はじめに
AIに「手と目」を与えるプロトコル?
ChatGPTやClaude、Cursorのような AIツールが広まる昨今、以下のような疑問を抱いたことはありませんか?
「AIって、ネット上の情報にどうやってアクセスしているの?」
「PCのファイルを勝手に読めるの?」
「コードも書いてるけど、実行してるのはどこ?」
こうした AIと「現実世界」のやりとりを可能にする仕組み が、今回紹介する MCP(Model Context Protocol)サーバー です。
MCPサーバーとは?
簡単に言うと、
AIが外部のツールやデータにアクセスするための「通訳+接続ハブ」
です。
本来ChatGPTやClaudeなどのチャット型AI は、入力された文章を解析し、文章を返す「テキストベースの存在」ですが、実用的な利用を考えると、次のような機能が求められます。
- Google検索をする
- ファイルを読み込む
- データベースから情報を取る
- メールや通知を送る
こうした外部アクセスを 「安全に」「標準的に」「柔軟に」 実現するのが MCP の役割です。
MCPサーバーの仕組み
以下の図は、MCPの構造を簡単に表したものです。
- AI(クライアント):ChatGPT、Claude など
- MCPサーバー:外部API・ファイル・DBなどとの仲介役
- データソース:ファイルシステム、API、クラウドストレージなど
AIが「これを調べて」と指示すると、MCPサーバーがその処理を代行し、結果をAIに返します。
技術的な仕組み
MCP は次のステップで動作します。
1. クライアントからの指示(意図)の受信
たとえば、
- 「ファイルを読み込んで内容を要約して」
- 「このURLから最新の天気情報を取得して」
この指示は、AI 内部で MCP 形式の JSON-RPC リクエスト に変換され、サーバーに送信されます。
{
"jsonrpc": "2.0",
"method": "exampleMethod",
"params": { "key": "value" },
"id": 1
}
2. MCPサーバーによるリクエスト処理
- ファイルを開く
- APIにアクセスする
- DBをクエリする
などの処理を行い、結果をクライアント(AI)に返します。
3. AIがその結果をもとに回答を生成
「ファイルを要約しました」「APIから取得したデータです」など、自然な文章でユーザーに結果が返ってきます。
MCPのメリット
項目 | 内容 |
---|---|
標準化 | どんなAIでも統一された手順で外部連携できる |
安全性 | 認証・許可の仕組みを組み込める |
拡張性 | 自作プラグインで機能を拡張可能 |
具体的な活用事例
ツール | 活用例 |
---|---|
GitHub MCP | PR作成、Issue編集、コメント投稿など |
Notion MCP | メモやドキュメントの読み書き |
Web MCP | 最新情報の検索や要約 |
Files MCP | ファイルの読み込み・保存・更新 |
セキュリティは超重要!
MCPは便利な反面、「AIが外部にアクセスする=場合によっては予期しない危険な操作もできてしまう」ため、以下の対策が必須です。
- アクセス権限の設定(どの機能を許可するか明確にする)
- 操作ログの記録
- サンドボックス実行(隔離された環境で動作させる)
AIに対して、必要以上の高い権限を付与すると、予期しない処理を自動的に実行してしまうリスクがあるため、アクセス制御や権限管理には細心の注意が求められます。
Web開発者にとってのMCPの魅力
ウェブ開発をしているエンジニアにも以下のような活用が期待できます。
- ユーザーがアップロードしたファイルをAIが即時に解析する
- チャットUIを通じて業務を自動化(例:「請求書を要約して」)
- データベースやAPIとの中継としてAIが機能する
「AI + MCP」は、Webアプリに「AIの手と足」を加えるイメージです。
まとめ
MCPサーバーは、AI の機能を拡張し、外部ツールやデータへのアクセスを実現するために必要不可欠なインフラです。
- AIに「操作力」を与える次世代プロトコル
- セキュアかつ標準的な外部接続を実現
- Web開発との親和性が高く、次の時代のスタンダードに?
参考
MCP公式ドキュメント
https://modelcontextprotocol.io/introduction
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