先日、AWSのEC2にPython3をインストールする機会がありました。
その時に「AWS EC2 Python3」でGoogle検索したのですが、検索結果の上位に表示されたページの情報がいまいちでした。
具体的には、
- pyenv
- virtualenv
を使ってPython3の仮想環境を用意する方法が紹介されていましたが、 Python3の仮想環境を用意する方法は特別な事情がない限りはvenv
を使うべきです。
また、Python3をアプリ開発やデータ分析でガッツリ使う場合を除いては、そもそも仮想環境を用意する必要はないと思います。
Python3の仮想環境を用意する方法としてvenv
を使う理由は、Pythonの公式ドキュメントで推奨されている唯一の方法だからです。
pyenv
を避けるべき理由はこの記事に詳しく書かれているので、興味のある方はこちらをご覧下さい。
また、AWSの公式ドキュメントではvirtualenv
を使った方法が紹介されていますが、virtualenv
がvenv
としてPythonの中に正式に取り込まれたPython3.3以降においては積極的に使う理由はないと思います。
ということで、改めてAWSのEC2にPython3をインストール方法を紹介したいと思います。と言っても、Pythonの公式ドキュメントで紹介されている方法に従うだけですが…。
前提
- OS
- Amazon Linux 2 AMI
- デフォルトではPython2系のみインストールされている
- インスタンスタイプ
- t2.micro
手順
-
OSのシステムにPython3をインストール
$ sudo yum update $ sudo yum install python3 -y
Pythonを使う機会は限られており、Python本体やパッケージのバージョン管理が必要ない場合はこれで十分だと思います。
一方、アプリ開発でそれ専用のバージョン管理をしたい場合や、データ分析で専用の環境を用意したい場合などは仮想環境の出番です。 -
venvを使って仮想環境のPython3をインストール
$ python3 -m venv myenv
上記のコマンドをホームディレクトリで実行すると、ホームディレクトリ配下に
myenv
というディレクトリが作成されます。myenv
という名前は好きなように変更して構いません。 -
Python3の仮想環境を有効化
$ source myenv/bin/activate
上記のコマンドを実行すると、Python3の仮想環境が有効化されます。
-
Python3の仮想環境を無効化
$ deactivate
Python3の仮想環境を抜けたい場合は上記のコマンドを実行するだけです。また、環境をまるっと削除したい場合は
myenv
ディレクトリを削除すればOKです。
最後に
AWSのEC2にPython3をインストールする方法を紹介しましたが、少なくともLinux系のOSではそのまま当てはまる話しだと思います。
Pythonをほとんど使わない人はOSのシステムにインストールしたPython3を、Pythonをガッツリ使う人はvenv
を使って作成したPython3の仮想環境を使うと覚えておいて下さい。