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無料の開発環境 Delphi Starter Edition で Object Pascal言語を優しく学ぶ 第2回 「変数と型」

Last updated at Posted at 2017-01-30

Delphi Starter Edition チュートリアルシリーズ シーズン2 第2回 「変数と型」

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2017年1月23日より 「Delphi / C++Builder Starter チュートリアルシリーズ」 シーズン2、全9回、3月27日まで、毎週月曜日、Delphiパートが 17時00分~17時20分、 リアルタイム放送スペシャルコンテンツが5分~10分、C++Builderパートが 17時30分~17時50分の時間割でお送りしています。

無料でダウンロード&利用できる開発環境のDelphi / C++Builder Starter エディションを使用して、プログラミング言語のDelphi (Object Pascal ), C++の基礎を学ぶオンラインセッションです。

使用したスライドなどの情報を掲載します。

Webセミナースライド

当セミナーのスライドは下記アドレスよりご参照いただけます。
http://www.slideshare.net/ssuser194f49/delphi-cbuilder-starter-2-delphi-2

アジェンダ

  • ねらい
    • 変数とは何か、型とは何かを知る
    • 変数と型の使い方を知る
  • 実施内容
    • 変数とデータ型の宣言
    • 変数とデータ型の宣言場所と影響範囲
    • 変数とデータ型の使用
    • 演算子とは
    • キャストと型変換

開発環境インストール

Delphi / C++Builder Starter チュートリアルシリーズ シーズン1 第1回 ‟無料で始めよう アプリ作成„をご参考になり、開発環境をインストールしてください。

以下、Delphi Webセミナーの本筋

変数と型

  • 型(データ型) : どんな種類のデータを入れるかを決めてある形 数値なのか、文字なのか。これらの複合である場合もある
  • 変数 : データを記憶・保存(代入)させておく、識別子を持った 入れ物 どんなデータ型を使用するか決めて、名前(識別子)を付けて使用する

Delphiはプログラム内で使用する変数をvar ブロックで宣言して使用します

データ型

主要(よく使う)データ型の一例

  • 整数データ型
    • 整数(数値)を入れる
    • Integer, Uint64 …

  • 浮動小数点データ型
    • 小数点を含む数値を入れる
    • Single, Double, Extended ...

  • 文字列データ型と文字データ型
    • 文字や、文字の集合(文字列)を入れる
    • Char, String …

  • 論理データ型
    • 論理値(True / False -> 真か偽) を入れる・表す
    • Boolean …

  • その他のデータ型
    • Variant, Currency, Array …

より多くの、Delphiのデータ型の一覧はDocwikiを参照してください:
http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Berlin/ja/Delphi_のデータ型

宣言について

プログラム内で使う前に、変数(入れ物)として識別子を付けて使用する型を指定します。

  • 指定する場所は、プログラム内の var 宣言のブロック内に記述します。
  • 定数はプログラム内のconst 宣言ブのロック内に記述します。

宣言する場所で利用可能(参照可能)な範囲が異なります。

  • interface部内varブロック内で変数の宣言をした場合
    • 外部ユニットからも参照可能なグローバル変数となる
  • implementation 部直下のvarブロック内で変数の宣言をした場合
    • ユニット内で使用可能なグローバル変数
  • procedure / function内のvarブロック内で変数の宣言をした場合
    • 手続き、関数内でのみ有効な変数

宣言の例
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代入について

変数にデータを入れることを代入といいます

  • := (代入演算子)を使用して変数に代入します。
  • [代入される変数] := [代入したいデータ] の順序で書きます。
  • 変数の型に合うデータが代入可能です。

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myString := myInteger.ToString  {ヘルパーで整数を文字列変換して代入。これはOK。
ヘルパーは下記にて説明します。}

ヘルパー

変数を扱う上で便利な機能 (数値を文字列化する等)
* Integer 型ヘルパー / 浮動小数点型ヘルパーなどがあります。

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参考DocWiki:
http://docwiki.embarcadero.com/Libraries/Berlin/ja/System.SysUtils.TIntegerHelper_Methods
http://docwiki.embarcadero.com/Libraries/Berlin/ja/System.SysUtils.TSingleHelper_Methods

