はじめに
8ビットCPUやマイクロコントローラで動作するUNIX風OSにFuzixがあります。
Z80で動作するUNIX風OSのuziに起源をもつので、Z80とその派生CPUで動作するコンピュータに多数移植されています。
今回取り上げるAgonLight2には、eZ80のCPUが搭載されています。CPUを含む周辺機器の部品も現在製造されている部品で構成されているのが特徴です。
FuzixのeZ80移植例として、EZ-Retroのボードが知られていますが、2024年12月現在、回路図掲載サイトが消失しており、実機での実証ができない状態でした。
FuzixのgithubサイトのISSUEで、eZ80搭載ボードへの移植が20223年中頃に話題になっていましたが、移植されたとの報告はありませんでした。
そのような状態の中、2024年12月にAgonLight2用Fuzixが公開されました。
README.mdを読むと、EZ-Retroのポートを参考にしたことがわかります。
本稿では、AgonLight2での動作確認を速報いたします。
AgonLight2用SDカードの準備
使用したボードのBIOS(?)に相当する「Quark VDP」と「Quark MOS」のバージョンは、「1.03」です。
使用するマイクロSDカードはFAT32フォーマットのものを使います。
Fuzix起動するのに必要なファイルである「agon-fuzix-0.5-5.tar.gz」を、以下urlからダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると「fuzix.bin」と「fuzix.rootfs」が得られます。
これらのファイルをSDカードにコピーします。
コピーが終わったらAgonLight2のSDカードスロットにSDカードを差し込んで起動します。
コマンドプロンプト「*」が表示されたら、fuzix.binをロードして、実行します。
* load fuzix.bin
* run
と入力すると、fuzix.binが実行され、Fuzixのカーネルが起動します。
「Enter new date:」と「Enter new time:」はエンターキーを押すだけにしています。
「login:」が表示されたら、「root」を入力します。
起動の記念に、「banner」コマンドを使いました。
おわりに
2024年も、Fuzixに大きな変化がありました。その中で、Raspberry pi pico2搭載CPUのRP2350への対応とAgonLight2への移植が、個人的には印象深い話題でした。
2025年も、OSの機能拡張と新たな機種への移植のニュースが楽しみです。