最近、個人開発で作っているアプリが少しずつ使われるようになってきました。
アプリ名は「よみススメ」です。
小説を音声で聞くためのアプリで、直近では月間アクティブユーザーが100人を超えるくらいまで来ました。
もちろん、サービスとして大きい数字ではありません。
ただ、個人開発の初期段階としては「自分以外の人が継続して触っている」ことが分かる数字になってきました。
最近はCodexなどのAI開発支援によって、アプリを作ること自体はかなり簡単になってきました。
一方で、作ったアプリを実際に使われるものとして育てるのは、また別の難しさがあります。
今回は、アプリの告知というより、作ったアプリをどうサービスとして育てていくかを考えている途中経過としてまとめます。
作っているもの
「よみススメ」は、小説を聞くためのアプリです。
読むための読書アプリというより、耳で小説を楽しむためのアプリとして作っています。
例えば、以下のような場面を想定しています。
- 通勤中
- 散歩中
- 家事中
- 作業中
- 寝る前
- 目が疲れているとき
小説を読みたいけれど、画面を見続けるのが難しい時間は意外とあります。
そういう時間に、音声で小説を楽しめるようにしたいと思って作っています。
最初から大きく伸びたわけではない
個人開発でアプリを出しても、基本的にはすぐに多くの人に使われるわけではありません。
ストアに公開しても、最初はほとんど反応がないことも多いです。
よみススメも、最初から大きく伸びたわけではありません。
少しずつ機能を足しながら、利用状況を見て、どこに需要がありそうかを探っている段階です。
その中で、月間アクティブユーザーが100人を超えるくらいまで来ました。
100人という数字自体は小さいです。
ただ、自分だけが便利だと思っているアプリではなく、誰かが実際に触ってくれているアプリになってきた感覚があります。
ここから先は、ただ機能を増やすだけではなく、どうサービスとして育てるかを考える必要があると思っています。
今見えている仮説
よみススメが少し使われ始めた理由として、今のところ大きく2つの仮説を持っています。
1つ目は、純粋に「小説を聞きたい」という需要があることです。
小説は読みたいけれど、読む時間がない人はいます。
ただ、聞く時間なら作れる場面があります。
移動中、散歩中、家事中、寝る前などです。
そういう時間に小説を聞きたいという需要は、思っていたよりあるのかもしれません。
2つ目は、次に聞く作品を提案できることです。
よみススメでは、単に小説を読み上げるだけではなく、おすすめ作品を提案できる作りにしています。
小説サイトごとのランキングを見るだけではなく、複数の小説プラットフォームをまたいで作品を提案できる方向で作っています。
「読む小説を探す」のではなく、「聞く小説を探す」ことを支援できると、単なる読み上げアプリではなく、サービスとして育てられる可能性があると考えています。
実際にやったこと
ここまでにやったことは、大きく以下です。
- Android版を公開
- iOS版を公開
- iOS実機テスト環境を更新
- 読み方補正辞書を追加
- おすすめ作品の提案機能を改善
- 利用状況を見ながら次の改善方針を検討
特別に大きなことをしたわけではありません。
ただ、公開して終わりにせず、少しずつ改善を続けています。
AndroidとiOSの両方で公開した
個人開発アプリは、まずAndroidだけで公開することもできます。
ただ、よみススメはできるだけ多くの人に触ってもらいたかったので、AndroidとiOSの両方で公開しました。
iOS対応は、証明書、Provisioning Profile、App Store Connect、実機確認など、地味に手間がかかります。
最近もiOSの実験端末を新しくして、実機確認できる環境を整えました。
個人開発だと、このあたりの環境維持も地味に重要です。
アプリは一度出して終わりではなく、OS更新やストア審査に合わせて継続的にメンテナンスする必要があります。
読み方補正辞書を追加した
最近のアップデートでは、Android版とiOS版の両方に読み方補正辞書を追加しました。
これは、言葉の意味を調べるための辞書ではありません。
小説を音声で聞くときに、固有名詞や特殊な単語が意図しない読み方で読み上げられることがあります。
例えば、作品固有の名前、地名、キャラクター名、造語などは、通常の読み上げエンジンだけでは自然に読めない場合があります。
そこで、特定の単語に対して読み方を補正できるようにしました。
よみススメは小説を聞くアプリなので、読み上げの自然さはかなり重要です。
意味を調べる機能ではなく、「この単語はこう読んでほしい」という補助を入れられる機能として追加しています。
読み上げアプリとしては地味な機能ですが、長く聞くほど効いてくる部分だと思っています。
おすすめ作品の提案を重視している
よみススメで特に重視しているのは、おすすめ作品の提案です。
読み上げ機能だけであれば、後発に真似されやすいです。
AIを使えば、アプリの実装自体は以前よりかなり簡単になっています。
だからこそ、単に読み上げるだけではなく、「次に何を聞くか」まで支援したいと考えています。
小説サイトには、それぞれランキングや検索機能があります。