ルーチン

ヘルパー以外にも変数を扱う上で便利な関数があります

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参考 docwiki その他の標準ルーチンについてはこちらをご参照ください:
https://goo.gl/PZRP5x

ユーザー定義データ型

自分好みのデータ型を作るには、Typeブロックの宣言後に定義します

  • ある連続した範囲を入れられるデータ型を作れる「部分範囲」
    TypeTOomoji = ‘A’ .. ‘Z’; //大文字AからZだけを代入できる型を定義
    TSuuji = 0..9; //0から9だけを代入できる型を定義
    THyakuketa = 100..999 //100から999までの三桁だけを代入できる型を定義

  • 特定の任意の値を保持するデータ型を作れる「列挙型」
    TColor = (Red, Yellow, Green, Cyan, Blue, Violet); //列挙している文字列(色)だけを保持できる型
    TFontStyle = (fsBold, fsNarrow, fsItalic, fsUnderline); //列挙しているフォントスタイルを保持できる型

  • さらに、データ型を複数同時に保持できるようになる「集合型」 “Set of”
    TFontStyleSuite = set of TFontStyle; //複数のフォントスタイル (太文字 +イタリック)を同時保持

ユーザーデータ型はvar ブロックで識別子を付け型指定して使用します

var 
  myColor : TColor;            //Typeブロックで定義したTColor の変数識別子を指定
  myFontstyles : TFontStyleSuite;  //集合型として定義したTFontStyleSuite を使用

代入する際に、集合型 は複数のデータを保持可能で、集合演算子を使用して組み合わせ可能です

 MyFontStyles := [TFontStyle.fsBold];
 MyFontStyles := MyFontStyles + [TFontStyle.fsItalic, TFontStyle.fsUnderline] - [TFontStyle.fsBold];
  • Include / Exclude で代入する方法もあります : Include(MyfontStyles, TFontStyle.fsBold);

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式と演算子

式とは値を返す構文のこと

  • 変数一つでも式 (変数の保持している値が返る)
  • 関数も式 (関数の戻り値が返る)
  • 算術式 10-5/2 も式 (計算の結果が返る)
  • A := X; A := somefunction(); A := 10-5/2; //式は値を戻すのでこんな感じで代入して使える
  • If A = X then~ : //この A=X も式。比較演算を使ってBoolean 型の値を返すので if 条件式に使える

演算子は下記のような計算・演算、比較を行うための記号や記述のこと

  • +, -, *, / … などの計算を行うための算術演算子
  • if 文などの条件式を複合的につかうための not, and, or, xor などの論理演算子
  • if 文なの条件比較に使われる =, <>, <=, >= などの関係演算子
  • := も代入演算子

各演算子は優先度があります。詳しくはDocwiki参照

参考 docwiki :http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Berlin/ja/式(Delphi)

演算子の一例

  • 算術演算子
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  • 比較演算子
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日付 と 時刻 の型

日付、時間を扱う便利な型があります

  • TDateTime

*日付、時間操作に便利な関数があります*
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参考Docwiki: http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Berlin/ja/日付および時刻のサポート

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型のキャスト と 型変換

異なる型には代入できないが、あえて代入する際に使う方法です

  • 数値型においてより大きな入れ物に入れる場合や、整数値を実数型(浮動小数点型)に入れる場合には、型キャストは必要なく安全に代入可能

    • Int64型 (整数) := Integer (整数);
    • Single型 (実数) := Integer (整数);
  • 異なる型に物理的にデータをコピーする方法がキャスト

  • 異なる型に関数やルーチンを使って戻される値を使うのが型変換

キャスト :どの型に変化するか型名を書き、カッコでくくる
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コンパイラによる型のエラーチェックが行われない弊害があり、エラー箇所の発見が行いにくくなります

型変換 : 関数、ルーチン、ヘルパーを使って変換
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参考Docwiki :
http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Berlin/ja/型変換ルーチン
http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Berlin/ja/Delphi_組み込みルーチン

おわりに

第2回、1月30日分の Delphiパート「image」について以上です。

エンバカデロブログ:https://community.embarcadero.com/blogs/blog-menu?view=tags&layout=tag&id=1894

<<シーズン2、第1回の記事はこちら
シーズン2 第3回の記事はこちら>>

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