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「スクラムチーム用セルフチェックリスト」を再実施してみた

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はじめに

約2年前に実施した「スクラムチーム用セルフチェックリスト」を今チームで再実施したらどうなるかという取り組みです。

実施結果

早速結果についてですが、こんな感じでした。

スクリーンショット 2025-10-20 171233.png

前回と比較すると

image.png

あんまり変わっていない…?確かに、スコア上はあまり変わり映えしないですが、このチェックリストを通してメンバーと議論してみるとかなりメンバー・チームの質が変わってきていることが分かりました。

前回の課題とそのアクションについて

前回のまとめ

前回の実施目的は、「スクラム開発が形骸化している」ことに対するチームメンバーの意識改革や、スクラムフレームワークに対する理解度向上でした。実際に、「スクラムチーム用セルフチェックリスト」を実施してみると下記のような課題が浮き彫りになりました。

課題 詳細
スプリントゴールが曖昧 ゴールを決めずに、期日の近いものを積む事が多かった
プロダクトオーナーの不在に伴い、完成定義が不明瞭 POがおらず、PBIのメンテが起票者依存になっていた
スクラムマスターの不在に伴い、スクラムの考え方が浸透していない SMがおらず、EMが適宜フォローアップしていた
完成の定義が不明瞭(インクリメントを作成していない) スプリントレビューがただのタスク完了確認だけになっていた

この状況に対して、下記のようなアクションプランを立てました。

  • PO, SMのロールを明示的に選出
  • スプリントプランニングやプランニングポーカーでのスプリントゴール定義策定・共有
  • プロダクトバックログリファインメントの実施(ポイントの整理だけでなく、ゴールの見直しも)

それから実際に実施したこと

チームに大幅なテコ入れを行いました。現在の各ロールの状態は以下の通りです。

チーム/ロール 現状/対応内容
PO マネジメント志望者をアサインし、適宜フォローアップを実施中
SM 志望度の高いメンバーをアサインし、CSMなどの資格取得を支援
開発チーム 全員がスクラム関連書籍を読み込み、スクラム開発への理解を深化

前回実施時と比較し、スクラムフレームワークやアジャイル開発に対して、座学と実践の両面から意識的に取り組めるようになったと感じています。

また、スプリント内の活動も大幅に見直しました。

イベント名 現状/対応内容
スプリントプランニング 無目的にタスクをSBLに積むことをやめ、スプリントゴールと、それを満たすPBIをSBI化することを徹底
デイリースクラム 従来のやり方から変更し、SBL内の WIP(Work In Progress) タスク単位で報告・障害点の洗い出しを実施
スプリントレビュー 口頭での完了報告ではなく、作成物を実際に確認することを義務付け
レトロスペクティブ GKPT(Good/Keep/Problem/Try)の継続実施に加え、Keepからワーキングアグリーメントなどチーム文化の醸成を推進
バックログリファインメント 各人がPBI・SBIを個別にメンテナンスしていた状況から、チーム全体でメンテナンスする時間を設けるように変更

POを中心にバックログのメンテナンスも積極的に行われるようになり、前回の「スクラム開発の形骸化」に対する改善は、チーム一丸となって取り組めたと認識しています。また、私自身もなるべくメンバーに権限移譲できるように、ロールと責任の整合性部分を整備したり、1on1などで継続的にフィードバックできるような施策を実践しました。

なぜスコアがあまり変わらなかったのか

それは、「チームメンバーのスクラムに対する解像度が上がった状態でチェックをしたから」です。前回と比べて、今回はチェックリストに対するチームメンバーの分析する姿勢が大きく変わりました。

例えば、スプリントレビューの項目「プロダクトの現状や将来像、今後の予定などを共有している」では、POから「EMが共有するだけでなく、PO側からもきちんと説明をしたい。ロードマップの作成などに関与し周知はできているが、今回のスプリントゴールやバックログが、我々の開発ロードマップとどのようにリンクしているのかの説明にまだ課題を感じている」といった意見が出ました。

このような意見は、ある程度のチームメンバーの意識向上とチームの自己組織化が進んでいなければ出てこない意見だと考えています。漠然と「できている・できていない」という状況から、自身やチームのAs-Is(現状)とTo-Be(あるべき姿)が見え始めている状況へと変化したと認識しています。

その結果、スコアに大きな変化はなかったものの、チームおよびチームメンバーの意識が前回と比べて格段に向上していることが、議論を通して明確に見て取れました。また、私が気づかなかった点にもメンバーがいくつか言及してくれたことも大きな変化でした。(例えば、リファインメントが不定期開催だったため、開催できない週は「準備完了のバックログが少なく、プランニングが肥大化する」ため、固定化した方が良いといった指摘など)

さいごに

とはいえ、下記のような課題があるのかなと思っています。

  • インクリメント・作成物に対する価値意識
  • スクラムマスターのメンバー支援
  • プロダクトオーナーからのプロダクトゴール・ビジョン対する共有

スクラム開発のプロセスだけではなく、プロダクトの価値のような部分にも徐々に目を向けていきたいという感じでした。(基本的には私の方でロードマップやKPIなどを策定しており、そこが属人化していた結果かなと感じたので少し申し訳なかった)

私としても、メンバーに様々な役割を移譲するということ初めての経験で、上手くサポートできた部分とそうでない部分があったと思います。その中でメンバーが前向きにスクラム開発にチャレンジしてくれて感謝しています。

最後にチームメンバーへ、自己組織化が着実に進み始めているのでそのまま突き進んでください。良い結果が出せると信じています。

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