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【実録】LLMを導入してエンジニア3人をクビにした話

Last updated at Posted at 2025-11-28

自己紹介

はじめまして斎藤と申します。元NTTデータ人事→ベンチャーでエンジニア→ シリコンバレーで人事マネージャ をしています。シリコンバレーの10年後が日本のトレンドといいますが、最近ではその時差もどんどん埋まってきています。2026年の日本トレンドだと思って読んでもらえると嬉しいです。

ついに始まった「LLM解雇」

我が社でLLM(大規模言語モデル)を本格導入した結果、エンジニア4人のうち3人をクビにし、1人だけをキープするという苦しい判断をしました。

クビになった3人のエンジニアと残った1人のエンジニア。その差はなんだと思いますか?少し考えてみてください。

具体的なイメージを持ってもらうために、実際の4人のプロフィールを紹介します。

  • エンジニア1人目: LLMにとても詳しい。「このモデルは〜」「このプロンプトテクニックは〜」と技術トレンドには敏感。
  • エンジニア2人目: 社内でLLM導入を強く推進してくれた旗振り役。PoCや社内勉強会も主導してきた人。
  • エンジニア3人目: コードスキルは正直そこまで高くないが、周囲とのコミュニケーションがうまく、場を回すのが得意。
  • エンジニア4人目: LLMには詳しくないが、学習意欲が高く、黙々と自習を続けるタイプ。どちらかというと無口。

さて、どのエンジニアがクビにならなかったと思いますか?

正解は4人目、どちらかと言うと無口だが、学習意欲が高かったエンジニアです。逆にLLMに詳しいエンジニアや陽キャなエンジニアはクビになりました。なぜなのか?それは

LLMの使い方はLLMに聞けばいい

ということです。我が社の事例を使って具体的に話しますね。

我が社の現在のLLMワークフローは下記です。セキュリティ上の理由から一部改変しています。

LLM活用ワークフロー

まず前提として、うちの会社ではLLMを「GitHub Actions+社内Wiki+AWS+Supabase」のような構成で使っています。

ざっくりした構成図イメージはこんな感じです。

 Biz要件        社内Wiki              GitHub            LLM API           AWS / Supabase
(プロダクト)   (Notion/Confluence)  (Issues/Actions) (Claude/Gemini等) (本番/ログ基盤)
	|                |                   |                  |                     |
	| 1. ざっくり要望|                   |                  |                     |
	+--------------->| 要件テンプレ化   |                  |                     |
					 |----------------->| Issue化          |                     |
					 |                  |                  |                     |
					 |                  |---- push ------->|                     |
					 |                  | (Actions起動)    |                     |
					 |                  |----------------------> プロンプト送信   |
					 |                  |                  |-- 設計/コード案 -->|
					 |                  |<---- PRドラフト / コメント -----------|
					 |                  |                  |                     |
					 |                  |   マージ          |                     |
					 |                  |------------------------------> デプロイ  |
					 |                  |                  |                     v
					 |                  |                  |              メトリクス/ログ
					 |                  |                  |                     |
					 |<----------------------------- LLMレポートBot(Slack通知)--+

この構成、どうやって考えたと思いますか?LLMが得意なエンジニアが設計した…わけじゃなりません。Gemini,GPT,Claudeの深層モデルに社内wikiをそのまま読ませて、最適を作りました。

そう、LLM時代にLLMに詳しいだけのエンジニアはいらないんです。ここが他のエンジニアスキルとLLMの違いで、LLMは非エンジニアも使えるということ。

生き残ったエンジニアには、コミュ力 がありました。ここでいうコミュ力とは

飲み会で盛り上げる力
初対面でもすぐ友達になれる陽キャ力
…のようなものではありません。
むしろ彼は、静かに淡々と話すタイプのエンジニアでした。このエンジニアが持っていたコミュニケーションスキルとは

LLMとのコミュ力(対AIコミュニケーション能力)
他のレイヤーとも話せる能力+わかりやすく言語化する力

ビジネスサイド、デザイナー、インフラ、セキュリティ、経営層など、異なるレイヤーの人たちと会話のチャンネルを持っている。

実はこのエンジニアも、最初は全然コミュ力がありませんでした。 もちろんエンジニアなので、それでも仕事はできたんですが、社内研修を通じて、後から身につけていきました。

クビになるエンジニアの特徴

逆に言うと、クビになった3人は次のようなタイプです。

LLMの新機能やモデルの違いには詳しいが、現場の人たちに伝わる言葉に翻訳できない。
「このプロンプトだと精度が〜」と技術的には正しい話をしているが、ビジネスサイドからすると「で、結局どうなるの?」がわからない。
LLMとは深く対話しているが、人間との対話を避けている。
AIそのものへの理解は深くても、
「LLM ⇔ 人間社会」のインターフェースとして機能していなかったのです。

↑あなたのプロジェクトにもいますよね。正直いけ好かないエンジニア。安心してください。みんなクビになります。


少し長いので分割します。次の記事では、
「AI時代に求められるコミュ力」 を、もっと具体的に分解して解説します。

「とりあえずCladeやGeminiを使っていればクビにはならないだろう」
と考えている人には、かなり耳の痛い内容になると思います。危機感をもった方のみ、次の記事を読んでください。

👉 次の記事:AI時代に求められる「コミュ力」をインストールする方法(明日公開)

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