はじめに
サイバーセキュリティの世界でますます注目を集めている特権アクセス管理(PAM)。組織の重要なデータやシステムを守るために欠かせないこの仕組みについて、今日はわかりやすく解説します。PAMの導入背景や効果、導入後の改善点、成功事例、そして他のPAM製品との比較や感想をお届けします。
何が嬉しいのか?
サイバー攻撃や内部不正から組織を守り、第三者機関にそれが出来ている事を説明出来ます。内部監査や外部監査の説明って、結構大変ですよね。。でも、これがあれば。。要件定義でも、痒い所に手が届く!
セキュリティに興味がある方、必見です!
チームの特権アクセス管理・ID管理に課題を感じている方
セキュリティ担当者の方
まず、導入背景と具体的な効果について、解説します。
動画にも、まとめました。
PAM導入を求められる背景
PAM(Privileged Access Management)は、組織内の重要なシステムやデータにアクセスできる特権アカウントを管理・保護するための戦略と技術です。なぜ今、PAMがこれほど重要視されているのでしょうか?
サイバー攻撃の巧妙化サイバー攻撃者は、特権アカウント(例:管理者アカウントやrootアカウント)を標的にして、システム全体を掌握しようとします。実際、最近の重大なセキュリティインシデントの多くは、特権アカウントの認証情報が盗まれたことが原因です。PAMは、これらのアカウントを保護し、不正アクセスを防ぐための必須の対策です。
法規制とコンプライアンスの強化GDPR、HIPAA、PCI DSS、J-SOXなど、業界ごとに厳格な規制が存在 します。これらの規制では、特権アクセスの管理と監査が求められており、PAMはこれを効率的に実現します。違反した場合、罰金や信頼の失墜につながるため、PAMの導入は不可欠です。
「業界ごとに厳格な規制が存在」 している事を踏まえた要件定義を求められて、悩んだことはありませんか?
内部不正のリスク外部からの攻撃だけでなく、内部の従業員や元従業員による不正アクセスも大きな脅威です。PAMは、特権アカウントの使用を監視し、内部不正を抑止します。
どんな攻撃に有効なの?
脅威1|ランサムウェア攻撃
「特権アカウントを乗っ取られた場合、社内システムが広範に暗号化されるリスク」に対して
権限の最小化・分離
特権アクセスのリアルタイム監視
不正アクセスの即時検知と遮断
結果:感染拡大の初期段階で封じ込めが可能に
脅威2|サプライチェーン攻撃
「外部ベンダー経由でネットワークへ侵入」に対して
サードパーティの特権アカウントを一元管理
誰がいつどのアカウントにアクセスするかを可視化
MFA・一時アクセスの導入
結果:信頼できるベンダーとの接続に限定され、リスクを最小化
脅威3|内部不正
「内部関係者による意図的または過失による情報漏洩」に対して
ジャストインタイムアクセス(必要時のみアクセス許可)
アクセスログと行動の録画・記録
使用後の権限自動剥奪
結果:悪用の抑止・証拠の確保・影響範囲の局所化
脅威4|ブルートフォース攻撃
「パスワード総当たり攻撃で認証情報を強奪」に対して
強力なパスワードポリシーの強制
多要素認証(MFA)の適用
初期パスワードの自動変更
結果:特権アカウントへの不正アクセスを未然に防止
導入効果のまとめ
脅威 | 軽減策 |
---|---|
ランサムウェア | アクセス制御、リアルタイム監視 |
サプライチェーン攻撃 | アカウント可視化、MFA、接続制御 |
内部不正 | 一時アクセス、記録、権限最小化 |
ブルートフォース攻撃 | パスワード強制、MFA、初期設定変更 |
つまり
セキュリティの向上特権アカウントのアクセスを監視し、不審な活動をリアルタイムで検知。ゼロトラストアーキテクチャを採用する製品(例:KeeperPAM)では、すべてのアクセスが検証され、セキュリティが強化されます。
リスクの軽減「ジャストインタイム(JIT)」アクセスを導入することで、必要な時だけ特権を付与し、常時特権を持つアカウントを最小限に抑えます。これにより、外部攻撃や内部不正のリスクが大幅に低減します。
運用効率の改善特権アカウントのパスワード管理やアクセスログの記録を自動化することで、運用負荷が軽減されます。たとえば、「SecureCube Access Check」はゲートウェイ型で既存システムに影響を与えず、効率的な管理を実現します(NRI Secure)。
コンプライアンス対応監査証跡を残すことで、規制や監査への対応が容易になります。PAMソリューションは、ログ管理やアクセス制御をシステム化し、監査負担を軽減します。
PAM導入後の改善点や成功事例
PAM導入後の改善点
PAMを導入することで、組織のセキュリティと運用プロセスがどのように改善されるのでしょうか?
