第3章 基本的な使い方
本章では、Antigravity を効果的に操作するための「対話のコツ」と、Antigravity が持つ強力な「ツール」の使い方について解説します。
3.1 プロンプトエンジニアリングの基礎
Antigravity は「指示待ち」の AI ではなく、「自律的」に動こうとする AI です。そのため、従来のチャットボットとは少し異なる指示の出し方(プロンプト)が求められます。
Antigravity Engineering Protocol (AEP)
効果的な指示出しのフレームワークとして、AEP (Antigravity Engineering Protocol) という考え方を作ります。例えば以下の要素を明確に伝える手法です。
- 役割 (Role): 「あなたはシニアエンジニアです」「セキュリティの専門家として振る舞ってください」
- 文脈 (Context): 「Go言語でバックエンドを開発中であり、パフォーマンスに課題があります」
- 制約 (Constraints): 「外部ライブラリは使用禁止」「既存のスタイルガイドを遵守すること」
- 出力形式 (Output): 「Markdownの表形式で出力して」「コードブロックのみを出力して」
これらを明確に定義することで、AI の迷いをなくし、期待通りの成果物を一発で得られるようになります。特に、プロジェクトのルートに AEP.md や docs/Spec.md のようなファイルを置き、それを参照させる運用が非常に強力です。
3.2 ツールの利用:ファイル操作とコマンド実行
Antigravity の真骨頂は、あなたの代わりに手を動かすことです。
ファイル操作 (File Operations)
「ログイン機能を追加して」と頼むと、Antigravity は以下のステップを踏みます。
- 探索: 関連しそうなファイルを検索 (grep) したり、ディレクトリ構造を確認したりします。
- 読解: 必要なファイルの中身を読み取ります。
- 編集: コードを書き換え、保存します。
ここで重要なのは、**「あえて詳しいファイルパスを指定しすぎない」**ことです。「認証周りのコードを直して」といえば、自分で探してくれます。もちろん、明示的に src/auth.ts を見て、と伝えるのも有効です。
コマンド実行 (Terminal Commands)
Antigravity はターミナルを操作できます。
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Run Test: テストコマンドを実行し、失敗したらログを読んで修正します。 -
Lint Fix: リンターのエラーを自動修正します。 -
File Management: 新しいディレクトリを作ったり、ファイルを移動したりします。
注意点: サーバーの起動 (npm start など) などの「終わらないコマンド」を実行させる場合は注意が必要です。バックグラウンドで実行させるか、別のターミナルで実行するよう指示する必要があります。
次章では、これらの機能を組み合わせて、実際に開発を進めるための「ワークフロー」をご紹介します。