ただ、それらは基本的に各プラットフォーム内で閉じています。
よみススメでは、複数の小説プラットフォームをまたいで、ユーザーに合いそうな作品を提案できるようにしたいと考えています。
ユーザーデータはできるだけ端末内に閉じる
サービスを育てるなら、データの蓄積は重要です。
ただ、よみススメではユーザーの読書履歴や利用データを何でもサーバーに集める設計にはしていません。
安全側に倒すために、ユーザーのデータはできるだけ端末ローカルで完結するようにしています。
おすすめ作品を取得するときだけ、ユーザーの好みを表すベクトルをサーバーに送って、サーバー側の作品データと照合するような形にしています。
この設計だと、ユーザー個人の詳細な履歴をサーバーに貯める必要がありません。
一方で、サーバー側には作品データを蓄積できます。
例えば、以下のような情報です。
- 作品のジャンル
- 作品の雰囲気
- 話数
- 文字数
- 完結済みかどうか
- 聞きやすさ
- 似ている作品
- 寝る前に向いているか
- 通勤中に向いているか
ユーザーの個人データではなく、作品側のデータを濃くしていくことで、サービスとしての価値を作りたいと考えています。
読み方補正もサービスの資産になる
小説を音声で聞くアプリでは、読み上げの品質がかなり重要です。
通常の文章であれば問題なく読めても、小説には固有名詞や造語が多く出てきます。
作品によっては、名前や地名の読み方が特殊なこともあります。
この読み方を補正できるようにしていくことは、単なる便利機能ではなく、サービスとしての資産になる可能性があります。
例えば、作品ごとに読み上げ補正が蓄積されていけば、その作品を聞く体験は少しずつ良くなっていきます。
また、同じ単語や似た表現が別の作品に出てきたときにも、読み上げ品質の改善に使えるかもしれません。
よみススメでは、ユーザー個人の履歴を大量に集めるのではなく、作品側のデータや読み上げに関するデータを育てる方向を考えています。
「この作品はどんな内容か」だけではなく、「この作品はどう読ませると聞きやすいか」まで含めてデータ化できると、読み上げアプリとしての価値が上がると思っています。
AIで作れる時代だからこそ、何を蓄積するかが重要
最近は、CodexなどのAI開発支援によって、個人でもアプリやサービスを作りやすくなりました。
これはかなり大きな変化だと思います。
一方で、作ること自体が簡単になるほど、後発も追いつきやすくなります。
UIや基本機能だけでは、長期的な差別化が難しくなります。
だからこそ、これからは「何を作るか」だけではなく、「使われることで何が蓄積されるか」が重要になると思っています。
よみススメの場合は、「聞く小説」に関する作品データを育てたいです。
読まれている小説ではなく、聞くのに向いている小説。
読むランキングではなく、聞くためのおすすめ。
そして、ただ読み上げるだけではなく、作品ごとに聞きやすくしていく読み上げ補正。
そういう軸でデータを蓄積できれば、単なる読み上げアプリではなく、少しずつサービスとして育てられるのではないかと考えています。
次に見たいこと
今後は、単純なユーザー数だけではなく、もう少し細かく利用状況を見たいです。
特に見たいのは以下です。
- 再生が開始されているか
- どのくらい継続して聞かれているか
- おすすめ作品がクリックされているか
- 読み方補正辞書が使われているか
- どの機能が継続利用に効いているか
月間アクティブユーザーが100人を超えたこと自体は、ゴールではありません。
ただ、改善する価値がある程度には反応が見え始めた状態だと思っています。
ここからは、数字を見ながら、どの部分を伸ばすべきかを判断していきたいです。
今後やりたいこと
まずは、小説を聞く体験をもっと良くしていきます。
具体的には、以下のような機能を考えています。
- 再生位置の保存
- 連続再生
- スリープタイマー
- 再生速度の調整
- バックグラウンド再生の安定化
- 最近聞いた作品
- あとで聞く
小説を聞くアプリとして、日常的に使いやすい状態にしていきたいです。
その上で、作品データやおすすめ機能も育てていきたいです。
「小説を聞く」ことと「次に聞く作品を探す」ことが、アプリ内で自然につながる状態を目指しています。
まとめ
よみススメは、まだ小さな個人開発アプリです。
月間100人以上に使われるようになったとはいえ、サービスとしてはまだまだこれからです。
ただ、自分以外の人が継続して触ってくれていることが分かる程度にはなってきました。
最近はAI開発支援によって、アプリを作ること自体はかなり簡単になっています。
だからこそ、作って終わりではなく、使われるサービスとしてどう育てるかが重要だと感じています。
よみススメでは、ユーザー個人の履歴を大量に集めるのではなく、作品側のデータや読み上げ補正に関するデータを育てることで価値を作ろうとしています。
まだ途中経過ですが、今後も改善を続けながら、小説を耳で楽しむためのサービスとして育てていきたいです。
アプリ
よみススメはAndroid/iOSで公開しています。
小説を読む時間はないけれど、移動中や作業中、寝る前に耳で楽しみたい人向けのアプリです。
興味があれば使ってみてもらえると嬉しいです。