1. AWS Storage Gatewayの概要
AWS Storage Gatewayは、オンプレミス環境とAWSクラウドストレージをシームレスに統合するためのハイブリッドストレージサービスです。主に以下の3つのゲートウェイタイプが提供されています。
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File Gateway
- NFS/SMBを介してS3バケットをマウントし、オブジェクトストレージとして利用可能。
- 主な用途:
- オンプレミスのデータをS3にバックアップ・アーカイブ
- ビッグデータ分析のためのデータ収集
- クラウドネイティブアプリケーションのストレージ
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連携例:
- Amazon S3: データをS3に保存し、ライフサイクルポリシーでGlacierへアーカイブ
- Amazon Athena: S3上のデータをSQLで直接クエリ
- AWS Lambda: S3イベントをトリガーしてデータ処理を自動化
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Volume Gateway
- iSCSIベースの仮想ストレージを提供し、ブロックストレージとしてAWSにバックアップ可能。
- 動作モード:
- Cached Mode: 頻繁にアクセスするデータをオンプレミスにキャッシュし、AWS上のEBS Snapshotsと連携
- Stored Mode: すべてのデータをオンプレミスに保存し、AWSにはスナップショットとしてバックアップ
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連携例:
- Amazon EBS: EBSスナップショットを作成し、EC2インスタンスでリストア
- AWS Backup: 自動スナップショット管理でデータ保護
- Amazon EC2: 物理サーバのディスクをEBSスナップショットからリストアし、クラウド移行を実施
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Tape Gateway
- 仮想テープライブラリ (VTL) をエミュレートし、AWSにデータを保存するバックアップソリューション。
- 主な用途:
- 既存のバックアップアプリケーション（Veeam, Commvault, NetBackupなど）と連携してクラウドへバックアップ
- オンプレミスの古い物理テープライブラリの置き換え
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連携例:
- Amazon S3 Glacier/Glacier Deep Archive: 長期保存コストを削減
- AWS Backup: バックアップのライフサイクル管理
- AWS Snowball: 大量のアーカイブデータを高速移行
2. 他のAWSサービスとの連携例
| AWSサービス | 連携内容 |
|---|---|
| Amazon S3 | File Gatewayを使用してNFS/SMB経由でS3にデータを保存し、オブジェクトストレージとして活用 |
| Amazon S3 Glacier | Tape Gatewayで仮想テープとしてバックアップし、長期アーカイブを実現 |
| Amazon EC2 | Volume Gatewayのスナップショットを使い、EC2にディスクをリストア |
| AWS Backup | Volume Gatewayと統合して、EBSスナップショットの管理やVTLバックアップを簡素化 |
| AWS Lambda | File GatewayでS3に保存されたデータの変更をイベントトリガーとして処理 |
| Amazon Athena | File Gateway経由でS3に保存されたログファイルやCSVデータをSQLで分析 |
| AWS Snowball | Tape GatewayのデータをAWSに移行する際に大量データ転送を高速化 |
3. 具体的なユースケース
構成図
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オンプレミスのファイルサーバをクラウドストレージ化（File Gateway + S3）
企業のファイルサーバをS3に統合し、オンプレのストレージ負荷を削減。S3のライフサイクル管理で自動アーカイブも可能。
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データの災害対策（Volume Gateway + AWS Backup）
オンプレのブロックストレージをVolume Gatewayでバックアップし、AWS Backupで定期的にスナップショットを取得することで、災害復旧環境を実現。
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物理テープをクラウドへ移行（Tape Gateway + Glacier）
物理テープをTape Gatewayで仮想化し、S3 Glacierへ移行することで、従来のテープ保管コストや管理の負担を削減。
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AI/MLデータの収集（File Gateway + S3 + SageMaker）
工場のセンサーや監視カメラのデータをFile Gateway経由でS3にアップロードし、SageMakerで機械学習モデルを訓練。
AWS Storage Gatewayを利用することで、オンプレ環境とAWSクラウドの統合がスムーズに進み、データの可用性・耐久性を高めながら運用コストの最適化が可能になります。