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Databricks Data + AI Summit 2026レポート

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Last updated at Posted at 2026-07-02

1. はじめに

こんにちは、KCCS デジタルプラットフォーム部の松村です。
私たちの部門では、Databricksを活用したデータ分析基盤の構築や技術検証、および社内での利活用の推進を行なっています。

これまでの活動によって、大変ありがたいことに2026年1月に私自身がKCCS初となる「Databricks Champion」に認定されました。 この名誉ある認定をいただけたこと、そしてこれまでの発信活動を通じて社内におけるDatabricksへの注目度や期待が着実に高まったことで、去年に引き続き2年連続で「Databricks Data + AI Summit(以下DAIS)」へ現地参加する機会をいただくことができました。

本記事では、熱気に包まれた現地の様子と、今回発表された最新のアップデート内容についてレポートします!


2. Databricks Data + AI Summit(DAIS)とは?

DAISは、Databricksが主催するデータとAIのグローバルリーディングカンパニーや技術者が集う、年1回の大型カンファレンスです 。今年の開催規模は、まさに過去最高最大と呼ぶにふさわしいものでした。

項目 概要
開催時期 2026年6月15日〜6月18日
開催場所 米国サンフランシスコ・モスコーンセンター
現地参加者数 31,309名(174カ国以上から参加)
全体視聴者数 バーチャル参加を含め合計 100,000名以上
日本からの参加 500名以上が現地渡航

去年(2025年)の現地参加者は2万人程度だったため、わずか1年で約1.5倍の規模へと急成長を遂げています。データ・AIへの世界的な関心の高さがダイレクトに伝わってくる数字です。


3. 現地での様子

イベント期間中のサンフランシスコの街は、どこを歩いてもイベントのネックストラップをかけた人に遭遇し、街中の広告塔にもDatabricksのロゴが掲げられていました。


💡 入国審査での驚きのエピソード
一番驚いたのは、米国への入国審査の際です。「DAISに参加するために来た」と伝えたところ、審査官の方に「あぁ、Databricksね」とすぐに納得され、スムーズに通されました。ITの専門家ではない一般の審査官の方ですら当然のように認知しているほどの世界的イベントなのだと、身をもって実感した瞬間でした。

会場内は、参加人数が前年の1.5倍になったこともあり、ややパンク気味なほどの熱気に満ちていました 。
基調講演(キーノート)や各種セッションでは立ち見が多数溢れ 、ランチタイムには会場が飽和して地面に座って食事をされている方が多く見られるほど。ここ1年におけるDatabricksの勢いの凄まじさを、肌で感じる4日間となりました。

左:基調講演開始30分前の様子
右:会場から撮影したランチ会場(ピークが過ぎた時間だったので空いていますが)

4. 主な発表内容

今年のDAIS 2026では、データスタックをリアルタイム基盤へと進化させるテクノロジーや 、AIエージェントをビジネスに組み込むための数多くの新機能・アップデートが怒涛の勢いで発表されました 。

主要な注目機能を、2つのカテゴリに分けてご紹介します。

📊 次世代のリアルタイムデータ基盤

AIエージェント時代に求められるスケールと同時実行性に応えるため、データへアクセスする部分での大幅なアップグレードが発表されました。

Lakehouse//RT

  • 新しいネイティブコンピュートエンジン「Reyden」(Reynoldさんが作ったDreamなEngineでReydenと名付けられたそうです。かっこいい。。。)を搭載したリアルタイムレイクハウス
  • データを別の場所に移動させることなく、大規模な環境下でもミリ秒単位の超高速処理が可能

Lakebase Cross Cloud DR

  • クラウド間(AWS/Azureなど)やリージョン間でのシームレスな災害復旧(DR)をフルマネージドで標準搭載

Lakebase Search

  • Postgresインデックスとして動作し、標準SQLで全文検索、セマンティック(ベクトル)検索、およびそれらを統合したハイブリッド検索をネイティブに提供

LTAP (Lake Transactional/Analytics Processing)

  • OLTP(トランザクション処理)とOLAP(分析処理)を、データの移動や複製を一切行うことなく単一のソリューションに統合

🤖 AI機能とAIエージェント

日常業務からデータ/AI開発、運用までの自動化を担うための新機能がアップデートされました。

Genie One

  • あらゆるチームのためのAIコワーカー
  • Databricks内の構造化データと外部の非構造化情報を横断して理解し、文脈に合った信頼できる回答を返却
  • Slack、Teams、モバイル、MCPアプリなど、普段の仕事環境でUnity Catalogに基づく安全な利用が可能

Genie Agents

  • 対話(プロンプト)を通じて、特定のルールやデータソース、指示を引き継いだ「業務特化型エージェント」をノーコードで簡単に作成・共有が可能
  • エージェントの派生および、共有が可能

Genie App Builder

  • Databricks内のあらゆるコンテキストを活用し、自然言語(Vibe Coding)による指示で、データと安全に連携した高品質なビジネスアプリを構築・デプロイできる機能

Genie ZeroOps / Genie ZeroOps for ML

  • パイプラインやMLモデルを自律的にバックグラウンド監視し、問題の検知、原因の特定、ゼロコピーのSandbox環境による修正案の検証までを自動実行

Genie Ontology

  • 社内のデータ資産やナレッジからビジネス用語・KPIなどのエンティティを自動推論し、ナレッジグラフ(コンテキストレイヤー)を構築することで、エージェントの推論精度向上と処理時間を短縮

