AWS Deep Cuts の GitHub はこちらです。
https://github.com/AWS-Deep-Cuts/AWS-Deep-Cuts
AWS Deep Cutsとは?
AWS Deep Cutsは、AWS の最新のサービスやニッチな機能、または高度にアカデミックな知識を要求するサービスなど、多くの人が知らない 『隠れた名曲 = Deep Cuts』 を深くまで掘り下げる技術シリーズです。
このようなサービスはWeb情報も少なく、初学者は気軽にキャッチアップできないのが実情です。
そこで AWS Deep Cuts シリーズでは、前提知識も含めた分かりやすいサービス解説 と 手順通りに進めれば誰でも再現できるハンズオン を提供します!
AWS Local Zonesとは?
AWS Local Zones とは、EC2やEBSなど一部のAWSサービスをよりエンドユーザーに近い場所でデプロイできるAWSインフラストラクチャです。オンラインゲームやライブストリーミングなど、1桁ミリ秒の超低レイテンシーが求められるアプリケーションに利用されています。
AWS Local Zonesは2026年6月時点で、世界中に35拠点存在します。これらはリージョンを主要都市まで「拡張」したものという扱いになっていて、例えばホノルル Local Zonesは親リージョンがus-west-2(オレゴン)にあたるため、us-west-2-hnl-1a と表記されます。
ちなみに日本には Local Zonesが存在しないため、Local Zonesの低レイテンシーを実体験する機会は中々ないかと思います。AWS re:Invent などで海外へ行く際にぜひ試してみてください!
AWS Local Zonesの特徴
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親リージョンの拡張
Local Zone は独立したリージョンではなく、親リージョンの VPC を拡張する形で利用します。既存の API・ツール・セキュリティモデルをそのまま使えます。 -
ローカルなインターネット接続
Local Zone は独自のインターネットゲートウェイを持ち、インターネットトラフィックは親リージョンを経由せず、Local Zone から直接出入りします。これにより、Local Zone 近くのユーザーは低レイテンシーで通信できます。 -
オプトイン方式
Local Zone はデフォルトでは無効です。利用するには明示的にオプトイン(有効化)する必要があります。 -
利用可能サービスの制限
EC2、EBS、ELB、ECS、EKS など一部のサービスのみ利用可能です。S3 や DynamoDB のようなリージョナルサービスは Local Zone には配置されず、親リージョンのエンドポイントを使います。 -
世界各地に展開
北米・南米・ヨーロッパ・アジア太平洋・中東・アフリカの都市に展開されています。
本ハンズオンでのレイテンシ測定について
今回のハンズオンでは、ホノルル Local Zone(us-west-2-hnl-1a)とその親リージョンであるオレゴン(us-west-2)にEC2を作成し、ホノルルからのレイテンシを計測します。
ホノルルからの計測
ホノルルから各EC2への通信路は以下のようになります。
- ホノルルからホノルル Local Zone への通信は、親リージョンを経由せずホノルル市内で完結する
- ホノルルからオレゴンへの通信は、太平洋の海底ケーブルを通過する
上記の理由から、ホノルル Local Zones への通信の方が、us-west-2 EC2への通信よりもレイテンシが低くなります。
ちなみに私の測定では、以下のような結果になりました。
- ワイキキのホテル -> ホノルル Local Zones : 27 ms
- ホテルのWiFiを利用したためか、1桁ミリ秒は体験することが出来ませんでした
- ワイキキのホテル -> us-west-2 : 147 ms
参考)東京からの計測結果
東京からホノルル(約6,200km)は、東京からオレゴン(約8,000km)より直線上の距離は短いです。
しかしレイテンシはインターネット上の通信経路に大きく依存するため、実際に測定してみないとどちらが早いか分かりません。(例えば、仮に日本からホノルルへ直通の海底ケーブルが存在しなければ、別の拠点を経由する必要が発生し、実際の通信経路が長くなります)
なお実際に私が測定したところ、以下のような結果になりました。
- 東京の自宅 -> ホノルル Local Zones : 479 ms
- 東京の自宅 -> us-west-2 : 468 ms
ハンズオンはこちら!
まとめ
AWS Local Zones は、エンドユーザーの近くにワークロードを配置してレイテンシーを削減する仕組みで、親リージョンでは実現できない超低レイテンシーが可能となります。
海外に行く機会があれば、現地のAWS Local Zoneを利用して1桁ミリ秒レイテンシーを体感してみませんか?
参考文献