経験上の見解
私がエンジニアになった時は、開発のテストをしながらアプリやインフラを学ぶように指示があるのみでした。職人の徒弟制度のように技を真似るというものでした。今は、全く違いますね 。最近の新卒の方々への教育現場を拝見させて頂いているのですが、随分と丁寧に教えてもらえる時代になったんだなって感じています。肌で感じている事は、縦社会 ではなく、横社会 になった。競争より、共創を求められるようになった。技術のギブアンドテイクが出来ないと居場所がなくなった。
つまり、誰かから教えてもらって、長期間かけないとモノにならなかった技術は、勘所だけ教われば、誰かから学ぶよりも自分で調べて、短期間である程度モノに出来る時代になった。故に自発的に、短期間で集中して、スキルを身に付けないと置いて行かれる時代になった。 情報も横から入ってくるものが多く、キャッチアップしないとおいて行かれる。ある程度受け身で、先輩から教えてもらう事は、勿論あるのですが、自発的に同僚や後輩から教わる事の方が増えました。
例えると、昔は、上の人がある程度畑を耕して、種をまいておいてくれれば、予定通りの果実が収穫出来た。言われた事をがむしゃらにやっていれば、たいてい、評価された。
しかしながら、今は、自分がめぼしい畑を探して、種をまきまくって、どこから、何が育つかわからないけど、育ちが早い果実を収穫し、他は捨てるという取捨選別が必要になった。言われたことをがむしゃらにやっていると、種まきを忘れ、収穫物がなく、負け戦になり、死亡フラグがたつ事がある。 死亡フラグが立つと、転職を余儀なくされる。
楽しかった職場
雑談が出来る職場で、飲み会に誘われれば行きたくなるような職場でした。
異見を聞くスタンスがあり、横社会への理解があった。
自分のノウハウが必要とされる職場でした。持っている技術がトレンド だった。
情報が横から入ってくるので、継続的に価値提供が出来た。
自分の価値があるから、教える事があった。
辛かった職場
雑談が出来ない職場で、飲み会に誘われても、行きたくない職場でした。
縦社会が絶対的なので、異見が言いにくかった。
自分のノウハウが必要とされなくなった職場でした。持っている技術が陳腐化 した。
情報が上から入ってくるので、違う価値観に合わせるのが大変だった。
教える事が減って、自分の価値が低下した。
転職した時の大抵の理由
縦社会が辛くて、横社会へ行きたくなった。
持っている技術がその会社の中で陳腐化し、教えられる事が少なくなった。
持っているノウハウが、他の会社に行った方が求められる事がわかった。
転職できた時の大抵の理由
横社会に貢献出来るようになったから
(資格を取りまくり、人に教えるネタが増えたからなど)
例:AWS All Certifications Engineers 受賞
「これから転職できる人材」
人に教えるネタが多い。
縦社会の上に立つ立場であれば、マネジメントの経験が必要。
横社会の場合は、ギブアンドテイク出来るノウハウを持っている事。
登れる山を登るのではなく、登りたい山を登ろう!
