データ移行
データベース間の移行作業について解説します。ここでは、OracleからMySQLへのデータ移行の例を考えます。初めてデータ移行プロジェクトに取り組む方でも理解できるよう、基本的な知識と必要な手順を説明します。
移行手順の例
一般的な移行作業では以下の2つの手順が主に必要とされます。
- スキーマの作成
- データの移行
1.スキーマの作成
Oracleのテーブルから定義書を作成し、それを基にMySQL用のスキーマを定義します。データ型の変換や調整が必要な場合もあります。
2.データの移行
phpMyAdminやAdminerのツールを使い、CSVで移行元のデータをエクスポート、移行先にインポートするという手順があります。
データ移行時の一般的な問題点
以下にデータ移行時に出くわす可能性のある一般的な問題点をいくつか挙げますが、これらは一部の例であり、実際のところは移行するデータベースやアプリケーションの特性によります。
- 日付形式の変換: OracleとMySQLでは日付のデータ形式が異なるため、変換が必要です。
- DDL定義書の修正: Oracleでは問題ないものが、MySQLではエラーになる場合があります。
- 文字コードの問題: 異なるデータベース間での移行では、文字コードの違いが問題となることがあります。
- データの整合性: データベースのスキーマが異なる場合や、複数のテーブル間でリレーショナルデータが一貫していなければならない場合、データの整合性を見直すことがあります。
本来考慮するべき移行手順
前述の基本的な手順は、私が直面した具体的な問題とその解決策を示すためのもので、実際のプロジェクトでは、以下のようなより詳細な手順を考慮し、計画的に進めることが求められるはずです。
- データベースの評価と準備: 移行前には、移行元のデータベースの詳細な評価と準備が必要です。これには、データの整合性確認、データの量の確認、使用されている機能の確認などが含まれます。
- ツールの選択: 移行に用いるツールは、移行元と移行先のデータベースの種類、データの量、必要な移行速度などにより選択します。
- スキーマの移行: 移行元のデータベーススキーマを移行先のデータベースに適応する必要があります。これには、移行元と移行先のデータベース間で異なる可能性のあるデータ型の変換が含まれます。
- データの移行: スキーマの移行後、次にデータの移行を行います。この際、移行速度やデータの整合性を保つための戦略が必要です。
- ストアドプロシージャとビューの移行: ストアドプロシージャ、ビュー、トリガー、その他のデータベースオブジェクトの移行を行います。これらのオブジェクトはデータベース間で異なるため、変換が必要な場合があります。
- テスト: 移行が正しく行われたかを確認するために、機能テストやパフォーマンステストを行います。これには、アプリケーションが新しいデータベースで正しく動作すること、パフォーマンスが要求を満たすこと、等が含まれます。
- トラブルシューティングと最適化: テストの結果をもとに、必要な修正や最適化を行います。
- 本番環境への適用: すべてのテストが完了し、問題が解決したら、最後に本番環境に移行します。
データ移行ツール
移行作業をサポートするツールが数多く存在します。それぞれのツールは特性と利点がありますので、具体的な状況や要求に応じて選択することになります。
- スキーマ作成: SQL Developer、MySQL Workbench、AWS Schema Conversion Tool (AWS SCT)
- データ移行: SQL Developer、
Oracle Migration Workbench、AWS DMS (Amazon Web Services Database Migration Service)、phpMyAdmin、Adminer
参考リンク
以下に、本ガイド作成の参考となったリソースをリスト化します: