスなので、どのように結果を出したのかを解析するのが難しい
最後に
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