「このタスクの担当者は誰ですか?」
「○○さんです。」
WBSを見ると、担当者も期限も決まっている。それなのに、なぜかタスクが終わらない。
PMOとしてプロジェクトに関わっていると、こうした場面に遭遇することがあります。
私自身も、以前はタスクが遅れていると「担当者に確認しよう」と考えていました。しかし、実際には担当者の問題ではなく、担当者が作業を進められない状態になっているケースが少なくありませんでした。
担当者は決まっていたのに、タスクが進まなかった
あるプロジェクトで、ある機能の設計タスクがありました。
WBSには「担当:○○さん」「期限:○月○日」と明確に記載されています。
進捗会議で確認すると、
「対応しています。」
という回答でした。
ところが、1週間経ってもタスクが完了しません。
詳しく確認してみると、その設計に必要な仕様書を別チームが作成しているものの、まだ完成していないことが分かりました。
つまり、担当者は決まっていましたが、作業に必要な前提条件が揃っていなかったのです。
「誰がやるか」だけではタスクは動かない
タスクを管理するとき、「担当者」と「期限」は重要な情報です。
しかし、それだけでは不十分です。
例えば、次のような状態なら、担当者が決まっていてもタスクは止まります。
- 必要な情報が揃っていない
- 他チームの作業待ちになっている
- 仕様についての意思決定がされていない
- 担当者に判断する権限がない
- レビュー担当者が決まっていない
- 完了条件が曖昧になっている
特に注意したいのが、「担当者」と「判断する人」が別になっているケースです。
担当者が設計書を作成していても、仕様について判断できる人から回答が来なければ、作業はそこで止まります。
PMOが見るべきなのは「担当者」から「タスクの構造」へ
この経験から、WBSを見るときの視点を変えるようになりました。
以前は、
「誰が担当しているか?」
「期限に間に合いそうか?」
を中心に確認していました。
現在は、それに加えて、
- このタスクを始めるために何が必要か?
- どのタスクやチームに依存しているか?
- 誰が判断・承認するのか?
- 今、誰のボールになっているのか?
- 何をもって完了とするのか?
まで確認するようにしています。
これによって、単純な「担当者の進捗」では見えなかったボトルネックを早めに発見できます。
「担当者を決める」はスタート地点
タスクに担当者を設定すると、「これで管理できた」と考えてしまいがちです。
しかし、担当者を決めることはゴールではなく、タスクを動かすためのスタート地点です。
重要なのは、その担当者が実際に作業を進められる環境が整っているかどうかです。
例えば、
- 必要な情報がある
- 依存関係が整理されている
- 判断者が明確になっている
- 必要な権限がある
- 完了条件が明確になっている
この状態まで整理されて、初めて「タスクが動かせる状態」と言えるのではないでしょうか。
まとめ
「担当者は決まっているのに、タスクが終わらない。」
そんなとき、最初から担当者の能力や進め方を疑う必要はありません。
まず確認したいのは、その人がタスクを進められる状態になっているかです。
WBSに担当者の名前が入っていても、
- 情報がない
- 他チーム待ちになっている
- 判断者がいない
- 権限がない
- 完了条件が曖昧
という状態なら、タスクは進みません。
PMOにとって大切なのは、「誰がやるか」を管理することだけではありません。
「誰がやる?」の次に、「何が必要?」と確認する。
この視点を持つだけでも、WBSから見えにくいプロジェクトのボトルネックを早期に発見できるようになります。
所属会社(エンジニア積極採用中)
ITエンジニアに、IT業界に貢献する企業
株式会社ONE WEDGE
株式会社ONE WEDGEは、Webシステム開発・SES・AI/DX支援を行うIT企業です。生成AIを活用した業務効率化や次世代システム開発にも注力しており、企業の課題解決だけでなく、エンジニア一人ひとりの成長にも本気で向き合っています。また、技術は「一人で学ぶもの」ではなく「仲間と成長するもの」と考え、社内外でのコミュニティづくりにも力を入れています。