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【Vue.js】watchでdeep: trueを設定するとnewValとoldValが同じになる問題

Last updated at Posted at 2023-03-29

はじめに

Vue.js(Composition API)では、watch関数を使用することで、リアクティブな状態の一部が変更されるたびにコールバックを実行することができます。

const a = ref(0)

watch(a, (newVal, oldVal) => {
  console.log(newVal, oldVal)
})

コールバック関数の第一引数(newVal)には、変更後のaの値が入り、第二引数(oldVal)には変更前のaの値が入ります。

つまり、上記のリアクティブな値a1を代入した場合、newValには1が入り、oldValには0が入ることになります。

本題

リアクティブなオブジェクトをwatchで監視する場合、下記のようになります。

const obj = ref({ a: 1, b: 2 })

watch(
  obj,
  (newVal, oldVal) => {
    console.log(newVal === oldVal);
    // => true
  },
  { deep: true }
);

deep: trueをつけることで、オブジェクトのプロパティの変更時にも、watchが変更を検知してくれるようになります。

しかしここで問題があります。

リアクティブなオブジェクトをwatchで監視する場合、コールバック関数の引数である、newValoldValの値が同じになってしまいます。

つまり、上記でobjのプロパティa3を代入した場合、newValoldValの値はどちらも{ a: 3, b: 2 }になります。(どちらもnewValの値になる)

原因として、JavaScriptではオブジェクト型の場合、プリミティブ型と違って値自体ではなく、参照をコピーするため、結果的に同じオブジェクトを参照するからです。

解決方法

解決方法としては、スプレッド構文で別の参照のオブジェクトをつくり、その値を返すgetter関数をwatchの第一引数に指定することです。

const obj = ref({ a: 1, b: 2 })

watch(
  () => ({ ...obj.value }),
  (newVal, oldVal) => {
    console.log(newVal === oldVal);
    // => false
  },
  { deep: true }
);

スプレッド構文を使うことで、オブジェクトを展開できるため、別の参照のオブジェクトをつくることができます。

1点注意点なのが、スプレット構文はディープコピーではなくシャローコピーになるので、階層の深いオブジェクトの場合は、一旦JSONにして戻したり、structuredCloneやlodashのcloneDeepを使ってディープコピーで別の参照のオブジェクトを作る必要があります。

import { cloneDeep } from "lodash";

const obj = ref({ a: 1, b: { c: 1 } })

watch(
  () => ({ ...obj.value }),
  (newVal, oldVal) => {
    console.log(newVal.b === oldVal.b);
    // => true
  },
  { deep: true }
);

watch(
  () => cloneDeep(obj.value),
  (newVal, oldVal) => {
    console.log(newVal.b === oldVal.b);
    // => false
  },
  { deep: true }
);

続いて、下記のようにオブジェクトのみを返すアロー関数の場合、カッコ()で囲むことで、returnと外側の中括弧{}を省略することができます。

// 省略なし
() => { return { ...obj.value }}

// 省略
() => ({ ...obj.value })

そして、watchではリアクティブなデータソースであれば、第一引数には下記の4パターンで定義することができます。

  • refやcomputed
  • リアクティブなオブジェクト
  • 値を返すgetter関数
  • 上記3つのいずれかの配列
const x = ref(0)
const y = ref(0)
const obj = ref({ a: 1, b: 2 })

// refやcomputed
watch(x, () => {
// 処理
})

// リアクティブなオブジェクト
watch(obj, () => {
// 処理
})

// 値を返すgetter関数
watch(
  () => x.value + y.value,
  () => {
// 処理
  }
)

// 複数ソースの配列
watch(
  [x, y, obj, () => x.value + y.value],
  () => {
// 処理
})

値を返すgetter関数を使う場合、ウォッチャーはgetter関数の戻り値が変更されたときだけ起動します。

そのため別の参照のオブジェクトをgetter関数で返すことで、newValoldValで別々の値がとれるようになります。

最後にもう一度完成コードを載せておきます。

const obj = ref({ a: 1, b: 2 })

watch(
  () => ({ ...obj.value }),
  (newVal, oldVal) => {
    console.log(newVal, oldVal);
  },
  { deep: true }
);

もっと良い方法や間違いなどあればご指摘いただけると幸いです。

参考

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