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【超入門】iOSアプリ開発をDelphi/C++Builderで始めるためのファーストステップ

Last updated at Posted at 2017-05-08

Delphiとは

1995年に発表されたプログラム言語名&開発環境名であります。開発言語としてのDelphiを「Object Pascal」と呼ぶことも多いです。
ちなみに1995年は RubyとJavaの発表年でもあります。PHPの元になったPHP/FIの開発年でもあります。(出展:wikipedia プログラミング言語年表)
ワインの評価的な言い回しでいうと「1995年はプログラム言語にとって偉大な当たり年」。
Delphi は、ドラッグアンドドロップによる視覚的な開発が可能で、単一のソースコードと一つのマスタUIでiOS,macOS,Android,Windowsのアプリ開発ができるというスグレモノです。覚えやすい教育向けのPascal言語を母とし、オブジェクト指向を取り入れ、前身であるTurbo Pascal から Delphiへと継がれてきました。この言語の開発者は、MicrosoftのC#の開発者としても知られるアンダース・ヘルスバーグです。(Microsoftに移籍後、C#を開発)つまり、この二つの言語、お父さんが同じであります。似たところが多いのもお父さん由来といったところでしょうか。

iOS アプリ開発の準備について序章

クロスプラットフォーム開発環境である Delphi / C++Builder を使用して、iOSアプリやmacOSアプリを開発することができます。しかし、Delphi / C++Builderで開発することができるWindowsやAndroidアプリと比べて、多くの準備が必要です。Delphi/C++BuilderのユーザーさんからもiOS開発をするための準備をどうしたらいいのか?という質問がよく出たりしています。他OS向け開発と比べて必要とする準備・要素が多いんですね。
準備が複雑になってしまう理由として、以下のようなものがあります。

  • macOSマシン(いわゆるマック)が別途必要となる
  • Appleデベロッパー契約が必要である
  • Xcodeのインストールが必要である
  • iOSアプリは署名されている必要があるが、その署名に必要となるプロビジョニングプロファイルを作るのが手間

これらは、AppleがiOSのアプリ開発は Xcodeという開発環境でなくてはダメ!と取り決めているからであります(ちょっと乱暴な言いかたですか?)そしてXcodeはmacOS機でのみで動作するのでmacOSも必須となります。そしてiOSアプリを開発、配布するためには、Appleデベロッパ契約が必要です。(Appleデベロッパ契約を結ばなくてもiOS機に開発アプリをインストールする方法はありますが、ここでは割愛)
そんな背景があり、これらの準備にはちょっとした手間が必要なんですね。

Delphi で iOSアプリを開発するのに役立つ書籍として細川 淳さん著書の「Delphiでかんたん iOSアプリプログラミング」があります。とても分かりやすく良い本ですので、是非どうぞ。

大切なことなのでもう一度言いますが、良い本です。発売年は2013年。ちょっと年月が過ぎています。準備の手順も違いが出てきています。
そこで、2017年4月時点での最新開発環境 「Delphi 10.2 Tokyo」と 現macOS環境の組み合わせでのiOS アプリ開発環境の構築と、iOS機(iPhone / iPad)への開発アプリの配置までを行う手順について、「はじめの一歩」的にご紹介します。

使用環境

ここで手順ご紹介に使用しているOS,ソフトウエアなどのバージョンなどを記載します。

環境 バージョン
Windows 10 バージョン 1607 ビルド 14393.969
RAD Studio / Delphi / C++Builder 10.2 Tokyo
macOS Sierra バージョン 10.12.4
iOS 10.3.1
Parallels 11 for Mac 11.2.2
Xcode 8.3.1 *注1

*1 : 2017年4月現在、Xcodeは8.2の使用を推奨(8.3はRAD Studioとの相性問題あり)

ビデオ

Delphi / C++Builder でiOSアプリ開発の環境設定を行う方法について、ビデオが公開されています。ご参考に。
https://youtu.be/r9vgMLSzloU

手順

基本的な手順は、実は Delphi 提供元のEmbarcadero社のDocwikiに掲載されています。

しかし、よくありがちな話ですが、メーカー提供のドキュメントは、わかりにくいところもあり、躓いてしまうこともしばしばあります。そこで、この記事では、いくつかの作業単位に分けて、その作業単位ごと、ステップバイステップ形式にて説明してゆき、時間があれば誰でも準備が整えられるように説明することを目的としました。

以下の作業単位に分けて紹介してまいります。

  1. RAD Studio / Delphi / C++Builder のインストール
  2. XcodeのインストールとPA Serverのインストール
  3. [Hello World] iOS アプリをDelphi/C++Builderで作ってみよう(iOSシュミレータ動作)
  4. iPhone/iPadにDelphi/C++Builder開発アプリを配置する手順(実機への配置)

では、説明に入ってい参りましょう。以下、セクション分けして、それぞれの手順記事にリンクで飛んでみていただけるように構成しました。

1. RAD Studio / Delphi / C++Builder のインストール

ここでは無料トライアル版を導入する手順を記載しておきます。RAD Studio / Delphi のフル機能を30日間、無料で試用することができます。すでにライセンスを購入している方は、ライセンス購入時にメール等で知らされる手順により導入してください。
トライアル版をダウンロード、インストールする手順はこちらの記事をご参照ください。

2. XcodeのインストールとPA Serverのインストール

macOSにXcodeを導入し、RAD StudioとmacOSを接続するためPA Serrverをインストールします。そのPA Serverの設定を行い、必要なSDKを読み込みます。これらの手順をご紹介します。

3. [Hello World] iOS アプリをDelphiで作ってみよう(iOSシュミレータ動作)

macOSとRAD Studioの接続ができたら、いよいよ最初のアプリをDelphiで作ってみます。Hello Worldアプリを作って、iOSシミュレータで動かしてみましょう。

4. iPhone/iPadにDelphi開発アプリを配置する手順(実機への配置)

シミュレータでの動作ができたら、開発アプリをiOSデバイス実機に配置してみます。あアプリをiPhoneやiPadに送り込んで動作させるためには、アプリが「署名」されていなければなりません。「署名」を行うための手順と、実機への配置手順をご紹介します。

今後

これにて「開発アプリ」を実機にて動作させるまで、一通りできました。
このあと、アドホック(Ad Hoc)で配布・動作させるまでの方法、Appleストアに申請させるまでの方法、などの手順紹介を予定していますが、未定です。

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