こんにちは。NetAppの渡辺です。NetAppアドベントカレンダー10日目の記事になります。
「ONTAP SELECT」とは、NetAppストレージ製品に搭載されるONTAPと呼ばれるストレージソフトウェアをお客様が保有する仮想環境(VMware)上で構成できる製品になります。
今回はそんなONTAP Selectを利用するために必要となるONTAP Select Deploy仮想マシンと呼ばれるコンポーネントの構成までを記載します。
順次以下のようなコンテンツを公開予定です。
- ストレージノードの作成 (シングルノード)
- ONTAP Select構築の完全自動化
- CLI編
- Ansible 編
- REST API 編
- 2ノードクラスタ(高可用性環境)の構成
- Mediatorの構成について
はじめに
本記事の内容は以下となっており、2022/12/08時点の情報で記載しています。
- ONTAP Select について
- ONTAP Select Deployのイメージ取得
- アカウント登録
- イメージダウンロード
- 仮想環境(VMware)へのONTAP Select Deployの作成
- ONTAP Select Deployの管理UIへのアクセス
- Web GUIへのアクセス
- API環境(Swagger)へのアクセス
ONTAP Select について
ONTAP Selectとは、NetAppが販売しているストレージアプライアンスである、AFF/FAS等のストレージシステムに搭載されたソフトウェアであるONTAPを仮想環境向けに最適化して提供している製品となります。
そのため、オンプレミスで長らく使われてきたNetAppのストレージの機能を仮想環境(VMware)でも構成できます。
ONTAP Selectで何をする?
私は、普段さまざまなONTAPのストレージ機能の検証に利用しています。
評価用ライセンスを利用してONTAPストレージ環境を複数作成することができるため、簡単に検証環境を構成できます。
本番利用ストレージの事前検証や動作の確認に非常に有効です。
REST API/AnsibleでのOperationにも対応しているため、省略化できる点も外せないところです。
詳細はドキュメント等も参照いただければと思います。
評価用ライセンスは期限があり90日までとなります。永続的に使えるものではありません。
ただし作成する、ストレージノード毎で評価期間が規定されるため、本記事のDeploy仮想マシンについては評価期間はありません。
構成の概要
仮想環境のコンポーネント含めた構成概要になります。
本番環境やポリシーによって構成が異なるかもしれませんが、なるべくシンプルな構成で記載しています。
今回はその中で、実際のストレージ(ストレージノード)を構成/管理するノードである、ONTAP Select Deploy仮想マシンを作成します。
やってみる
アカウント登録
netapp.comにアクセス
以下サイトにてNSS(NetApp Support Site)アカウントを作成いただきます。
https://www.netapp.com/ja/forms/90-day-trial-of-ontap-select/
作成済みの方は「Access Now」を選択して、次章(イメージのダウンロード)へすすんでください。
メールアドレスを入力
必要情報の入力
必要情報(名前/所属/住所/電話番号等)を入力します。
キャプチャは省略します。
認証メールので確認
登録アドレスに以下のような完了メールが送付されるため、確認してください。
10分-15分ほどかかりますので気長に待ちましょう。
件名: NetApp Support Site Login
from: NSSADMIN@netapp.com
本文
Please DO NOT REPLY to this email.
Your web registration request for access to our support website and/or our online user community has been successfully processed.
The new account access level will be reflected on the MyProfile page.
Please allow 4 hours after the receipt of this email for our system to reflect changes on your profile.
Username: <生成されたUserNameが記載>
E-mail Address: <登録メールアドレスが記載>
If you have forgotten your password, please go to Password Reminder.
To learn more about NetApp support, our welcome page will help you navigate to support resources, training and technical communities.
If you are receiving this email but did not register for a NetApp Support Site account, please contact us.
Thank You,
The NetApp Support Site Admin Team
NetApp Privacy Policy
ONTAP Select Deployイメージのダウンロード
ここから実際に必要なイメージの取得を実施します。
Downloadサイトへアクセス
以下サイトへアクセスしONTAP Select
を検索し、選択する。
https://mysupport.netapp.com/site/downloads
Download Versionを選択する
プルダウンから必要なバージョンを選択。
今回はRC版でなく9.11.1
を選択 (2022/12/9時点)
アカウント認証
前章で登録したアカウント、もしくはすでに登録済みのNSS(NetApp Support Site)アカウントを入力し認証する。
EULA 同意
暗号化技術輸出制限国の確認
本文中の制限に抵触しないか確認の上でDownloadします。
日本国内での利用の場合は輸出制限国ではないのでNon-Restricted Countries
を選択します。
3GB超のファイルになるので回線環境を確認の上で実行してください。
ONTAP Select Deployイメージのデプロイ
ダウンロードしたイメージを展開します。
前提条件
- 仮想環境
- ハイパーバイザー
- ESXiバージョン: 6.5以上
- CPU: Intel/AMD CPU 推奨(2GHz 4コア以上)
- メモリ: 16GB以上
- データストア:500GB以上 (SSD推奨)
- NIC Uplink: 10Gbps以上
- vCenterServer
- バージョン:6.5 以上
- ハイパーバイザー
- 環境要件
- vCenter/ESXi(Management)へのアクセス可能なネットワークセグメント
- ONTAP Deploy Serverにて1IPが必要
- 共通環境
- DNS
- vCenterやESXi等のホスト名もresolve可能なDNS
- NTP
- DNS
- vCenter/ESXi(Management)へのアクセス可能なネットワークセグメント
vCenterServerへアクセス
vCenterServer環境にログインします。
OVAイメージの展開が必要となるため、適切な権限を保有するアカウントを使用してください。
OVAのデプロイウィザードの実行
対象のリソースにてウィザード実行
対象のリソース(ESXi/クラスタ/仮想データセンター)にて実行
取得したOVAイメージを選択
仮想マシン名とイベントリを選択
作成するESXiもしくはクラスタを選択
イメージの概要確認
構成するデータストアの選択
ネットワーク(ポートグループ)の選択
管理/監視用セグメントに接続するポートグループを選択してください。
詳細パラメーターの入力
詳細のパラメーターを入力
- ONTAP Select Deploy Properties
- Administrator Password
- Produst Company
- Proxy URL *任意
- Networking
- IP Address
- NetMask
- Gateway
- Hostname
- Primary DNS
- Secondary DNS *任意
- SerchDomain *任意
パラメーター最終確認
確認して「Finish」で構成を開始、10-30分ほどでONTAP Select Deployサーバーが構成されます。
ONTAP Select Deploy へのアクセス
構成が無事完了したら、実際にアクセスしてみます。
Webコンソールへの初期ログイン
ブラウザにてログイン
https://OVAのデプロイ時に指定したアドレス
User: admin
Password: <OVA デプロイ時 指定したパスワード>
ライセンスの登録画面が表示されれば作成は完了です。
Swagger APIへのアクセス
ブラウザにてログイン
https://OVAのデプロイ時に指定したアドレス
/api/ui
Basic認証にて同様に認証情報を入力
User: admin
Password: <OVA デプロイ時に指定したパスワード>
今回はここまで
おわりに
ストレージノードを作成するDeployサーバーが構成できました。
長くなってしまいますので今回はここまでになります。
次回以降で実際のストレージノードの作成についてまとめていきたいと思います。
今年中に公開予定です。
引き続きアドベントカレンダーをお楽しみください。
参考リンク
- ONTAP Select 公式ドキュメント
- NetApp AFF/FASの紹介