立場を政治で例えると、野党でいるより、与党となりたいものです。
エンジニアプランを考える
エンジニアは、専門性と経験を活かして幅広いキャリアパスを選択できる魅力的な職業です。しかし、多様な選択肢がある中で、自分にとって最適なプランを見つけるのは容易ではありません。
そのため、「いつでも転職できる人材」で居続ける事が出来る事が重要です。では、どうやって、「いつでも転職できる人材」になれば良いのかをまとめました。
いつでも転職できる人材で居続けるための3つの軸
1. 明確な目標設定:羅針盤の針を定める
キャリアプランの出発点は、将来の目標を明確にすることです。
- ポートフォリオの作成: 自分のプロジェクトや成果物をまとめたポートフォリオを作成します。作成したら、自分の強みと弱みとなる実績を分析します。ないと気付いたら、資格で補填したり、ブログや自作アプリでアウトプットして、それを実績にします。
- 専門分野の選択: ソフトウェア、ハードウェア、Web、AIなど、エンジニアリングには様々な専門分野があります。興味や強み、将来の展望などを考慮して、自分が注力したい分野を選びましょう。
- キャリアパス: 専門分野が決まったら、その分野におけるキャリアパスを検討します。スペシャリストとして高度な専門性を磨くのか、マネジメント職を目指すのか、起業を目指すのかなど、様々な選択肢があります。
- 具体的な目標: 長期的な目標に加え、1年後、3年後、5年後など、中短期的な具体的な目標を設定することも重要です。目標を明確にすることで、日々の行動に指針が示され、モチベーション維持にも繋がります。
2. 自己分析:自分の強みや弱みを把握する
目標設定と同様に、自己分析もエンジニアプランにとって欠かせません。
- スキル・経験: これまでの経験や保有スキルを棚卸ししましょう。技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力なども重要です。
- 価値観・性格: 自分がどのような環境で働きたいのか、どのような仕事にやりがいを感じるのか、自身の価値観や性格を理解することも大切です。
- 強み・弱み: 強みは積極的に活かせるように、弱みは克服に向けた努力が必要です。客観的な視点を取り入れることで、より正確な自己分析が可能になります。
3. 行動と学習:羅針盤に従い、一歩ずつ進む
目標と自己分析に基づいて、具体的な行動計画を立てましょう。
- スキルアップ: 目標達成に必要なスキルを習得するために、学習計画を立てて実行しましょう。資格取得、社内研修、eラーニングなど、様々な学習方法があります。
- 経験積: 積極的に新しいことに挑戦し、経験を積み重ねることが重要です。社内プロジェクトへの参加、副業、オープンソース活動など、様々な機会を活用しましょう。
- 情報収集: 業界動向や最新技術に関する情報収集を怠らないようにしましょう。業界誌やニュースサイト、専門家ブログなどを活用し、常にアンテナを張りましょう。
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人脈形成: 積極的に人と交流し、人脈を広げましょう。この過程で、横社会は、何を求めているのか?ニーズを探る事が出来ます。上手くいけば、コミュニティに入れてもらえるでしょう。エンジニアコミュニティへの参加や、勉強会への参加などが有効です。
エンジニアプランは、決して一成不変のものではありません。
状況や目標の変化に合わせて、柔軟に修正していくことが重要です。
変化はコントロールできない。出来るのは変化の先頭に立つことだけである(ドラッカー)
変化への対応
1.ウェアラブルデバイスの発達
2.超高齢化社会
3.シンギュラリティ
1.ウェアラブルデバイスが発達します。
場所を選ばずに情報を検索したり、伝達したりする技術へのニーズが高まります。PCのwebやスマホのアプリである必要はなく、サングラスのようにかけたり外したり出来るデバイスだったり、VRヘッドセッドや専用ゴーグルのようなデバイスが主流となるかもしれません。ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)の実現により、脳とコンピュータの直接的な接続が可能になるかも知れません。
各デバイス間の通信データの流れ、格納のされかた、認証、認可の仕組みを理解している事は、これからも求められるはずです。
2.超高齢化社会
到来すると、夫婦のうちどちらかが居なくなる訳なので、孤独な人も増えるという事になります。故に、孤独な人へのニーズが急増します。
ニーズをくみ取る力、相手との適切な距離感の取り方は、これまで通り、求められるはずです。
3.シンギュラリティ
「シンギュラリティ」とは何でしょう?
シンギュラリティー(技術的特異点)とは、自律的な人工知能が自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知性が誕生するという仮説です。 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2045年にシンギュラリティーに到達すると予測していることから、2045年問題とも呼ばれています。
シンギュラリティが起こるとどうなる?
