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CasioPV-7がMSX2+にアップグレードされる話

Last updated at Posted at 2025-12-23

はじめに

入手困難なMSXの実機をFPGAで実現するプロジェクトとして有名なものに、「OCM-PLD」があります。

「OCM-PLD」はTerasicのFPGAボードのDE0-CVをMSX++として動作させるプロジェクトです。

最近、TangNano20Kを使って、MSX1のVDP、RAMを拡張する「MSXgoauld_tn20k」というプロジェクトが公開されました。

MSXgoauld_tn20k

「MSXgoauld_tn20k」は専用のドーターボードとともに、MSX1に搭載のZ80を置き換えることで、MSX2+の機能を実現します。

ドーターボードには複数種類あり、設置場所に応じて、スルーホール基板やSMD基板を選択します。
「MSXgoauld_tn20k」は以下の機能を担います。

  • Z80
  • V9958 with hdmi output
  • MSX2+ BIOS
  • 4MB mapper
  • RTC
  • PSG through hdmi
  • OPLL through hdmi
  • SCC (audio only) through hdmi

スロットマップは以下の通りです。
image.png

設定は、MSXロゴが出ている途中で「g」のキーを押してメニューに入って行います。
 設定項目は以下の通りです。

  • マッパー使用:デフォルトでは使用になっています
  • マッパースロット:デフォルトは0で、1から3に変更可能ですが、実機の番号と重なる場合、実機のスロットが無効になります
  • スロット1ゴーストSCC:デフォルトは未使用。使用に設定すると、スロット1にあるSCCカートリッジからの音声を出力
  • スキャンラインの使用:デフォルトでは使用。HDMIの画像をきれいにするときは未使用に設定
  • 保存と終了:新しい設定を保存して動作。マッパーの設定を有効にするには、リセットボタンを押す
  • 保存とリセット:新しい設定を保存してソフトウェアリセットが行われます。変更はすぐに反映されます

 TangNano20KのHDMIから映像と音声が出力されます。
実機内蔵のビデオや音声の端子からは出力されません。
 注意点として、BIOSは自身の持つ実機のものと置き換えて利用するのがいいでしょう。
 手元にあるCasioPV-7では問題なく動作しました。
 スロットにSunriseIDEクローンを差して使っても、特に不具合はありませんでした。
 「msx.org」に動作確認済みのリストが掲示されています。

  • Canon V-20
  • Casio PV-7
  • Gradiente Expert XP-800
  • Phillips VG-8010
  • Phillips VG-8020
  • Sanyo Wavy MPC-10
  • Sanyo PHC-27
  • Sanyo PHC-28S
  • Sanyo PHC-SPC
  • Sharp Hotbit HB-8000
  • Sony Hitbit HB-20P
  • Sony Hitbit HB-75P
  • Sony Hitbit HB-101
  • Spectravideo SVI-738
  • Toshiba H1
  • Toshiba HX-10DP
  • Toshiba HX-20I
  • Victor HC-6
  • Yamaha CX5F

さらに、自作MSXの、Artemisa、Baffa-2、JFF、MSX-ONEやOmega MSXで動作するとのことです。

ジャンクのMSX2+を手元に保存しておいて、自作MSXをMSX2+にアップグレードして利用するのはお勧めです。

おわりに

MSXがMSX2+にアップグレードされる基板を紹介しました。
キーボードが壊れていても、「msx-goauld-ga」を参考にWaveshreのRP2040-zeroを利用して、USBキーボードを接続することができます。

USB接続のゲームコントローラも利用可能です。

さらに、TangNano20KのSDカードスロットをMSXに接続するプロジェクトも公開されています。

NextorOSと併用して、SDカードを本体に内蔵できます。
 レトロコンピュータを現在の技術で補強・強化するプロジェクトはとても楽しい話題です。

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