特権アカウントの棚卸しと整理不要な特権アカウントを特定し、削除することで、管理がシンプルになります。組織内の特権アカウントの可視性が向上し、セキュリティの抜け穴を防ぎます。
特権アクセスの監視と記録すべての特権セッションを記録し、監査証跡を残すことで、問題発生時の原因特定が迅速化。たとえば、「SecureCube Access Check」はアクセスログを一元管理し、監査を効率化します。
ジャストインタイム(JIT)アクセスの導入必要な時だけ特権を付与するJITアクセスにより、常時特権を持つアカウントを減らし、セキュリティを強化。KeeperPAMはこの機能をクラウドネイティブで提供します。
成功事例
PAMの導入により、多くの組織がセキュリティとコンプライアンスの向上を実現しています。
金融機関ある金融機関では、顧客データの保護を強化するためにPAMを導入。PCI DSSやJ-SOXの要件を満たし、特権アカウントの不正使用を防止しました。アクセスログの記録により、監査対応もスムーズになった。
医療機関患者情報の機密性を守るため、PAMを導入した医療機関では、HIPAA準拠を実現。特権アクセスの監視により、データ漏洩リスクを大幅に低減しました。
製造業生産システムへの不正アクセスを防ぐため、PAMを導入した製造業では、業務の継続性を確保。ログを活用した監査により、内部不正の抑止にも成功しました。
これらの事例から、PAMは業界を問わず、セキュリティ強化とコンプライアンス対応に大きな効果を発揮することがわかります。
製品名 | 展開方法 | 主要機能 | 対象市場 | コスト | 使いやすさ | コンプライアンス対応 |
---|---|---|---|---|---|---|
KeeperPAM | クラウドネイティブ | ゼロトラスト、秘密管理、接続管理、リモートブラウザ分離 | 全規模、現代企業 | 低 | 直感的 | 強力 |
SecureCube Access Check | オンプレミス/クラウド | ゲートウェイ型、集中管理、監査対応 | 大規模企業、混在環境 | 中 | 使いやすい | 強力 |
CyberArk | オンプレミス/クラウド | 包括的機能、先進分析 | 大規模企業 | 高 | 専門知識必要 | 強力 |
BeyondTrust | オンプレミス/クラウド | 柔軟性、エンドポイント管理 | 中~大規模企業 | 中 | 使いやすい | 中程度 |
Thycotic | オンプレミス/クラウド | ユーザーフレンドリー、低コスト | 小~中規模企業 | 低 | 使いやすい | 基本~中程度 |
Delinea | オンプレミス/クラウド | パスワード管理、機密データ保護 | 中~大規模企業 | 中 | 使いやすい | 中程度~強力 |
各製品の特徴まとめ
KeeperPAM
クラウドネイティブでゼロトラスト採用。パスワードや秘密管理も一元化。シンプル導入・高コスパ・直感的UI。「シンプルな導入」「コスト効率」「ゼロトラストとゼロナレッジ設計」が際立つ。
SecureCube Access Check
ゲートウェイ型で既存システムに影響が少なく、大規模・混在環境や監査対応に強み。既存システムへの影響が少なく、大規模・監査ニーズが強い場合に適する。
CyberArk
PAM市場のリーダー。機能が非常に豊富だがコスト高・専門知識が必要。高機能だが、導入や運用が重厚でコスト・専門性が必要。
BeyondTrust
柔軟性・エンドポイント管理に強いが、報告機能など改善余地あり。柔軟だが、KeeperPAMほどのクラウド統合性はない。
Thycotic
低コストでユーザーフレンドリーだが、上位製品に比べ機能面は限定的。低コストで中小向きだが、ゼロトラスト面ではKeeperPAMが有利。
Delinea
機密データ保護に特化。ハイブリッド環境に適し、全体的なバランス良好。データ保護に特化するが、KeeperPAMの統合力にはやや劣る印象。
まとめてみた感想
KeeperPAMは、「手軽さ」と「最新のセキュリティ対応力」で際立っています。特にクラウド環境や中小企業に適しており、ゼロトラストアーキテクチャを採用することで、現代のサイバーセキュリティの要求に応えます。一方で、大規模かつ複雑な環境では、CyberArkのような機能豊富な製品が適する場合もあります。SecureCube Access Checkは、既存システムを変更せずに導入したい大規模企業に最適です。組織のニーズ、予算、IT環境に応じて選択することが重要だと感じます。
ご参考になれば幸いです!
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