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AIにコードを任せて、私たちはどこへ向かうのか

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ここ最近、開発の現場でバイブコードという言葉をよく耳にするようになった。雰囲気で指示を出せばAIがそれなりのコードを出力してくれる。そんな時代がもう目の前というか、すでに足元まで来ている。海外のブログでソフトウェア開発者のアーロン・ブレトホルスト氏が「これからの本当の防壁は業界知識だ」と主張して話題になっていた。Anthropicのハッカソンでも受賞者の大半がソフトウェアのリリース経験がない人たちだったというニュースを見て、いよいよ実感が湧いてきた。きれいなコードを書く技術やフレームワークの最新仕様を追いかける体力の価値が、ものすごい勢いで民主化されている。じゃあこれからのエンジニアの価値、あるいは人間が作る意味ってどこに残るんだろう。その答えは結局のところ、現実の泥臭さと向き合う力にある気がしている。

  1. 民主化される書き方と、変わらない現場のリアル
    AIは与えられたお題に対して完璧なコードを返してくれる。けれど、そもそも何が本当の課題(ペイン)なのかを自分で見つけることはできない。現場で一見無駄に見える作業がなぜ残っているのか、その裏にある法規制やリスク管理の文脈、人間の感情の機微までは読み解けない。どれだけコードの生成コストがゼロに近づいても、現実世界の解像度が低ければ出来上がるのは的外れなシステムでしかない。
  2. 最後に残る2つの人間味
    これからの開発環境で私たちが投資すべきなのはプログラミング言語の構文ではなく次の2つの能力だと思う。
    現実を観察し、何が本当のペインかを見抜く能力
    そのペインをAIが誤解なく動ける論理的な言葉へ翻訳する能力
    なんとなく不便だから直して、ではAIは動かない。業務の構造を深く理解し、どんな条件で、どんなルールが適用されるべきかをロジックとして解きほぐし、AIに語りかける。かつて私たちが仕様を詰めていた時の、あの緻密な思考そのものだ。
    プログラミング言語や新しいツールを必死に覚えたあの頃のように、これからは自分が関わる業界の仕組みや目の前のユーザーの不条理を徹底的に学ぶ。どう書くか(How)をAIに委ねられるようになったからこそ、私たちは何を作るか(What)、そしてなぜ作るか(Why)という、ものづくりの原点にようやく集中できるようになったのかもしれない。
    コードはAIに任せればいい。
    私たちは現実の痛みに耳を澄ませよう。
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