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無料の開発環境 Delphi Starter Edition で Object Pascal言語を優しく学ぶ 第3回 「条件とループ」

Last updated at Posted at 2017-02-06

#Delphi Starter Edition チュートリアルシリーズ シーズン2 第3回 「条件とループ」
image

2017年1月23日より 「Delphi / C++Builder Starter チュートリアルシリーズ」 シーズン2、全9回、3月27日まで、毎週月曜日、Delphiパートが 17時00分~17時20分、 リアルタイム放送スペシャルコンテンツが5分~10分、C++Builderパートが 17時30分~17時50分の時間割でお送りしています。

無料でダウンロード & 利用できる開発環境のDelphi / C++Builder Starter エディションを使用して、プログラミング言語のDelphi (Object Pascal ), C++の基礎を学ぶオンラインセッションです。

##使用したスライドなどの情報を掲載します。
###Webセミナースライド
当セミナーのスライドは下記アドレスよりご参照いただけます。
http://www.slideshare.net/ssuser194f49/delphi-cbuilder-starter-2-delphi-2-71796636

###アジェンダ

  • ねらい
    • 条件によって行う処理を変える方法を知る
    • 一定条件のもと繰り返し処理を行う方法を知る
  • 実施内容
    • 一般的な文の基本
    • 条件文の使い方を学ぶ
    • ループ文の使い方を学ぶ
    • ループ文の制御を学ぶ

###開発環境インストール
Delphi / C++Builder Starter チュートリアルシリーズ シーズン1 第1回 ‟無料で始めよう アプリ作成„をご参考になり、開発環境をインストールしてください。

##以下、Delphi Webセミナーの本筋
###一般的な文 (Statements)

  • 左から右に読んで、上から下に進む
  • 複数行をまとめる場合、begin で始まり end; で終わる
  • 文はセミコロン[ ; ] により次の文へと分けられる
  • 条件文やループ文により、分岐、繰り返し処理を行う
// 一般的な object Pascal の文 (Statements)の例
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
var
  iA, iB: Integer;
begin
  iA := 1;
  iB := iA * 2;
end;

###if 条件文

  • 条件・判定により、実行する/しない処理を変えることができる
  • 値が True/真であればthen以降を処理
  • 値が False/偽であればthen以降は処理しない。 elseがあればelse以降を処理
  • else を使う場合にはelseの前にセミコロンは付けない(文の終わりとしない)
//if構文
if 条件判定式 then
    値がTrue/真の時に実行される処理
  else
    値がFalse/偽の時に実行される処理;
//if 文の例
procedure TForm1.CheckBox1Change(Sender: TObject);
begin
  if CheckBox1.isChecked then //チェックボックスの"isChecked"プロパティを判定
    ShowMessage('チェックボックスON') // IsChecked プロパティの値が True. セミコロンなし
  else
    ShowMessage('チェックボックスOFF'); // IsChecked プロパティの値が False
end;

###if 条件の比較、複合条件 、複合文

  • 条件の判定に比較演算子を使用 : '= , <> , < , <=, > , >= , !'
  • 複数の条件を合わせて判定する場合、論理演算子を使用: and , or , xor
  • 否定(反転)の場合も論理演算子: not 例 : if not(CheckBox1.isChecked) then // Trueではなければ
  • 複数の文をまとめて実行するには beginend でくくる
  • 条件判定後False/偽ののち、さらに条件判定を行うときは else if がある
意味 比較演算子
等しい =
等しくない <>
左辺が小さい <
以下 <_=
左辺がより大きい >
以上 >=
//if 複合文、比較演算子使用の例
begin
  if RadioButton1.isChecked and CheckBox1.isChecked then // and で複数条件確認
  begin // begin - endで複数文をまとめる
    i := i + 1; // begin – end でまとめた文のそれぞれは ; (セミコロン) を付けて一文を区切る
    ShowMessage('チェックボックスON');
  end  //else前に、複数分をまとめるために使ったbegin-endの endの後ろには、セミコロンを付けない
  else if i <= 10 then // else ifでさらに条件判定
    ShowMessage('チェックボックスOFFでiが10以下')
  else
    ShowMessage('チェックボックスOFFでiが10より大きい');
end;

###case ~ of …文

  • より多くの選択肢があるような場合、変数の値によって処理内容を選択
  • 変数のデータ型は順序型であること
  • 整数値 Integer, 文字 Char, 論理型 Boolean,
  • 列挙型や部分範囲型 type typeName=(red, blue,…)
  • 処理条件に当てはまらない場合の処理として elseを使用可能 (省略も可能)
  • case 文の終わりは end; で閉じる
//case文の構文
 case 評価される変数 of
   1: 評価される変数が値1と等しいときに実行される処理; //セミコロン必要
   2: 評価される変数が値2と等しいときに実行される処理; //セミコロン必要
   3: ;
 else //elseとその処理は省略可能
   変数がいずれの値にも合致しないときに実行される処理;
 end;

