はじめに
この記事では、関数の平行移動の直観的理解を、コンピュータマウスの仕組みを通して目指していきます。とくに、移動方向と式中での符号が反転されることについて、直観的理解を目指します。
関数の平行移動の式のおさらい
関数の平行移動について簡単におさらいします。
関数 $y = f(x)$ に対し、$x$方向に $+a$ 平行移動させた新しい関数は以下になる。
y = f(x - a)
$+a$ 平行移動するのに対し、式中では $-a$ となっていることに注意です。
なぜ符号が反転するのでしょうか...。
マウスの仕組みの簡単な解説
コンピュータマウスの仕組みを簡単に説明します。
ざっくりいうと流れは以下です。
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マウスの底面の小さなカメラから、静止画像をたくさん取得する
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直前にスキャンした画像とのズレからマウスの移動を検出する
具体的な例をみてみましょう。
スキャン画像が以下のようにかわったとします。星マークが左にずれています。
このスキャンになったということは、マウスはどのように動いたのでしょうか。
マウスの動きに対して、ズレは反対方向におこります。
関数の平行移動の直観的理解
ここで、関数の平行移動に戻りましょう。
関数 $y = f(x)$ に対し、$x$方向に $+a$ 平行移動させた新しい関数は以下。
y = f(x - a)
この符号反転が初見では理解しがたいかもしれませんが、先ほどのマウスのイメージをもつとよいかもしれません。
グラフがスキャン画像、座標平面をマウスに対応させてみてみます。
$-a$ は、グラフ(画像)ではなく、座標平面(マウス)に対して施されます。
すると、動いた後の座標平面(マウス)から見ると、グラフ(画像)は$+a$移動しているように見えます。
これが符号反転の直観的理解です。
おわりに
もしこの記事が、誰かの「関数の平行移動の直観的理解」を助けるものになったとしたら嬉しいです。
この記事は、「Nintendo Switch 2 のひみつ展」をプレイ中に思いつきました。というか、マウスの仕組みも知らなかったです。勉強にもなるおもしろいゲームでした。