エッジAIに求められる要件とは?
エッジAIは、クラウドに依存せず、デバイス上でAI処理を行う技術として注目されている。IoTやスマート家電、監視カメラ、産業機器など、さまざまな分野での応用が進む中で、エッジAIにはどのような要件が求められているのでしょうか?本記事では、エッジAIに求められる代表的な要件をまとめて解説します。
1. 低消費電力
まずは電力。とにかくエッジデバイスには大容量のバッテリーを載せることが難しい。
そのため、軽量かつ省電力であることが求められている。
- 多くのエッジデバイスはバッテリー駆動であり、省エネ性が重要
- 軽量化されたモデル(量子化・プルーニング)や専用ハードウェア(ASIC・FPGA)の利用が有効
2. リアルタイム処理
また、レイテンシが大きいと判断までに時間がかかってしまう。ある、入力に対して即時に応答をしてほしいことがエッジでは多いため、リアルタイム処理が必須。
- センサーデータ(カメラ・マイク・温度センサーなど)に対し、即時に推論を行う必要あり
- 通信を介さずに処理することで、レイテンシの大幅な削減が可能
3. コンパクトなモデルサイズ
エッジデバイスでは、実装されるメモリ容量が極めて小さい。例えば、ラズパイのzero 2Wとかでは512MBしかメモリ容量が載っていない。これらに大きなモデルを格納することは困難。
- デバイスのメモリやストレージには限りがあるため、モデルは軽量である必要あり
- 例:MobileNet、SqueezeNet、Tiny-YOLO などの軽量ニューラルネットワーク
4. 耐障害性・ロバスト性
当然ではあるが、障害が起こらないようにかなり冗長な設計も求められる。特に自動車などは一つのエラーが事故につながるため、物理的にも強くあるべきである。
- ネットワーク切断やセンサーノイズに強い、堅牢な動作が求められる
- クラウドに依存せず、現場で自律的に判断を下せることが重要
5. セキュリティとプライバシー
エッジデバイスはだれでもアクセスが容易なため、物理的にもソフト的にもセキュリティ対策は堅牢である必要がある。
- 個人情報や機密データをクラウドに送信せず、ローカルで処理できるのがエッジAIの利点
- 逆に、デバイス自体の改ざん防止や暗号化などの対策も求められます
6. 柔軟なアップデート
まぁ、ここはそうでもないかもだけど、自動車システムとかは今こんな感じのことが求められている。その他デバイスは分からないけど、プログラムに空きがあるなら必要。
- 現場で使い続けられるよう、ファームウェアやAIモデルのOTA(Over-the-Air)更新が必要
- モデルの再学習や最適化も、現場の要件に応じて柔軟に対応できる設計が求められる
7. コスト効率
この辺は普通にビジネス的に必要だよね。的な内容。
- 大量展開されるエッジデバイスでは、1台あたりのコストを抑えることが重要です。
- 汎用マイコンやRaspberry Piのような安価なデバイスとの相性が求められます。
おわりに
エッジAIは、限られたリソースの中でどれだけ効率的に、そして確実にAI推論を行えるかが鍵。これからのAI時代において、クラウドとエッジの役割分担がますます重要になってくる中、エッジAIの最適化は避けて通れないテーマ。
この記事で、言いたかったのは、いろいろ要件は必須だけど、その中でも技術的に絶対必要なのは、電力性能とモデルサイズ。これを両方達成しないと使い物にはならないかも。