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「特に問題ありません」が続くプロジェクトほど、なぜ危ないのか

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Last updated at Posted at 2026-09-14

「現在の進捗はいかがですか?」
「特に問題ありません。」
「何か懸念点はありますか?」
「今のところ大丈夫です。」
進捗会議で、こんなやり取りが続くことがあります。
タスクも予定どおり進んでいる。大きな課題も出ていない。メンバーからも特に困っているという声はない。
一見すると、順調なプロジェクトに見えます。
しかし、PMOとしてプロジェクトに関わっていると、「問題がない」のではなく、「問題がまだ表に出ていないだけ」 というケースに出会うことがあります。

「問題ありません」が本当に問題ないとは限らない

例えば、あるプロジェクトで毎週の進捗会議が行われていました。
各担当者に状況を確認すると、
「予定どおりです。」
「特に問題ありません。」
という回答が続いていました。
WBSを見ても、大きな遅延はありません。
ところが、ある週に突然、
「この機能、リリース日に間に合わない可能性があります。」
という話が出てきました。
詳しく確認すると、実は数週間前から仕様について担当者が疑問を持っていたものの、「まだ自分で調べられる範囲」と考えて、課題として共有していなかったのです。
結果として、問題が発覚したときには、すでに後続工程への影響が大きくなっていました。

問題は「発生した瞬間」より「放置された時間」が怖い

プロジェクトでは、問題が発生すること自体を完全になくすのは難しいものです。
仕様変更、認識違い、技術的な課題、他チームとの調整など、何かしらの問題は起こります。
重要なのは、問題をどれだけ早く発見できるかです。
例えば、仕様について小さな疑問が出た段階なら、担当者同士の確認だけで解決できるかもしれません。
しかし、その疑問を放置したまま設計、開発、テストまで進んでしまえば、後から大きな手戻りになる可能性があります。
つまり、問題そのものよりも、問題を抱えたまま時間が経過することのほうが危険な場合があります。

「問題ありますか?」では見つからないことがある

では、なぜ問題が共有されないのでしょうか。
一つの理由は、質問の仕方にあります。
「何か問題ありますか?」
と聞かれると、メンバーは「今すぐ対応が必要な問題」を思い浮かべがちです。
「少し気になるけど、まだ問題とは言えない」
「もう少し調べてから相談したい」
「自分で解決できるかもしれない」
といった段階のものは、報告されないことがあります。
そこで、
「今、困っていることはありますか?」
「判断に迷っていることはありますか?」
「他の人の回答待ちになっていることはありますか?」
「このまま進めて大丈夫か不安なことはありますか?」
と聞いてみる。
質問を少し変えるだけで、表に出てくる情報が変わることがあります。

「懸念」と「課題」を分けて考える

プロジェクト管理では、「課題になってから報告する」という状態も注意が必要です。
例えば、
「この仕様だと、テスト工程で問題になるかもしれない」
という段階では、まだ実際の問題は起きていません。
しかし、だからといって無視してよいわけではありません。
これは「懸念」や「リスク」として扱うことができます。
そして、実際に問題が発生してから「課題」として管理する。
このように、問題になる前の兆候を拾うことが重要です。

「順調です」の裏側を見る

進捗会議では、どうしても「遅れているタスク」に目が向きます。
しかし、PMOとしては「遅れていないタスク」についても確認する必要があります。
例えば、

  • 予定どおり進んでいるが、前提条件に不安はないか
  • 担当者が一人で抱えている問題はないか
  • 判断待ちになっていることはないか
  • 後続工程に影響しそうな懸念はないか
  • 「とりあえず進めている」状態になっていないか

こうした点を確認していくと、WBS上では問題がないように見える部分から、将来的なリスクが見つかることがあります。

報告しやすい雰囲気も重要

もちろん、質問の仕方だけですべてが解決するわけではありません。
「問題を報告すると怒られる」
「遅れていると思われたくない」
「自分の評価が下がるかもしれない」
という雰囲気があるチームでは、問題は表に出にくくなります。
そのため、問題を報告した人を責めるのではなく、早い段階で共有してくれたことを評価することも重要です。
「問題が起きたこと」ではなく、「問題が大きくなる前に見つけられたこと」を評価する。
そうしたチームのほうが、結果的に問題を小さく抑えやすくなります。

PMOが見るべきなのは「問題の数」だけではない

課題管理表を見るとき、「課題が少ないから順調」と考えてしまうことがあります。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
課題が少ない理由が、
「本当に問題が少ない」
のであれば良いのですが、
「問題が課題として登録されていない」
のであれば、むしろ危険です。
そのため、課題の件数だけではなく、
「問題や懸念がきちんと表に出てくる仕組みになっているか」
を見る必要があります。

「特に問題ありません」を疑うのではなく、深掘りする

ここで大切なのは、「特に問題ありません」という回答を疑ってかかることではありません。
本当に順調なプロジェクトも当然あります。
重要なのは、その回答だけで判断しないことです。
例えば、
「ありがとうございます。ちなみに、今の工程で一番気になっていることはありますか?」
「もし1週間後に問題になるとしたら、何がありそうですか?」
と一段深く聞いてみる。
こうした質問によって、まだ「問題」と呼ばれていない小さな懸念を拾えることがあります。

まとめ

「特に問題ありません。」
この言葉自体が悪いわけではありません。
ただ、毎週この回答だけが続いているのであれば、一度立ち止まってみる価値があります。
プロジェクトの問題は、突然大きな形で現れるとは限りません。
最初は、
「ちょっと気になる」
「判断に迷っている」
「誰かに確認したい」
といった小さな兆候として現れることがあります。
PMOにとって重要なのは、問題が発生してから対応することだけではありません。
問題になる前の小さな違和感を拾い、必要な人に早めに共有できる状態を作ることも重要です。
「特に問題ありません」という回答を聞いたら、それで終わりにするのではなく、
「では、今一番気になっていることは何ですか?」
と一歩だけ深く聞いてみる。
その小さな質問が、プロジェクトを大きなトラブルから守ることにつながるかもしれません。

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株式会社ONE WEDGE
株式会社ONE WEDGEは、Webシステム開発・SES・AI/DX支援を行うIT企業です。生成AIを活用した業務効率化や次世代システム開発にも注力しており、企業の課題解決だけでなく、エンジニア一人ひとりの成長にも本気で向き合っています。また、技術は「一人で学ぶもの」ではなく「仲間と成長するもの」と考え、社内外でのコミュニティづくりにも力を入れています。

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