はじめに
「IT業界って何ですか?」と友達や家族に聞かれたら、どう答えますか。
簡単そうで、意外に説明しづらい言葉ですよね。
今回は、IT業界のエンジニアになるために就職活動をしている学生さんや、他業界から未経験でIT業界へ転職活動をされている方向けに、「IT業界」について説明してみます。
「IT業界とは」
昨今、IT業界は 「複数の業界の集合体」 になっています。
そのため、各業界でさまざまな事業を行っており、それらが一緒になることで、「IT業界とは何か」を一言で説明しづらくなっています。
IT業界に含まれる主な業界は、以下のようなものです。

・ハードウェア業界
・通信インフラ業界
・ソフトウェア業界
・情報処理サービス業界(SI企業、SES企業など)
・インターネット・Web業界
複雑に見えるIT業界を、ひとつずつ紐解いていきましょう。
まず、IT業界にある「IT」とは何でしょうか。
ITとは、情報技術(Information Technology)のことです。
そして、そのテクノジーの中心にあるのが、コンピュータやインターネットです。
ここから考えると、IT業界とは簡単に言えば 「コンピュータやインターネットを活用して、ユーザーや社会の課題解決や価値提供を行う業界」 と言えます。
また、現在ではコンピュータやインターネットは私たちの生活に欠かせない存在になっています。
そのため、IT業界とは、「コンピュータやインターネットを活用して社会のインフラを支える業界」 とも言えますね。
ただ、これだけでは、先ほどの5つの業界がすべてIT業界に、なぜ含まれているのか、少し分かりづらいかもしれません。
実は、この5つの業界は最初からひとつの業界だったわけではなく、歴史の中で徐々にIT業界としてまとめられるようになってきました。
この歴史をたどると、IT業界への理解が深まりますので、順番に見ていきましょう。
今のIT業界が誕生した歴史をたどる
まず、ITの中心にはコンピュータがありますね。
そのため、最初に必要だったのは「コンピュータを作る会社」です。
コンピュータを作り、企業や社会の課題解決を支える会社たち。その業界が「ハードウェア業界」 です。
IT業界の歴史は、20世紀初頭のコンピュータの発明から始まります。
1940年代には、エニアック(ENIAC)などの初期コンピュータが登場しました。
さらに1960年代には、IBM が大型コンピュータ(メインフレーム)を商業化し、企業や政府の業務効率化が進みました。
現在、私たちが普段使っているコンピュータは、ノートパソコンやスマートフォンのような小型のものです。
しかし、昔は「大型コンピュータ」と呼ばれる巨大なコンピュータが主流の時代がありました。
そして、 大企業や政府で複数の大型コンピュータが使われるようになると、各拠点のコンピュータ同士をつなげる必要が出てきます。そこで誕生したのが、「通信インフラ業界」 です。
通信ネットワークを構築・運用し、コンピュータ同士をつなぐ役割を担うようになりました。
その後、技術革新によってコンピュータの小型化と低価格化が進みます。
1970年代には、個人向けの小型コンピュータ(パソコン)が販売されるようになりました。
すると、パソコン上で特定の作業を行うためのソフトウェアが次々と開発されます。
例えば、
・ワープロソフト
・表計算ソフト
・データベースソフト
・ペイントソフト
・写真加工ソフト
・動画編集ソフト
などです。
こうした、 主に個人向けに「インストールして使うソフトウェア」を開発する会社たち。その業界が「ソフトウェア業界」 です。
一方で、コンピュータの小型化と低価格化によって、多くの企業でもコンピュータが導入されるようになりました。
企業では、業務処理や業務効率化のためにコンピュータが活用され始めます。すると、「企業ごとの業務に合わせたシステム」を開発する会社が必要になりました。
例えば、
・販売管理システム
・会計システム
・人事システム
などを、 企業ごとにカスタマイズしてシステムを開発、運用する会社たちです。その業界が「情報処理サービス業界」 です。
さらに2000年代になると、インターネットに接続するコンピュータが増えるに従って、インターネット上のサービスが急速に発展しました。
例えば、
・検索サービス
・掲示板
・ECサイト
・SNS
などです。
こうした、 インターネットを通じてサービスを提供する会社たち。その業界が「インターネット・Web業界」です。
ソフトウェア業界が「パソコンにインストールして使うソフト」を中心に発展したのに対して、インターネット・Web業界は「インターネット経由で使うサービス」を中心に発展してきた、という違いがあります。
このように歴史をたどっていくと、一見すると複雑で分かりづらいIT業界も、少しシンプルに見えてきますね。
そしてインターネットの普及をきっかけに、近年ではクラウドやAIが急速に発展し、各業界の境界線が曖昧になってきています。さらにグローバルに展開している大企業の多くは、複数の業界にまたがって事業を展開していることも特徴です。
例えば、Microsoft はソフトウェア企業でありながら、クラウドサービスやAI分野でも大きな存在感を持っています。同じように、Amazon もEC企業でありながら、AWS(Amazon Web Services)というクラウドサービスを提供しています。
おわりに
改めてまとめると、IT業界とは 「コンピュータやインターネットを活用して、ユーザーや社会の課題解決や価値提供を行う業界」 です。
ただ、これだけを伝えても、友達や家族には少しイメージしづらいかもしれません。
そのため、身近な生活の例や、今回紹介した歴史の流れも交えながら説明すると、より伝わりやすくなるのではないでしょうか。
また、今回はIT業界について、歴史をたどりながら説明しました。
IT業界にいると、知らないIT用語にたくさん出会います。
そんなときも、今回のように 「なぜその技術や業界が生まれたのか」という歴史をたどることで、本質が見えやすくなります。
これから学ぶ新しいIT技術についても、歴史の観点から理解してみると、より理解が深まるかもしれません。