第1回 KPMGジャパン 秘密計算ハッカソン に運営側として参加した結果や感想のレポート。
## 概要
今回、KPMGジャパン様が主催の(日本ではおそらく初めて)秘密計算ハッカソンに、協賛社のうちの1つ、EAGLYS株式会社として参加して来ました!
他の協賛は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)様、三菱地所株式会社様、株式会社エルテス様でした。
11月7日、8日の二日間の日程で行われ、平日の開催にも関わらず多くの方にご参加いただき大変盛り上がりました!!
目的
もともと、
- 秘密計算という暗号技術を用いた計算手法をもっと多くの人に知ってもらいたい!
- どのような場面で秘密計算が活きるか、ビジネスをしている人、エンジニアの人、学生など様々な人を集めてユースケースをみんなで考えたい!
- 技術者の人に、実際に秘密計算を用いたコードを書いてもらい、どのように秘密計算が行われるか感じてもらいたい!
というような思いから開催されたこのハッカソン。
その日本初の秘密計算ハッカソンに、EAGLYSよりオープンソースライブラリを用いたチュートリアルコードおよび、ユースケース例とそのデモコードを提供しました。
興味のある方は、he-hackathon-2019にデモコードが上がっていますのでご覧ください。
レポート(感想)
簡単に自分が楽しかったことや、考えたことをまとめます。
- 社会人、大学生の全6チーム25名ほどの参加者が集まり、それぞれユースケースからデモコードの作成など、素晴らしい出来栄えだった。成果物発表のプレゼンテーションでは各チームが熱意あるプレゼンで審査員からも質問が飛び、いいディスカッションが起こっていた。
- KPMGの方の司会進行がおもしろく、いい感じにみんなの緊張が解けて楽しい雰囲気でハッカソンが行えてよかった。
- KPMGのスタッフの皆さんのホスピタリティが素晴らしかった。飲み物や食べ物の準備、当日の進行など、ハッカソンが円滑に進むための素晴らしい運営をして頂いた。
- NICTの準同型暗号研究者様より貴重な講義をいただいた。秘密計算を全く知らない人でもわかる内容であったため、初学者にはとても有益な講義だったと思うし、知識のある人は後ほど個人的にディスカッションをしたりと、高いレベルでの議論も行われ大変刺激的だった。
結果
審査の結果、
- 優勝「秘密計算を用いて電子投票を行う」
- 三菱地所賞「脈拍を用いた異常検知での秘密計算利用」
- 特別賞「デートマッチングサイトの画像特徴量を秘密計算で行う」
この3つのアイディア、およびデモを作ったチームが表彰された。
他のチームも僅差であり、「秘匿したデータを業界で共有し、異常検知モデルを秘密計算する」、「秘匿化した成績データから進路診断を行う」、「養育費計算の際の秘密計算利用」など、とてもおもしろいユースケースの発表があった。
まとめ
秘密計算を初めて触った人が多かったと思うが、アイディアからコードの完成度まで、2日で仕上げたとは思えないほどの成果物を見せていただき、とても充実した2日間になったなあと思う。
成果物に関しても同じようにgit管理して、これからもっと精査したり、新しいコードを更新したりする秘密計算領域の日本のオープンコミュニティが作れるように頑張りたいと思う。
参加者の皆さん、運営の皆さん、2日間お疲れ様でした!!