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プリント基板 CAD KiCad のマニュアルを翻訳している話

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この記事は 技術翻訳 Advent Calendar 2016 の17日目です。

オープンソースの プリント基板 CAD KiCad のマニュアルを翻訳している話を書きます。

現在の状況

KiCad は現在 バージョン 4.0.4 なのですが、メンテナンスリリースの 4.0.5 がまもなくリリースされます。それに向けてマニュアルの更新を行っていました。マニュアル翻訳の完成目標日は12/16(金)に設定されていて、丁度それを終えた所です。
翻訳の呼びかけを KiCad ドキュメントの開発者メーリングリスト
Github の課題管理 で行い、翻訳者の参加状況や翻訳の進捗状況を書き込んで見える化していました。
今回、特に追い込んで翻訳を更新したマニュアルでは、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポーランド語 そして 日本語 と6つの言語の翻訳がありました。

マニュアル作成に使われている技術

KiCad のマニュアルは現在は asciidoc で書かれています。そして翻訳のために PO4A が使われています。
マニュアルの原文は英語で書かれており、asciidoc 形式の .adoc ファイルになっています。この .adoc から翻訳文を書き込むための .po ファイルを PO4A で生成しています。翻訳での .po ファイルの編集には POEDIT 等のツールが使われています。
ドキュメントの最終出力形式は HTML、PDF、EPUB の3形式です。
これらの処理を cmake でビルドする仕組みになっています。

翻訳活動での難しい点

翻訳活動での難しいことは色々あると思いますが、特にこの KiCad マニュアルでの活動で直面してきたことを以下に書いてみます。

ツールの使い方でのつまずき

翻訳するぞ、と来てくれる人達が皆コンピュータ開発のツールに慣れ親しんでいるわけではないのでツールの使い方でつまずくというのはいまだにあります。
「.po を最新にしてから翻訳して GitHubにプルリクしてね」とかって結構ハードル高いのだと思うのです。
KiCad のマニュアルの場合は、.po ファイルを 原文の .adoc に対して更新するために updatepo する必要があったり、Linux 環境でないと作業できないようなこともあり、翻訳を始めるまでの敷居が高いように感じてます。

そういう翻訳する人にとって面倒な作業を必要に応じて支援するようなことを今回はしていました。

書く人 vs 翻訳する人

英語の原文を修正を行いたい人がいて、それにより原文の質が向上するので素晴らしいことなのです。
一方、翻訳する人から見ると、原文が修正されると翻訳していたものがやり直しになるという負担になってしまいます。
翻訳作業というのはそういうものなのですが、可能な限り翻訳した人の作業が無駄にならないようにしたい。
KiCad マニュアルでは、master ブランチで英語の原文をガシガシ直して行き、安定版(stable) のブランチでは翻訳を進めて極力原文の変更を行わないことにしています。

翻訳する人、翻訳した人の状況

言語によって、翻訳した人が今もまだ翻訳する人として活動してる場合もありますが、過去に翻訳した人が今はもういないということもあります。また新たな翻訳者が現れる場合もあります。オープンソース活動なので仕方がないことです。
翻訳する人が魅力的に思える状況を作るのがモチベーションに繋がっていくのかなと思いつつ、どうすれば魅力的になるのかはいまだによく分かりません。

翻訳する人がいても、たまたまその人が仕事で忙しいということもあるでしょう。また今みたいなシーズンだと今月の後半に掛かるようなスケジュールでは皆作業したくなかったりするでしょうね。作業日程の組み方によって参加できる/参加できないが決まることもあると思うので要注意です。

まとめ

KiCad マニュアルの翻訳の作業について書いてみました。
マニュアルのメンテナンス作業はなかなか大変な仕事だなあと関わってみてあらためて感じてます。
その反面、原文を修正する人と翻訳する人とのやりとりだけでなく、マニュアル内で紹介したいサンプルソースコードを開発者にお願いしたり、パッケージングする人にバージョンを指定したり、と関わる範囲が広いという面白さもありました。
どこかで誰かが自分の関わっているマニュアルを読んで KiCad を操作してるのかなと思えるのも楽しいです。

引き続き、このプロジェクトがより良いマニュアルをリリースしていけるものであるといいなあと思います。

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