社会への影響としては、貨幣がなくなる、人間が働かなくてよくなる、戦争が起きなくなる、無料で生活必需品が提供されるなどが考えられています。一方で、新しい価値を生み出す事が出来る人と出来ない人の差が激しく貧富の差につながるのではないかという意見もあります。
貧富の差が激しくなる可能性があるので、「和して同せず」 人と協調していくが、決してむやみに同調しない生き方が求められます。違いを認め合いながら仲良くする。自分にない違いで優れたものがあれば、素直に従う事が求められます。
予測される技術的変化とその影響
1. 人工知能(AI)と機械学習
- 進化するAI: AI技術はますます高度化し、自然言語処理、画像認識、予測分析などの分野で大きな進展が見込まれます。これにより、医療診断、金融取引、自動運転車など、多くの分野での応用が拡大します。
- 自動化とロボティクス: AIとロボティクスの融合により、製造業やサービス業での自動化が進みます。これにより、生産性の向上とコスト削減が期待されますが、同時に労働市場への影響も懸念されます。
単純労働者が必要とされなくなり、貧富の差が広がる恐れがあります。自分で考えて、行動する能力が求められます。
2. 5Gと次世代通信技術
- 高速・低遅延通信: 5G技術の普及により、データ通信速度が飛躍的に向上し、低遅延での通信が可能になります。これにより、IoT(モノのインターネット)やスマートシティ、遠隔医療などの新しいサービスが実現します。
- エッジコンピューティング: 5Gと組み合わせることで、データ処理をネットワークのエッジ(端末や近接サーバー)で行うエッジコンピューティングが普及し、リアルタイムのデータ処理が可能になります。
遠隔から作業出来るコミュニケーション技術とノウハウが求められます。
3. ブロックチェーンと分散型技術
- セキュリティと透明性の向上: ブロックチェーン技術は、データの改ざんが難しく、透明性が高い特性を持つため、金融取引、サプライチェーン管理、デジタルアイデンティティなどの分野での応用が期待されます。
- スマートコントラクト: ブロックチェーン上で自動的に実行される契約(スマートコントラクト)が普及し、契約の履行や取引の自動化が進みます。
ハッキングのノウハウを学び、セキュリティ知識を高める必要があります。
4. 量子コンピューティング
- 計算能力の飛躍的向上: 量子コンピュータは、従来のコンピュータでは解決が難しい複雑な問題を高速に解決する能力を持っています。これにより、医薬品開発、材料科学、暗号解読などの分野での革新が期待されます。
- 新しいアルゴリズムの開発: 量子コンピューティングに適した新しいアルゴリズムの開発が進み、さまざまな分野での応用が広がります。
新しい技術が出た時に、いち早く情報を取得し、比較する能力が求められます。
5. バイオテクノロジーと遺伝子編集
- CRISPR技術の進展: CRISPR-Cas9などの遺伝子編集技術が進化し、遺伝病の治療や農作物の改良、新しい医療技術の開発が進みます。
- パーソナライズド医療: 個々の患者の遺伝情報に基づいたパーソナライズド医療が普及し、より効果的な治療法が提供されるようになります。
新しい技術が出た時に、いち早く情報を取得し、試すレスポンス能力が求められます。
6. 再生可能エネルギーとクリーンテクノロジー
- エネルギー効率の向上: 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー技術が進化し、エネルギー効率が向上します。これにより、持続可能なエネルギー供給が実現します。
- エネルギー貯蔵技術: バッテリー技術やエネルギー貯蔵システムの進展により、再生可能エネルギーの安定供給が可能になります。
社会的責任を果たしているかどうかの観点を求められるようになります。
7. 拡張現実(AR)と仮想現実(VR)
- 新しい体験の提供: ARとVR技術の進化により、教育、エンターテインメント、医療、トレーニングなどの分野で新しい体験が提供されます。
- リモートワークとコラボレーション: ARとVRを活用したリモートワークやコラボレーションツールが普及し、地理的な制約を超えた働き方が可能になります。
使った方が効率的になるものにどんなものがあるかを把握し、使いこなす能力が求められます。
8. 宇宙技術と探査
- 民間宇宙企業の台頭: スペースXやブルーオリジンなどの民間宇宙企業が台頭し、宇宙旅行や宇宙資源の利用が現実のものとなりつつあります。
- 月や火星の探査: 月や火星への探査ミッションが進み、人類の宇宙進出が加速します。