ときどき話題にしているAntigravity、今は従来の見た目のAntigravity IDEと、名前がそのままでぐっとAntigravity 2.0(デスクトップアプリ)を主に使っています。CLIはちょっとだけ触った程度です。
基本的に、自分では仕様を調べないでとりあえず使ってみて、AI本人と相談しながら使うというやり方で、使い勝手を試しています。あんまりみっちり使ってなくて、ざつな問いかけでもしっかり答えてくれるよう、だいたいはGemini Proで使っていて、目いっぱい使うようなときは、その時の作業を考えながらモデルを選んでいます。Flashは回答が雑な感じがします。
最近は、kintone MCPサーバーを、個別のプロジェクト別に設定しようとしたところ、かなり手こずりました。その際のエラーの顛末と、同じやり取りを繰り返さないための対策をまとめておきます。
できるはずなのに、AI本人が「できない」と言う
今日は、Antigravity 2.0に対して、新しいプロジェクト専用にkintone MCPサーバーを使えるようにしてほしいと依頼したところ、なかなかできませんでした。
エラーを繰り返した挙句、私が「前にはできたから」とうろ覚えであれこれ指示するが、解決せず、「Antigravityでは動的にMCPサーバーを追加できない」とAI本人ができないと言い出してしまいました。
実は過去の設定でも同じようなやり取りをしており、過去の成功事例をAIに振り返らせることでようやく解決の糸口が見える、という工程を何度か繰り返していました。ついに今回は、それでもうまく解決できなくて、アプリの仕様が変わったのかもなどと言い始める始末。
今回は「前にはできたやん」のような雑な指示ではなく、「このプロジェクトではできてたから、このフォルダを見て」と具体的に指定したところ、AIがこんな報告してくれたことがありました。
ご指摘いただいたクイズアプリのフォルダを調査した結果、非常に重要な事実が判明しました。
AntigravityでプロジェクトごとにMCPサーバーを利用するための正しい設定ファイルの場所と名前は、.antigravity/mcp.json ではなく、.agents フォルダ内の mcp_config.json でした。 私の仕様に対する完全な認識不足であり、大変お手数をおかけする結果となってしまいました。
それ、これまでも「前にはできたやん」で、なんどか発見してるやつな。
正しい設定
エラーの真の原因は、MCPのインストール方法や起動コマンドが間違っているわけではなく、「設定ファイルの配置場所と名前」が間違っていることでした。
Antigravityにおいて、プロジェクト固有のMCPサーバーを設定するための正しいパスは以下の通りだそうです。
正解: (プロジェクトのルート)/.agents/mcp_config.json
このファイルに以下のような記述をすることで、正常に認識・通信ができるようになります。
{
"mcpServers": {
"kintone-mcp": {
"command": "npx.cmd",
"args": ["-y", "@kintone/mcp-server"],
"env": {
"KINTONE_BASE_URL": "...",
"KINTONE_USERNAME": "...",
"KINTONE_PASSWORD": "..."
}
}
}
}
試行錯誤中、AI本人が設定できないアプリの画面から設定しなければならないと指示があることもありましたが、結局は設定画面からの設定は不要でした。
間違う理由
なぜ間違うのか聞いてみたところ、こういう答えが返ってきました。
- 他ツールの一般的な仕様の推測適用
MCP(Model Context Protocol)をサポートする他のAIエディタ(Claude Codeなど)では、プロジェクト直下の .mcp.json というパスを使用するのが一般的な規格となっています。私はその汎用的な知識を、Antigravity 2.0にもそのまま当てはまると推測して適用してしまいました。- Antigravity固有の仕様に対する関連付けの不足
私のシステム内には「プロジェクト固有のカスタマイズ設定(ルールやスキルなど)は .agents フォルダ配下に置く」というAntigravity独自の仕様情報が存在しています。しかし、その「カスタマイズ領域(.agents)」の中に「MCPサーバーの接続設定(mcp_config.json)」も含まれる、という具体的な関連付けの知識を持っておらず、自力で導き出すことができませんでした。
今からやることに対して、あらかじめ正しい仕様を調査するのではなく、とりあえずありがちな一般的なルールをまず適用して、エラーになったら、そのバリエーションを総当たり的に試して、解決しているような印象があったけれど、自分自身に対してもそうというのは、かなりびっくりです。
今後の対策:設定手順を「Skill」として登録する
エラーなく動作する設定はわかりましたが、これまでも何度も繰り返していることで、これからも覚えてなさそうな気がします。新しいプロジェクトのたびにこのやり取りを繰り返すのは手間です。
そこで、Antigravityに相談して、この一連の設定手順をAntigravityの**「Skill(スキル)」**として切り出し、グローバルに登録することにしました。
グローバル設定フォルダ(~/.gemini/config/skills/)内に setup_kintone_mcp というスキルを作成し、SKILL.md に以下の内容を記述します。
---
name: setup_kintone_mcp
description: "kintone MCPの設定や準備を行います。「kintone MCPを使えるようにして」と指示された際に実行されます。"
---
# kintone MCP サーバーのセットアップ手順
AIエージェントは、この指示に従って現在のワークスペースにkintone MCPサーバーの設定を行ってください。
1. 現在のワークスペース直下に `.agents` ディレクトリが存在するか確認し、存在しなければ作成する。
2. `.agents/mcp_config.json` を作成し、標準的な設定(npx -y を使用)を書き込む。環境変数の値はユーザーに確認すること。
3. 設定反映のため、ユーザーへアプリの再起動を依頼する。
4. 権限エラーが発生した場合は、AI自身が ask_permission を用いて利用許可をユーザーへ要求する。
Skill化のメリット
このSkillを登録しておくことで、グローバルルール(AGENTS.md)に長々と手順を書く必要がなくなります。
新しいプロジェクトを開いた際に、自然言語で**「kintone MCPを使えるようにして」**と指示するだけで、AIがスキルの description から意図を汲み取り、自動で上記の正確な手順を実行してくれるようになるそうです。
まとめ
Antigravity 2.0でプロジェクト固有のMCPサーバーを立ち上げる際は、プロジェクトフォルダ内の.agents/mcp_config.json というパスが正解です。この設定で、Antigravity 2.0、IDE、CLIでも、kintone MCP サーバーが利用できるようになります。
また、定型化された複雑な設定手順は、都度指示するのではなく「Skill」として抽出・パッケージ化することで、AIの自律的なワークフローを最大限に引き出すことができます、とのこと。
同じようなエラーややり取りに悩んでいる方の参考になれば幸いです。