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ルベーグ積分入門5 可測関数の性質2

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ルベーグ積分入門4のつづき

命題 5.1
$f,g:X\rightarrow \overline{\mathbb{R}}$を二つの可測関数で、f+gが''定義''されているとする。このとき、f+gは可測関数である。
ここで、f+gが''定義''されているとは、f+gが関数として定義されているという意味である。つまり、fとgが、同時に$\infty$と$-\infty$の値をとり、$f+g=\infty-\infty$というようなことが起きない場合を指す。

証明
任意の実数$\alpha$について次の等式を示す。

$\{x\in X| f(x)+g(x)>\alpha\}=\bigcup_{q\in \mathbb{Q}}\{x\in X| f(x) >q\}\cap \{x\in X| g(x) >\alpha-q\}$
$x$を右辺の集合の元とする。ある有理数qが存在して、f(x)>qかつg(x)>a-qとなる。両辺を足してf+g(x)>\alphaとなるので、$x$は左辺の元である。
逆にxが左辺の元だとする。$g(x)$が有限の場合、$f(x)+g(x)>\alpha$のとき、移項して$f(x)>\alpha-g(x)$である。よって$f(x)>q>\alpha-g(x)$となるある有理数$q$がある。よって、xは右辺の元である。$g(x)=\infty$のとき、$f+g$は'定義'されているから、$f\neq -\infty$であるので、$f(x)>q$となるように有理数qを取れる。gは無限大なので、$g(x)>\alpha-q$は成り立つ。
$g(x)=-\infty$となるときはない。
よって、等式は示された。

右辺は、有理数全体にわたる和なので、自然数にわたる和に書き換えられる(自然数と有理数には1対1対応がある)ので、可測集合である。よってf+gが可測関数であることが示される。
証明おわり

命題5.2
$f,g:X\rightarrow \mathbb{R}$が可測関数であるとき、fgは可測関数である。

証明
$fg=\frac{1}{4}\{(f+g)^2-(f-g)^2\}$という関係が成り立つので、前に示した命題4.2と命題5.1を使えば、可測関数である。

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