こんにちは!
トラストバンクでマネージャーをしながらテックリードをしている @kazuyaseo です。
AdventCalendar2024の最終日の記事になります!
今年は社内で実施した 「エンジニア向け勉強会」 について運営を始めるまでに考えたことや狙い、細かく意識したこととかを書いていきます。
有志を募って空き時間に実施する勉強会や、社外の勉強会への参加ではなく、業務の時間を使って成果を出すために自分達で設計し、第1回目の実施に至ることが出来たので、それまでの内容を紹介させていただきます。
0. サービス紹介
まずはサービス紹介させてください。
毎年紹介させていただいて恐縮ですが、自分の担当しているサービスは「ふるさとチョイス」というふるさと納税のポータルサイトです!
開発言語は PHP、フレームワークは FuelPHP、DBはMySQLを使っています。
何度かのリニューアルを経て今に至りますが、これから活躍していくためにも
目下 アーキテクチャ再構築をガシガシ進めていっている状況です。
今回の勉強会は「ふるさとチョイス」のアーキテクチャ再構築を見越したモダンな開発環境や、テスタブルな設計を学べるように運営設計しましたので、以下に流れを書いていきます。
1. 実現のために勉強会の目的を改めて考えました
今まではトラストバンク以外でもエンジニア向けの勉強会は今まで何度も実施させていただいてました。
ただ、今までは「エンジニアとして学びの場は必要」や「エンジニアとして勉強会はしたほうが良い」と言った”勉強会することに意義がある”的な流れもあり、勉強会の参加や立ち上げに対しては「まずはやってみよう!」と言った勢いで実現できていました。
これ自体は良いことですが、業務時間(みなさんの稼働時間)を使って 継続した勉強会 を実施するには明確な目的と効果が必要だと思いました。
目的や効果や目指すべき姿が無いと「勉強会を開く」事が目的となり、業務として取り入れる品質には達しないと思ったからです。
業務時間を使って何も達成できないのは無いな、と思いました。
そのため、今回はこれらの概念を一度取り払って改めて勉強会をすることの「目指すべき姿」を考えたうえで、目的の定義から行いました。
目的の候補はいくつか上がり、かなり時間をかけて考えたのですが、結論としては前述した「アーキテクチャ再構築」は開発部門のメインミッションであるため、
「アーキテクチャ再構築が行われた後を見据えた技術の習得」
という事を目的とさせていただきました。
2. テーマをできるだけ身近にした
目的が決まるとテーマは結構スムーズに決まりました。
ふるさとチョイスのアーキテクチャ再構築はいろいろな施策が盛り沢山で、モダンな技術を多く取り入れ用としていますが、
明確にアップデートを目指しているのは「テスト」です。
ふるさとチョイスは 「寄付」 という形ですが、お金を使う仕組みを導入しています。
そのため品質の維持は何よりも優先するべきサービスだと思っています。
UnitTestやFeatureTestを充実させることも
目的とテーマを勉強会のタイトルに加えて、晴れて「テストを書けるようにする」「テストを書くための設計を学ぶ」を加え、
アーキテクチャ再構築を見据えてモダンな開発とテスタブルな設計を学ぶ
というタイトルが出来上がりました!