###case ~ of … 列挙型の使用例
評価される変数として列挙型の変数も使用可能


//case~of 列挙型変数の使用例
type
  TColor = (Red, Green, Blue); //列挙型の定義
var
  myColor: TColor = Red;  //列挙型の変数宣言
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
var
  strColor: string;
begin
  case myColor of     //列挙型変数の値による case of
    Red: strColor := 'Red'; //変数myColorの値がRedなら実行
    Green: strColor := 'Green'; //変数myColorの値がGreenなら実行
    Blue: strColor := 'Blue'; //変数myColorの値がBlueなら実行
  end;
  if strColor <> '' then
    ShowMessage(strColor);
end;

###case ~ of … 値の使用例と複合文

  • 値は定数のほか、部分範囲も指定可能
  • 複数の文をまとめて実行するには beginend; でくくる
//値に部分範囲を使用した例、およびbigin end; で複数処理をまとめた例
 case aChar of     //Char型の変数によるCase文
    '+': str := 'プラス記号';   //定数一文字の値
    '-': str := 'マイナス記号'; //定数一文字の値
    '0'..'9': str := '数字'; //値指定として部分範囲。数値の0~9
    'A'..'X': str := '英語大文字'; //値指定として部分範囲。数値の0~9
    'a'..'x':
      begin //複数の処理を行う場合begin endでくくる
        str := '英語小文字';
        i := i+1;
      end; //case内で複数分をまとめる場合にbegin-end;を使用。endの後ろには;(セミコロン)
  else //いずれの値にも当てはまらない場合の処理
    str := 'それ以外の文字';
  end;

###for ループ 文

  • カウンタ(変数)の値が任意の初期値から一定の値になるまでループ
    • カウンタは1づつ増加(もしくは減少)
    • カウンタは整数型Integerだけではなく、文字型Charや列挙型も使用可能
    • for ~ to ~ do //カウンタを1ずつ増加
    • for ~ downto ~ do //downtoの場合、カウンタは1ずつ減少
//forの構文
 for カウンタ(変数) := 初期値 to この値に達した後ループ終了 do
  ループで実行される処理;
//for文の例
var
  I, iTotal : Integer; 
begin
  iTotal := 0;
  for I := 1 to 10 do
  begin 
     iTotal := iTotal + I;
  end;

###for ループ 文 (使用例)

//Char型の使用例
var
  aChar : Char; 
begin
  for aChar := 'a' to 'z' do
    ShowMessage(aChar);
//列挙型の使用例
type
  TColor = (Red, Blue, Green, Yellow, Black);
 
var
  aColor : TColor; 
begin
  for aColor := Low(TColor) to High(TColor) do
    begin 
     //省略
    end;

###for ~ in ~ do ループ 文

  • 文字列、配列、リスト、レコードなどに代入されている内容分ループ
    • 順に要素にアクセスしていき、データの最後で終了
      • 配列、リスト、レコードは後日のセミナーで紹介
//for in do 構文
 for 現在の要素(変数) in 集合や文字列の変数 do
  ループで実行される処理;
//for in do 使用例
var
  Str : String;
  Ch : Char; 
begin
  Str := 'Hello Delphi World';
  for Ch in Str do 
    ShowMessage(Ch); 

参考DocWiki: for 文を使用するコンテナの繰り返し

###while と repeat ループ

  • 設定した条件によりループを繰り返す
    • while ~ do は ループ冒頭で判定。判定がTrueの間ループ
    • repeat ~ until はループ終端で判定。判定がTrueになるまでループ
//while構文
 while 条件式 do //条件が満たされている間、ループ(do以下のブロックを実行)
 begin
   I := I + 1;  //ループしたい処理
 end;
//repeat構文
 repeat
    I := I + 1;  //ループしたい処理
 until 条件式; //条件が満たされるまでの間、ループ(repeatに戻る)

###while と repeat ループ 使用例

  • 以下の例では、どちらも表示されるShowMessageは 101
  • repeat文の場合、少なくとも1回は処理が実行される
//while使用例
 I := 0;
 while I <= 100 do //条件が満たされている間ループ(do以下のブロックを実行)
 begin
   I := I + 1;
 end;
 ShowMessage(I.ToString);
//repeat 使用例
 I := 0;
 repeat
    I := I + 1;
 until I > 100; //条件が満たされるまでの間ループ(repeatに戻る)
 ShowMessage(I.ToString);

###Break, Continue,によるループ制御

  • Break;
    • ループを中断し、ループを抜ける(ループの直後の文に移行)
  • Continue;
    • ループの条件判定(forカウンタ, while条件判定, until条件判定)までジャンプ
    • ループを抜けるかどうかは、カウンタ達成か、条件判定に依る
//break使用例
  for aChar := Low(Char) to High(Char) do
  begin
    if aChar = 'A' then
    begin
      ShowMessage('見つけた! ');
      Break; //ループから抜ける
    end;
  end;
  ShowMessage(aChar);

##おわりに
第3回、2月6日分の Delphiパート 「条件とループ」は以上です。

<<シーズン2 第2回の記事はこちら

シーズン2 第4回の記事はこちら>>

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