はじめに
これまで、
・要件定義はなぜ難しいのか
・技術を出すタイミング
・スケジュールのズレ
・保留の扱い方
・ドキュメントとレビュー
について書いてきました。
今回はそれらを一度まとめます。
正解を出すための型ではなく、ズレに気づくためのチェックリストです。
要件定義チェックリスト10項目
① 背景は言語化されているか
・なぜその要望が出てきたのか
・誰がどんな場面で困っているのか
② 「要望」と「要件」を分けられているか
・やりたいことと、必須条件が混ざっていないか
③ 例外ケースを無視していないか
・通常系だけで話を進めていないか
④ 技術の話を早く出しすぎていないか
・まず業務理解を優先できているか
⑤ スケジュールの背景を聞いたか
・なぜその期限なのか
・どこまでなら業務は回るのか
⑥ 段階的に考えられているか
・一度に全部やろうとしていないか
⑦ 保留は見える状態か
・何を保留にしているか分かるか
・ボールの所在は明確か
⑧ ドキュメントに思考の跡が残っているか
・なぜそう決めたのか書いているか
・未確定が分かるか
⑨ レビューしやすい形になっているか
・相談ポイントが見えるか
・仮置きが明示されているか
⑩ 「本当に困りごとは解決するか」と自問したか
・仕様そのものが目的になっていないか
結局、要件定義でやっていること
このチェックリストは、何か特別なテクニックを並べたものではありません。
どれも、
・前提を揃える
・背景を聞く
・曖昧さを見える化する
という、基本的な姿勢の繰り返しです。
これまでの投稿を通して書いてきたのは、「うまい要件定義のやり方」ではなく、ズレを早く見つけるための視点でした。
要件定義の本質
要件定義は、
・完璧な仕様書を作る工程でも
・全部を決め切る工程でもありません。
むしろ、
・認識の違いをあぶり出し
・曖昧な部分を可視化し
・後で困らない状態を作る
ための工程だと思っています。
曖昧さをゼロにすることはできません。
でも、曖昧さをコントロールすることはできます。
おわりに
もし迷ったら、この10項目に立ち返ってみてください。全部できなくても大丈夫です。どこか一つでも意識できれば、現場は少し変わります。
要件定義は、派手ではありません。でも、後から効いてくる工程です。その積み重ねが、プロジェクトの安定につながると信じています。