3. 形式は「参加しやすい」「身につく」を意識した
勉強会の形式としては「LT形式」「プレゼンテーション形式」「座学形式」「輪読会形式」「ハンズオン形式」など色々とあると思います。
この中でも参加しやすい勉強会は聞く側として参加できる「プレゼンテーション形式」「座学形式」
参加のハードルは上がりますが自分の身につく形式として「ハンズオン形式」「輪読会形式」
間を取るのが「LT形式」かなと言ったイメージでした。
今回は初めての開催となるため、初回に参加のハードルを下げて参加しやすい雰囲気(登壇側も)を作り、2回目以降は実際に手を動かし、できるだけ楽しさと学びを両立させようと以下の形式にしました。
初回は座学形式を少しアレンジしてラジオ形式で実施
メインスピーカーとサブスピーカーの二人で会話しながら進めるラジオ形式にしました。
メインスピーカーが説明をし、サブスピーカーが感想を言ったり合いの手を入れたりする会話形式にしています。
一方的に喋るのではないため、
また、 「聞くだけでもOK」 なので参加しやすい形にしてます。
2回目以降は実際のレポジトリを元に操作するハンズオン形式
初回のラジオ形式で「学べる感」と「参加しやすい空気」を作り、
2回目以降はコードを書きながら実践的なスキルを習得できる形式に移行しました。
コードを書きながら進めるのも2段階ぐらいを想定しており、最初は勉強会専用のレポジトリとスケルトンを用意して、設計 → 開発 → テストの一連の流れを学ぶ。
その後に、実際に業務で使われているソースコードに対して テスタブルな設計 → 実際に修正 まで行う想定です。
これにより、だんだんと実務に近づけつつ、楽しく学べるような形式を考えました。
4. 参加者からの意見をもらいやすくする
勉強会が運営からの一方通行にならないように、できるだけ意見をもらえるように意識しました。
本当は運営側も含めてみんなで一つの何かを作るような勉強会にしたいのですが、
それは来年度以降に出来ればと画策しています。
意見をもらいやすくするために力を入れたことは主に2つで「コメント受付と返答担当者をスピーカーとは別に担当してもらう」と「勉強会毎にアンケートを取って振り返りする」で、どちらも良いことばかりでしたので、実施した効果を書いていきます。
コメント受付と返答担当者をスピーカーとは別にした効果
スピーカーが話に集中できる環境を作れた
質疑応答を担当してくれる方がいるおかげで、スピーカーが本題に集中できる環境が作れたことはとても大きかったです
質問を取り上げやすくなった
スピーカーの方も発表の合間に「ピックアップしたほうがいい質問とかあるかな?」というのを気にする事があるのですが、コメント受付の方がいると「何かピックアップしたほうがいい質問とかあるかな?」と質問を投げかけやすくなる + 良い質問も即時にピックアップできるのでオススメです
参加者の意見をいただきやすくなった
コメント受付の方に盛り上げてもらったり「いつでも質問に回答しますよ!」という雰囲気を作ってもらえると質問しやすくなるんだなと今回学びがありました
勉強会毎にアンケートを取って振り返りをした効果
自分達の成長の糧になる
参加者の声は単純に嬉しいですし、会の改善につながっていると実感。会を持続可能にするためにもこれは必須と思います
参加者の意見は参加者だけでなく運営も成長させてくれる重要な意見だなとアンケート結果を見てもひしひしと感じています。
また、コメントの受付担当が立ってくれることでものすごく勉強会の運営が良くなるので、オススメです!
5. 実際にやってみて分かったこと
1〜4の設計の元、第1回の勉強会までが無事に行われましたが、いろいろな気づきがありました。
楽しさ
社員・業務委託が垣根を越えて協力する一体感
技術的な議論を通じて「一緒に作り上げる」感覚は、社員・業務委託メンバーの垣根を超えて風通しが良く、共通のテーマに向けての会話は一体感を生み出せたと思います。
シンプルに面白いよ!
勉強会を運営することもそうなのですが、みんなで色々と考えていくのはシンプルに楽しいです。「こういう方法もあるのか!」という気づきや、新しいスキルを共有する喜びが溢れる場になりました
ラジオ形式の発見
ラジオ形式での発表は今回始めてで、自分はサブスピーカーとして話に参加させていただいたのですが、オンラインで行う勉強会として、「技術を伝える人」と「その技術をどのように使うか考える人」の役割分担が出来、とても良かったです。あとは、ただただ楽しかった。
改善ポイントが多いのは良いことですし、まずは運営メンバーが楽しめたことが何よりの成果だったと思っています。
参加者に向けてももっとバリューを出していけるよう、運営頑張ります!
最後に
勉強会はすぐに成果が見えるものではないため継続することも難しいことが多く、
継続できないとそもそもの成果が出なかったり...と、
目に見えた成果を出すのがなかなか難しいものだと思っております。
それでも、継続することで確実にチームを進化させる原動力になる と思ってます。
エンジニアとしてのスキルアップやチームでの助け合いをしやすい環境を作ることで、よりよいプロダクトを作れる組織づくりに少しでも貢献できれば幸いです。
これを読んでいる皆さんも、ぜひ社内で勉強会を企画してみてはいかがでしょうか?
成長できる環境や文化を作り上げましょう!
募集
トラストバンクでは様々な職種のメンバーを募集中です。
この記事を見て、一緒にふるさとチョイスを作り変えたいと思っている方がいらっしゃいましたら、是非ご応募をお待ちしています。