はじめに
Node-RED Con Nagoya 2025のまとめ記事です。
動画アーカイブはこちら。
1. 小さな声を大切に 未来へ繋ぐIoT (稲葉 夕莉さん)
要約
元幼稚園教諭の稲葉氏が、保育現場での苦い経験をもとに開発した「こどものちいさなこえ」というシステムについて解説したものです。かつて忙しさゆえに園児の話し掛けるタイミングを逃してしまった反省から、テクノロジーで保育士をサポートする仕組みを構築しました。このシステムは、カメラと顔認識技術を活用して、一定時間先生を見つめている「話を聴いてほしそうな子」を検知し、LINEで先生に通知する仕組みです。開発には初心者でも扱いやすく視覚的に可愛いデザインのNode-REDが使用されており、現場の課題を当事者が解決する可能性を示しています。今後は、園児の視線の向きの判別精度向上や、屋外での利用といった実用面での課題検証が期待されています。
2. 映像エッジAIにおけるNode-RED活用事例 (太田 洋さん、松井 良祐さん)
要約
エッジマトリクス株式会社が提供する映像解析ソリューション「AI Station」および「AI Box」の紹介です。このシステムは、NVIDIAのGPUを搭載したエッジデバイスを用いて、スマートシティやビル管理におけるリアルタイムな映像AI解析を可能にします。最大の特徴は、ローコード開発ツールであるNode-REDを標準実装している点であり、解析結果をパトライトの点灯やクラウド送信など、多様なアクションへ容易に連携できる点にあります。また、プライバシー保護やセキュリティの観点から、外部ネットワークに接続しないクローズドな環境でも動作するオールインワン設計が強調されています。不審者検知や駐車場管理などの具体的な活用例とともに、現場のニーズに応じた柔軟なシステム構築が可能であることが解説されています。
3. 立命館大学とのNode-REDを活用した共同事業のご紹介 (飛永 勝也さん)
要約
東邦インターナショナル株式会社代表の飛永氏が、立命館大学との共同事業として展開する、中小企業向けのIoT導入支援とリスキリング事業について解説しています。このプロジェクトは、大学の研究成果を社会実装することを目的としており、専門知識が乏しい非エンジニアでもIoTを活用できる環境づくりを目指しています。具体的には、オープンソースのNode-REDとRaspberry Piを組み合わせた独自の教育用デバイス「育成キット」を開発し、オンライン教材とともに提供しています。これにより、製造業の現場における人手不足の解消やデジタル化を促進し、地域社会への貢献と自社の新規事業創出を同時に図っています。事業はまだ開始されたばかりですが、特にニッチなワイヤー・ケーブル業界などの製造現場において、実用的なDXソリューションとしての普及を目指しています。
4. Node-REDで広がるプログラミング教育の可能性 (上田 茂雄さん)
要約
中京テレビに所属しながら大学講師を務める上田氏による、Node-REDを活用したプログラミング教育の実践報告です。従来のコード記述型学習では文法や環境構築が障壁となり、学生の意欲を削ぐ課題がありましたが、視覚的な設計を重視することでこれを解消しました。特にGitHub Codespacesの導入は、環境構築トラブルを劇的に減らし、学習時間を確保する上で革命的な役割を果たしたと述べています。授業ではAPI連携や地図アプリ制作、さらにはローカルAIの活用まで行い、学生が「動くもの」を作る達成感を得られるよう工夫されています。最終的に、AI時代だからこそ細かな構文よりもシステムの設計能力を養うことが重要であり、Node-REDはその教育に最適なツールであると結論付けています。
5. Node-REDのノードの開発・活用事例とコミュニティとの関わり (後地 拓真さん)
要約
Node-REDの拡張機能やMCU(マイコン)向けの開発、そしてPython実行ノードの進化について詳しく解説しています。自身の開発経験を通じて、仮想環境を活用したPythonノードの改善や、LLM(大規模言語モデル)を統合した新しい試みを紹介しています。また、開発プロセスにおいてAIを活用することで、専門性の高いノード作成のハードルが下がっている点も強調されています。さらに、ロボット制御(ROS)やWSL 2との連携など、特定の技術領域に特化したマニアックな開発事例も含まれています。グローバルなコミュニティとの交流や、既存の枠を超えた技術融合の楽しさを共有する内容となっています。
6. エッジで動くNode-REDを作る実験 (菅原 のびすけさん)
要約
Node-REDをエッジ環境やクラウドフレア・ワーカーズで動作させるための技術的な実験を解説しています。Node.jsとWeb標準の記述差異や、AIを活用したコード移植の難しさと限界を実体験に基づいて共有しています。特にDockerコンテナをWebAssembly(Wasm)へ変換し、ブラウザ上で動作させる試行錯誤が詳細に述べられているのが特徴です。また、Node-REDの内部構造を分析し、エディタとランタイムを分離することで軽量化を図るアプローチについても考察しています。最終的には、最新技術への挑戦が開発者の知見を深め、新たな実行環境の可能性を広げる重要性を説いています。
さいごに
来年もどこかで開催したいです!
