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Windows 11 IoT Enterpriseのストレージ要件

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はじめに

 MicrosoftのWindowsに「最小ハードウェア要件(Minimum hardware requirements)」というものが定められてことをご存知の方は多いと思います。私もこれまでに数回取り上げました(この記事この記事)。

 これに関連して、Microsoftは今年(2024年)後半に投入予定のWindows 11 IoT Enterprise 24H2およびWindows 11 IoT Enterprise Long Term Servicing Channel (LTSC)について、それらの最小ハードウェア要件を発表しました[1]

 この記事ではストレージに焦点をあててその要件を見ていきたいと思います。

まとめ

  • ストレージ容量要件は、Windows 11 IoT Enterprise (24H2)が64 GB、Windows 11 IoT Enterprise LTSCが最低16 GB、推奨64 GB
  • Windows 11 IoT Enterprise LTSCはeMMCやSDカードまで含めた幅広いストレージドライブを対象としている
  • NANDフラッシュメモリがメディアであればやはり容量は大きいほうが信頼性を期待できる

ストレージ要件比較表

 まず、今回発表されたWindows 11 IoT EnterpriseおよびそのLTSCのハードウェア要件のうちストレージ容量要件を表1に示します。比較のために、素のWindows 11と、Windows 10 IoT Enterprise(LTSC含む)を示します。

表1:Windows OSストレージ容量要件比較表

ストレージ容量要件
Windows 10 IoT Enterprise(LTSC含む)[1] 20 GB(64bit環境)、16 GB(32bit環境)
Windows 11[2] 64 GB
Windows 11 IoT Enterprise (24H2)[1] 64 GB
Windows 11 IoT Enterprise LTSC[1] 最低16 GB、推奨64 GB

 表1を見ると、MicrosoftとしてはWindows 11での基本ストレージ容量を64 GBにしたいらしいことが読み取れます。

 一方で、IoT Enterprise LTSCのみ前世代(Windows 10)の同エディションの32bit環境相当まで最小構成(ハードル)を下げています。

 これは、Windows 10 IoT Enterprise LTSCを利用しているユーザやWindows 10 IoT Enterprise LTSCを対象OSとするPCやボードのメーカーがWindows 11 IoT Enterprise LTSCに対応するにあたり投資が必要な追加ハードウェアコストをできるだけ抑えられるようにするため、と推測できます。

 MicrosoftのWebページ[1]を読むと、Windows 11 IoT Enterprise LTSCのストレージ種別としてはSolid State Drive (SSD)やHard Disk Drive (HDD)に加えてeMMCやSDカードそしてUSB接続のストレージまで認められており、確かに「ストレージ容量が16 GBのWindows機」を実現できそうです。

 街中などに設置されたキオスク端末やサイネージ装置などのOSがWindowsで起動ドライブがSDカード、なんてことも良くあるようですので、そのような機器の新機種やOS更新をターゲットにした定義とも考えられます。

そんな容量で大丈夫か?

 記憶メディアがNANDフラッシュメモリであるならば、SDカードでも大容量であるほうが一般的にアクセス性能と信頼性は高くなります。

 もちろん、上に挙げたような装置で使用されるストレージは量販店の店頭で購入できるコンシューマ向け製品ではなく、信頼性の高いインダストリアル向け製品が使われているはずです。またアクセス性能はそれほど求められないことも多いです。

 ただそれを踏まえても、より高い信頼性や安定性を求めるのであれば制約が許す限り容量の大きい製品を選ぶことをお勧めします。

まとめ

 この記事では、Microsoftが発表したWindows 11 IoT EnterpriseおよびそのLTSCエディションのストレージ容量要件について紹介しました。

 NANDフラッシュメモリベースのストレージは、用途が幅広くなるに伴い容量やアクセス性能の要件も多様化しています。一方で、NANDフラッシュメモリを使用しているがゆえに「容量は大きいほうが様々な点で良い」という基本的な性質からは逃れられません。

 今回示された要件はあくまで「最低(Minimum)」の要件であることに留意してストレージを選定していただければと思います。

References

[1] Microsoft, "Minimum System Requirements for Windows IoT Enterprise", Retrieved on July 1, 2024
[2] Microsoft, "Windows 11 Minimum Hardware Requirements"[PDF], June 2021

ライセンス表記

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この記事はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

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