Omnigent

  • Claude CodeやCursor、Codexといった乱立する様々なAIエージェントハーネスを一元的に実行・監督・統制するための、オープンソースの「メタ」ハーネス

Unity AI Gateway

  • 組織内のモデルやエージェント、LLMエンドポイント、MCPサーバーを一元管理する中央AIガバナンスレイヤー
  • チームやツールごとのLLMトークン支出の可視化や、予算超過前の自動停止(ハード・キャップ)などのコスト管理ポリシーを設定可能

OpenSharing

  • Delta Sharingの次世代版となる、データだけでなくモデルやエージェントなどの「AIアセット」を安全に共有するための新しいオープンプロトコル

5. 所感

今回のDAIS 2026に参加して、自社内でDatabricksおよび、データ分析基盤の利活用を推進するエンジニアとして、以下の3つのポイントで今後の期待を感じました。

1. 「作る」基盤から「使い倒す」基盤へのシフト
昨年と比較して、データ基盤そのものの純粋な機能アップデート以上に、「AI機能」や「エージェント機能」の発表が圧倒的に多かったのが印象的でした。
これは、Databricksが「データをどう蓄積するか」というフェーズから、「蓄積したデータをいかにビジネス価値に変換し、活用するか」という実践フェーズに焦点を合わせていることの表れだと感じました。
昨年、東京で行われたData + AI World Tour Tokyoでの事例発表やその他のデータ分析系のイベントで見た限りでは、多くの企業が蓄積の話が多く、データを活用したビジネスの創出にまで繋げられている事例は多くなかったので、これからはデータ活用とビジネスの創出までを視野に入れた活用が求められると感じました。

2. 「Genie Agents」と「Unity AI Gateway」による全社業務の効率化
社内でのデータ民主化と業務効率化を推進する上で、この2つによる影響は大きいと考えました。

  • Genie Agentsによる「業務ノウハウ」をノーコードで資産化
    単にデータを検索するだけでなく、日々のチャットから「うまくいった分析プロセスや指示・スキル」を引き継いで、特定のチームに特化した業務エージェントをノーコードで簡単に構築できる点が非常に魅力的です。
    これまでの「仕様書やドキュメントによるノウハウ共有」ではなく、「特定のビジネスルールやデータソースを持つ、そのまま動いて役立つエージェント」 として再利用・リンク共有できるため、各現場のドメイン知識をそのまま自律的な労働力に落とし込めるのではないかと思います。
  • Unity AI Gatewayによる外部展開
    エージェントの価値を全社にスケールさせる上で、中央AIガバナンスレイヤーである Unity AI Gatewayが強力な基盤になるかと思います。Databricksに直接ログインしない一般のユーザーでも、SlackやTeams、自社のカスタムアプリなどの外部環境からAPI経由でこのAIエージェントの恩恵を受けられるようになります。
    ここで懸念されるのが「セキュリティ(権限管理)」と「LLMのコスト暴走」ですが、Unity AI Gatewayはユーザー代理認証によって、Databricks外からでも各ユーザーの権限(Unity Catalog)を崩さずにアクセス制御を維持でき、チームやエージェントごとに予算を割り当てる「予算ポリシー」や、予算超過時にリクエストを自動停止する「支出のハード・キャップ」機能が備わっているため 、管理者が安心して全社へ安全かつ大規模にAIを展開できるロードマップが見えました。

3. アプリエンジニア視点で見る「Agentic Data」の衝撃
私はもともとアプリケーション開発寄りのエンジニアであるため、データ基盤側のアップデートである Lakehouse//RT、Lakebase Search、LTAP には非常に興奮しました。

Lakebase Searchのネイティブ統合: Postgresインデックスとして全文検索やベクトル検索がネイティブに動くため、検索専用のデータベースを別途立てたり、性能をチューニングする苦労から解放されるかと思います。
LTAPによるOLTP/OLAPの統合: データ移動(ETL)ゼロでトランザクションと分析処理を同居させることが可能になるため、データの同期や用途ごとにDBを構築する必要がなくなるんじゃないかと期待しています。

これまで構築してきたアプリケーションのデータベース部分をDatabricks(LakebaseやLakehouse//RT)に移行するだけで、アーキテクチャの大幅なシンプル化と、これまで悩まされてきた数々のパフォーマンス問題の解決が期待できます。
(もちろん移行によるコストはかかるので、コストとメリットを天秤にかける必要はある)

もうずいぶんと昔の話ですが、MySQLで全文検索を高速で検索できるようにMyISAMを利用したり、テーブルのレコード件数が多くならないようにテーブルを何分割も行ったりと、性能要件を満たすために複雑なデータモデルにしたことがありますが、LakebaseやLakebase Searchを利用すればそんな工夫が必要なくなるので、あの頃にあったらなぁと思うばかりです。(プラットフォームがDatabricksではないので性能問題のためだけに導入は難しかったとは思いますが)


6. まとめ

今年のDatabricks Data + AI Summit 2026は、データ基盤のリアルタイム化から 、ノーコードでのエージェント・アプリ開発 、そしてマルチAI環境を統率する強力なガバナンスまで 、Databricksが描くエコシステムの進化スピードには目を見張るものがあります。

今回現地で得たインプットと刺激をもとに、まずは社内での新機能の検証や自社のデータ分析基盤のさらなる価値向上、事業での活用に繋げたいと思います。

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