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BigQueryでの複雑なJSON文字列の扱い方と注意点

Last updated at Posted at 2019-04-26

目的

  • サービスのDBからBigQueryにimport された複雑なJSON文字列を含むデータがある
  • それを利用して分析したい

※JSON文字列はスキャン量が増えるので、本当はimport する前に前処理してほしいが、全部前処理されてるわけではない

サンプルデータ

下記のようなJSONを含むテーブルです

{  
   "a":1,
   "b":"bb",
   "c":[  
      1,
      2
   ],
   "d":null,
   "e":{  
      "f":1,
      "g":"gg"
   }
}

このJSONをBigQuery上では以下のように扱おうとしています。

カラム名
a int64 1
b string "1"
c array [1,2]
d int64 null
e struct(f, g)
f int 1
g string "gg"

BigQuery 上では以下のようなテーブルになっているとします。

with t as (
  select
    '{"a": 1, "b": "bb", "c": [1,2], "d": null, "e": {"f": 1, "g": "gg"}}' as col_1
)
select
  col_1
from t

利用する関数

  • json_extract, json_extract_scalar で値を取り出す
  • ユーザー定義関数(Javascript) + JSON.parse で値を取り出す
  • unnest によるJSON配列展開

json_extract, json_extract_scalar で値を取り出す

with t as (
  select
    '{"a": 1, "b": "bb", "c": [1,2], "d": null, "e": {"f": 1, "g": "gg"}}' as col_1
)
select
  json_extract(col_1, '$.a') as a
  , json_extract(col_1, '$.b') as b
  , json_extract_scalar(col_1, '$.b') as b_scalar
  , json_extract(col_1, '$.c') as c
  , json_extract(col_1, '$.c[1]') as c_1
  , json_extract(col_1, '$.d') as d
  , json_extract(col_1, '$.e.f') as e_f
from t

image.png

  • 各値にアクセスできた
  • 文字列はjson_extract_scalar でないとクォートされたままになる

取り出した値の型

  • あくまで文字列から文字列を取り出した状態
  • つまり string 型
  • 数値は cast してあげる必要がある
    • cast できない値が混入する場合があるので注意
select
  -- error: json_extract(col_1, '$.a') = 1
  cast(json_extract(col_1, '$.a') as int64) = 1 as int_a
from t

image.png

ユーザー定義関数(Javascript) + JSON.parse で値を取り出す

json_extract以外での扱う方法として ユーザー定義関数を利用する方法があります。利点は

  • 型を定義できるので、文字列以外を返すことができる
    • 必要ないデータがある場合は、定義に含めなければよい
  • クエリ本体の見通しが良い
create temporary function parse_json(s string)
returns struct<
  a int64
  , b string
  , c array<int64>
  -- 除外, d int64
  , e struct<
    f int64
    , g string
  >
>
language js
as """
  return JSON.parse(s);
""";
select
  parse_json(col_1) as j
  , parse_json(col_1).*
from t

image.png

関数から戻った値はstruct なので用途に応じて展開する必要があるので注意する。

また、JSON系関数で十分であれば必要ないのでJavaScript UDFのベストプラクティス にしたがってパフォーマンスに注意する。

BigQueryでの型とJavaScriptでの型の互換性

JavaScript での SQL 型エンコーディング で以下のように説明されています。

SQL 型には JavaScript 型への直接マッピングが用意されているものと、用意されていないものがあります。

JavaScript は 64 ビット整数型をサポートしていないため、INT64 は JavaScript UDF の入力データ型または出力データ型でサポートされません。代わりに、FLOAT64 を使用して整数値を数値として表すか、STRING を使用して整数値を文字列として表します。

具体的には、

  • RDBでBigIntであるIDはBigQuery JSONにおいて string として扱わないと、値が異なってしまい結合条件として使えない
  • stringとしてJSON parse したあと、他のテーブルではInt64としてデータを持っているならば、結合前にcastする必要がある

unnest によるJSON配列展開

ユーザー定義関数(Javascript) + JSON.parseがどうしても必要になったのはJSONの一番外側が配列のときです。

サンプルデータのJSONが配列に含まれているとします。

[
  sample_date_json,
  sample_date_json
]

このときの問題点としては以下のようなものがあります。

  • json_extract では何回も記述が必要である
  • 配列の要素数が固定であればよいが、可変である場合クエリとして表現できない

JSON配列の展開

create temporary function parse_json(s string)
returns array<struct<
  a int64
  , b string
  , c array<int64>
  , d int64
  , e struct<
    f int64
    , g string
  >
>>
language js
as """
  return JSON.parse(s);
""";
with t2 as (
  select
    '[{"a": 1, "b": "bb", "c": [1,2], "d": null, "e": {"f": 1, "g": "gg"}}, {"a": 1, "b": "bb", "c": [1,2], "d": null, "e": {"f": 1, "g": "gg"}}]' as col_2
)
select
  parse_json(col_2) as j
from t2

image.png

クエリの変更点は以下の2点

  • ユーザー定義関数で返す型を変更
  • サンプルデータの変更

配列の行展開

このままでは1行に配列が含まれたままで扱いにくいので、unnest を使って対応します。

create temporary function parse_json(s string)
returns array<struct<
  a int64
  , b string
  , c array<int64>
  , d int64
  , e struct<
    f int64
    , g string
  >
>>
language js
as """
  return JSON.parse(s);
""";
select
  j.*
from t2
  cross join unnest(parse_json(t2.col_2)) as j

image.png

結果が2行になり、扱いやすくなりました

まとめ

  • BigQueryでJSONを扱える
  • 複雑でないものは json_extract で対応できる
    • 文字列はjson_extract_scalar で対応する
  • ユーザー定義関数(JavaScript)でParseできる
  • 上記とunnest によって、可変長の配列にも対応できる

参考

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