IBM Cloud の使用料を管理するため、使用料の見方や通知方法を調べてみました。これまでに分かったことをまとめます。
前提
使用料を管理するにあたって前提となる用語や考え方を以下に示します。
アカウント
IBM Cloud に登録すると、アカウントが払い出されます。アカウントには以下の3つの種類があり、課金方法等が異なります。
またアカウントと課金に関連して、IBM Cloudにはアカウントを階層化して請求を一元管理するエンタープライズという仕組みがあります。
この記事では以下の状況を前提とします。
- エンタープライズを利用しない従量課金アカウント
- 課金のタイプが以下のサービスの利用
- 固定(この記事では「月額課金サービス」と表記します)
- 従量制/段階制(この記事では「従量課金サービス」と表記します)
予約済みサービスはこの記事では取り上げません。課金のタイプについては「課金の仕組み」に記載されています。
請求対象期間
アカウント利用中は1ヶ月ごとに請求対象期間で区切られており、課金の集計や月額課金サービスの初月の利用料の計算に使われます。IBM Cloudコンソールの 「管理」 > 「請求および使用量」 でアカウントの現時点での請求対象期間を参照できます。
送り状と請求書
サービスの注文時や請求対象期間の終了後に送り状が作成されます。送り状のリストはIBM Cloudコンソールの 「管理」 > 「請求および使用量」 > 「送り状」 で参照できます。ただし、送り状の発行ごとに請求や支払いが発生するわけではありません。正式な請求書の発行 および 実際の支払いについて、方法やタイミングはアカウントにより異なる可能性があります。疑問がある場合はIBM Cloudの製品ガイドを参照するだけでなく、必要に応じてCaseの起票、Invoices@IBM、営業担当員等を経由して IBMサポートへ問い合わせることになります。
使用料の見方
プラットフォーム・サービスかクラシック・インフラストラクチャー・サービスかにより、使用料の見方が異なります。
プラットフォーム・サービス
プラットフォーム・サービスは、IAM対応サービスとほぼ同じ意味で使われます。「プラットフォーム」という言葉はPaaSを連想させますが、VPC(Virtual Private Cloud)も含まれています。
図1に示すように、IBM Cloudコンソールの 「管理」 > 「請求および使用量」 > 「使用量」 で参照できます。
- 「時間フレーム」を選択すると、請求対象期間ごとの使用料を参照できます。
- 「グループでフィルター」では、リソース・グループを複数選択可能であり、リソース・グループごとの使用料を参照できます。
- CSV形式で、サマリーとインスタンスの詳細をエクスポートできます。
このように、プラットフォーム・サービスの使用料の見方はシンプルです。
クラシック・インフラストラクチャー・サービス
上の図1で示した使用量のページで「プラットフォーム・サービスの使用量および請求情報を表示します」と注釈されている通り、クラシック・インフラストラクチャー・サービスの利用料の参照方法はプラットフォーム・サービスとは別であり、IBM Cloudコンソールの 「管理」 > 「請求および使用量」 > 「送り状」 で参照できます。
送り状にはタイプがありますが、その中で通常時発行される2つだけ以下に示します。
- 「繰り返し」タイプ
- 請求対象期間が終了するごとに発行されます。以下の使用料が項目に含まれます。
- 次の請求対象期間分の月額課金サービスの1ヶ月分の利用料。月額課金サービスを継続的に利用している場合、1つの請求対象期間の終了後に次の請求対象期間の利用料金が一括で課金され、繰り返しタイプの送り状に記載されます。
- 従量課金サービスの集計された利用料。
- 例えば請求対象期間が9月1日開始で10月1日終了の場合、10月1日の期間終了後に繰り返しタイプの送り状が発行されます。その送り状の中には以下の料金について記載され集計されます。
- 次の請求対象期間である10月1日開始で11月1日終了までの月額課金サービスの料金
- 9月1日開始で10月1日終了の請求対象期間中に利用された従量課金サービスの料金
- 送り状にプラットフォーム・サービスの項目が含まれることがあり、”Platform Service Plan”が項目名の始めに付いています。この部分は金額がゼロとなっているようですので、利用料の集計には影響しません。
- 請求対象期間が終了するごとに発行されます。以下の使用料が項目に含まれます。
- 「新規」タイプ
- サービスを注文した時に発行されます。以下の使用料が対象です。
- 月額課金サービスの利用料。サービスを注文してから請求対象期間終了までの日割計算された料金が一括で課金されます。
- 従量課金サービスの利用料。請求対象期間終了まで料金が確定しないため、金額はゼロで発行されます。APIのコール回数や帯域の使用など注文せずに課金対象になる項目は繰り返しタイプの送り状に記載されます。
- サービスを注文した時に発行されます。以下の使用料が対象です。
使用料の通知方法
IBMクラウドコンソールで 「管理」 > 「請求および使用量」ページで 「使用料の通知」のボックスにある「全て表示」をクリックすると図2に示す画面になり、通知を設定できます。
- 「事前設定の通知」で「合計アカウント使用料」の設定を編集して、アカウント全体の使用料に対する通知のしきい値を変更できます。
- 「サービスの通知」という設定もあります。アカウント内での特定のサービスの利用料をしきい値にして通知させるよう設定できます。
- 上記ともに、使用料がしきい値の80%、90%、100%に達するとEメールによる通知を受け取ることになります。(図3を参照)
「使用料の通知」には、クラシック・インフラストラクチャー・サービスのコストは含まれません。